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物理職皆無の世界の聖剣伝説   作者: 十字路 ミノル
7/8

物理職皆無の世界の聖剣伝説Ⅶ

レビューしてやってください!!

8話

意志


「‥‥教えて下さい。」

深々と頭を下げた。なんでもいい。なんでもいいから、なんでもするから。全て救う為の力が欲しい。


そんな俺を尻目に、カリストはそこらをうろうろしている。

「‥心当たりがあってもおかしくないのじゃが‥。お主、その聖剣を2日の間所持していたと申したな?」

「‥‥心当たり、ないです。」

「‥なるほど。アイツは元々そんなヤツじゃったの。」

カリストはスクスク笑って切り出した。


「すまんすまん。なにがなんだかサッパリじゃろう。それで方法じゃ。」

「‥‥お願いします。」

「前提として、物に意志を宿す魔法があるのじゃ。かなり難しくての、並の者には扱えん。その辺はそっちのアンドロイドの方は知っているじゃろ。」

「聞いたことならあります。旧ご主人様が使っている所は見たことないですが。」

「そこでその聖剣じゃ。アイツは聖剣にこの世界のあらゆる賢者の意志を宿して戦っておった。」


なんか、ゲームの武器装備のようだ。不信感の強いワードが並んでも平気でいるあたり、俺の感覚も麻痺しているのだろう。

「じゃあ今、その宿っていた意志達は?」

「消えてしもうた。神に一撃を入れる時に全ての力を使ってしもうたからの。残っていたとしても神が消してしまっているじゃろう。」

「‥‥意志を宿した賢者達は、今どこに?」

「大半がここ数年で殺されておる。神が数年前に復活したことを考えると辻褄が合うの。つまりは神はこの聖剣の仕組みを知っていると言うことじゃ。」


「え、それって万事休すじゃないですか⁈」

重たい空気の中でイオが絶望的に叫んだ。

「まぁの。ここまでは万事休すじゃの。」

「ええっ⁈そんなサラリとヤバいこと言わないでくださいよ!!」

「機械小娘。それをなんとかするんじゃから。こいつが()()()逆転の可能性が出てくるのじゃ。」

半ベソのイオにカリストがニヤニヤしながら聖剣を指差しながら言った。

「さ、超強力助っ人の登場のようじゃ。」

カリストの言葉と同時に、俺の手の中にあった聖剣が眩く光りだした。


真桜に出会えた時のような、真っ白な光がこの空間を包んだ。その中央、聖剣の真上には白い人影。助っ人はこの人なのだろうとすぐに分かった。


光が少しだけ弱まって、人影の姿がはっきり見えるようになった。青年だ。俺と変わらないくらいの年頃に見えた。

「倉坂くん、でいいよね?」

はい。と言おうとしたのに、口がパクパク動くだけで声が出ない。

「すまない。僕の魔法が解けちゃうから、ちょッとの間喋らないでね‥‥。」

そんな魔法もあるのだろう。とりあえず俺はコクコクと頷いた。

「ありがとう。僕は鳴神聖太郎。ショウタロウでいいからね。君が聖剣の次の持ち主なんでしょ‥?」

そう‥なるのか。俺は自信なさげにうなずいた。


「もッと自信持ちなよ。僕が無力で申し訳ない。こんな体だけど出来ることはする。よろしくお願いしますね。」

俺がうなずくと、サァっと急速に光が引いていった。

「嗚呼、やはり僕は無力だ。全然魔法が持たないね‥。君の欲する()にはなれないかもしれない‥。」


完全に光が消えて俺達はまたカリストの作った空間の中にいた。

「元々かなりネガティブなヤツではあったが‥。ご挨拶じゃな。」

カリストの顔は笑っていなかった。


「心もとない、か。そうであろうの。仕方ない仕方ない。機械小娘の言いたいことはよーく分かる。」

「あっ‥すみませんでした!!」

心を読まれたイオの顔が赤くなった。

「打ち解けられればなんとかなる、さっきの魔法なんて凄かったじゃないか。」

「まっ、かなり強から安心せい。」

カリストがいきなり殺気を含んだような笑顔で言った。

イオも何かを感じたのだろう。堅く身構えている。


「そう。超強い。神にとっても脅威であろうのぉ‥!」

「‥‥来ます。ご準備を。」


俺でもわかった。砂漠のカモフラージュが破れたのだ。

幻影が硝子のようにキラキラと割れ、その隙間を縫って

刺客は現れた。


「ほう。()()のお出ましか。遠路遥々ようこそなのじゃ。」

カリストの殺気全開の視線の先、砂埃と木の葉が混じり合う中にいたのは、巨大な黒い竜。

「神に見通せぬものはない。神は貴様らの悪行を見抜かれて、私をお使いなさったのだ。」

「下っ端が。口だけ達者なようじゃの?」

「‥最後に質問に答えてから死ぬがいい。神に隠れて何をしていた?」


俺は出来るだけ静かに聖剣を背中へと回した。これだけは、これだけは守らなきゃ。

しかしこれが間違いであったことを刹那、思い知らされることになった。

「後ろでコソコソしている小僧、みたことがある。フラムスのお尋ね者だな?」

「えっ‥‥。」

「神に仇なす者とお尋ね者、全て仕留められるとは。これが神の思し召しだ。その命をもって償うがいい!」

そう言うと黒い竜は轟音と共にこちらへ飛んできた。その大きな口には、やはり真っ黒な炎。

避けれるか?いや、炎まで避け切れない。


判断が終わるのと、炎が俺の目の前に来るのはほとんど同時だった。反射で堅く目を瞑る。誰か―





「早速、僕の出番ッて感じなのかな?わかッたよ〜。」






















新キャラ登場しましたね〜!

実はモデルがいるんですよ。クラスにこんなヤツいました。

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