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ローザベルの心の叫び  作者: puku


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1/10

婚約破棄

「ローザベル、お前との婚約を破棄する!」


はぁ〜やっとですか。

この一言に尽きる。


私は侯爵家の娘、ローザベル。そして、今婚約の破棄宣言をしたのが私の婚約者、いえ元ですわね。

元婚約者のハリストン様。この国の第一王子であり、王太子だ。


まぁ、私も一応王妃教育を受けてきた身ですから、表情を変えずに答える。


「これは、陛下にも許可を取っている、王家全体の意思という事でしょうか?」


殿下は私が泣いて解消を拒むと思っていたのかしら?

一瞬、豆鉄砲を食らったみたいにぽかんという表情をしていたわよ。


「…あぁ。父上にも許可を取った。」


なんと!陛下も了承済みだったとは。ならば、こんな夜会の場ではなく内々に婚約解消の手続きをしてくれたらよかったのに。

あなたもしかして、待ちきれずに夜会で発表。しかも間違えて解消ではなく破棄と言ったわね。

憶測でしかないけど、殿下ならやりかねないわ。

ただ、陛下も了承してるなら受け入れる以外に選択肢は残っていないわね。


「承知しました、殿下。受け入れます。

ですが、一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」


殿下は、婚約が白紙になった事で大層嬉しそうだ。

満面の笑みで鼻の穴がヒクヒクと大きく開いている。


「あぁ、なんだ。」


「婚約破棄の理由を教えていただけませんでしょうか?」


「あぁ、それはだな、お前よりあそこにいるジュリアの方が美しく、王妃に相応しいからだよ。」


殿下はそう言うと、会場の中央で両親と一緒にいる一人の令嬢を指差した。


彼女の名は、ジュリア・ナベリン。ナベリン伯爵家のご令嬢で、その姿はとても儚くて可愛く、"天使姫"として社交界で注目を集めている令嬢だ。

本人はのほほんとしていて、誰からも可愛がられるような性格をしている。


ちなみに指を差された当の本人は、かなり驚いた様子だ。


まさか殿下、彼女に何も伝えていなかったのでは?


ジュリアは家格も一応高位貴族であり、何より可愛い容姿をしているにも関わらず、婚約者が決まっていなかった為、多くの子息が狙っていた。

殿下がジュリアの名を出したことで、顔を下に向けてしまった人がちらほら…


だが、それよりも!だ。驚くべきことがある。

彼女は、今年で15歳。来年で成人を迎える。

一方殿下は、27歳。12歳差だ。


まぁ、ここまでは貴族によくある年の差だから別に問題は無い。

問題なのは、私と婚約していて、尚且つ結婚を先延ばしにしていたことだ。


本来私達が結婚する予定だった年は、学園を私が卒業する18歳。今私は25歳だから、7年前になる。

普通に殿下がジュリアに惚れて、結婚を先延ばしかつ、婚約破棄したのだったら、殿下はジュリアが8歳の時に既に惚れていた事になる。

その時殿下は既に20歳。


おい、殿下。それは流石にやばくないかい?


私とて、愛は無いけど情はある。きちんとした人なら話し合って解消まで持っていけたかもしれない。

ただ、当時8歳の子供に惚れたって、こっちの心情もかなり複雑だわ。


まぁ、世の中には色んな人がいるから幼子に惚れるのも無理は無いのかも知れない。

だから否定はしない。そして、私が怒っているのはそこじゃない。


私を巻き込むなー!と、声を大にして言いたい!


まぁ、初恋を拗ねらせたとて、最悪一人でやってくれ!

お陰で、私は結婚適齢期を過ぎた生き遅れではないか!



なんか違和感はあったのよ。

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