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先輩薬師の後輩育成日記  作者: 織姫
第16話 新たな家族

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その②


                 ◇ ◇ ◇

  

 その日の夜。みんなが帰り、ルークを寝かし付けたあと。私とエドは久しぶりに二人の時間を過ごしました。今日は普段と違い、暖炉の火を眺めるようにソファーに並んで過ごすことにしたけど、2人だけで過ごすひと時は私たち夫婦の大切な時間。最近は私が早く寝ていたせいで作れてなかったけど、こうして二人の時間を過ごすのはやっぱり好きです。

「寝なくて良いのか?」

「なによ。そんなに嫌?」

「そういう意味じゃねぇよ。おまえ、ずっと眠そうだからさ」

「昼間はサボってるとか言ってたくせによく言うね」

「そこまで言ってないだろ。で、アリサさんとなに話してたんだ」

 尋ねる割にそこまで興味がないのかクッキーを頬張るエドにムスッとなってしまう私。エドにも関係することだけどこのまま黙っておこうかな。

「なんだよ」

「別に。ねぇ、エド」

「ん?」

「エドはなにが良いと思う?」

「なにが」

「名前。ルークの弟……妹かな?」

「ルークの……ほんとか⁉」

 なによ。さっきまで興味なさそうだったのに。急に眼の色を変えて私を見つめる旦那様に呆れたくなるけど、2人目が出来たと知れば驚くのも仕方ないよね。

「正直に言うとね、まだわからないよ。でも、温泉に行った後からなんとなく熱っぽいし、いくら寝ても寝足りないし。ルークの時と同じだから」

「そっか。アリサさんとはその話してたのか」

「うん。すごいよね。薬師《自分》でも気付かないことに気付くんだから」

「そうだな。なぁ、ソフィー」

「なによ……っ⁉」

 急に抱きしめられた私は顔が火照っていたことでしょう。優しく抱きしめて髪を撫でてくれるエドの顔を直視出来ません。

「いきなりなによ」

「ありがとな」

「……バカ」

 なんでこの人はこんなにも優しんだろ。ほんとに直視できないじゃない。

 2人目を身ごもった実感は正直に言えばまだありません。もう少し時が過ぎればおなかも大きくなるだろうし、それまでは神様を信じるしかありません。

「ねぇ、エド?」

「ん?」

「楽しみだね」

 エドの胸の中で独り言のように囁く私に彼は「そうだな」と頷き、私たちは新たな家族を待ちわびるように笑い合いました。


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