王子としての生き方
それからも、勉学と実技の繰り返し。休憩をする暇なんてなかった。苦しいけど、耐えるしかなかった。このままじゃ立派な王にはなれない。今の僕は、王位継承権1位。このままだと、父上が退位したらすぐ王になってしまう。覚悟をつけるためにはそれくらいやるしかないのだ。
「レオン殿下、陛下がお呼びです。」
「ありがとう、すぐ行く。」
「陛下、お会いできて光栄です。」
「かしこまらなくてもいいぞ。」
父上のアルフォンス・アーデルハイト。金色に輝く髪に、緋色の瞳、顔には深いしわが刻まれている。それでも、ひと目で顔が整っているとわかる。若かった時は、さぞかし美しかったに違いない。僕も、同じ血をひいているから、それなりに整ってはいる。でも、父上には威厳、風格?みたいなものがある。
「最近、勉学に励んでいると聞いた。」
「はい、父上のような立派な王になれるように、日々精進しています。」
「そうか、いいことだ。お前なら、きっと国民のための良き王になれるだろう。」
「……ありがとうございます。」
「そんなお前に、大事な話があるんだ。」
「……なんでしょうか。」
「春から貴族学園に通うのは知っているな。」
「はい。」
アーデルハイト王国貴族魔法学園、通称貴族学園。王族から男爵まで全ての貴族の令息、令嬢が集まるところ。12歳から15歳までで、その3年間で貴族としての知識を学んでいく。もう僕は全て叩き込まれたけど。ほとんどの学生はそこで知り合うため、貴族社会の階級、マナーについてもそこで学習することができるのだ。
「入学式で、レオンの婚約者を発表する。婚約者はセレスティア・ルヴェリエだ。」
「……!わかりました。」
婚約者。政略結婚だとは思っていたが、こんなに早く話がまとまっていたとは思わなかった。
「セレスティアは聖女で、王家の血もひいている。入学式で会うことになるだろうから、親睦を深めるように。」
「はい、父上。」
セレスティア・ルヴェリエ。祖母の妹の家系からはじまる侯爵家、ルヴェリエ家のご令嬢。侯爵は公爵家の次だから、あまり位が高い訳ではない。家柄でいえば釣り合っていない――。だけど、セレスティアは聖女。この世界では、魔法は貴族は皆扱うことができる。だが、治癒魔法だけは限られた女性しか使うことができない。その治癒魔法を扱える者が聖女。治癒魔法は怪我を治すことができる唯一の方法。聖女は十数年に1人しか現れなくて、王国として守らなければ行けない存在なのだ。




