物理職皆無の世界の聖剣伝説Ⅴ
お待たせしました!本当にごめんなさい!!
なんとかいいものを書きたいと言う情熱だけでやっておりますので待っててやって下さい!
6話
孤独のエルフ
この娘‥‥どこまでしっているのか。
「あのぉ‥‥もしかして、ライの言っていた大賢者の御師匠様ではないですか?」
「おお。ライは生きていたのかの。」
「あ!やっぱりそうですよ!!」
老人口調の女の子がこちらに歩み寄る。先ほどの笑みは既に消えていた。
耳の形状から、エルフだと思われる。
「その通り、エルフじゃ。」
「え⁈」
「なぁに、1000年生きてりゃ誰だってこうなるさね。おぞましい化け物に。」
あぁ、神のことを知っているわけだ。茶色のロングヘアが悪戯っぽく上下に跳ねる。
「エルフというのは変な生き物じゃ。殺されねば死なぬ。力を解放すれば老いもせぬ。吾輩は6歳で解放したのでずっと6歳じゃ。」
「つまりはどういうことでしょう‥?」
「天才なのかもの。まぁ、お喋りはこの辺にして。」
1000歳の少女はずいっと手をだした。
「肩書きというのは好きではないがの。大賢者のカリスト・ミザールと申す。」
「倉坂賢司郎です。」
「E-253-0です。イオとお呼び下さい。」
小さな紅葉のような手をそっと握る。
「それで、ライから伝言を預かっているのですが、カリストさん。」
カリストの顔から笑顔が消えた。
「‥‥‥幼い。」
カリストは俺の手をパッと離すと呟いた。
「心を読まずともわかるわ。機は満ちたから攻め入れと言ったのであろう。実に愚かなことじゃ。」
「え‥‥?革命のためにヴァイヤで待機していたのではなかったのですか?」
カリストは上目遣いでイオを覗き込んだ。
「なるほど‥‥ライはそう言ったようじゃの。」
大きなため息を一つつくと、カリストはてくてくとその辺を回りながら話しだした。
「ライの言ったそれは、嘘じゃ。」
「え、そんな‥‥!」
イオの混乱が俺にも伝染した。
「吾輩には弟子が2人おっての。ライは2年前に出て行ったのじゃ。」
「フラムスの革命のためにですか?」
「いや、この問題はもっと深いところにあっての。お主等に隠したかったのであろう。聞いたら後には戻れぬ。良いかの?」
ただならぬ予感がした。しかし、もう俺はこの世界に飛び込んでいるのだ。手に入る情報はすべて俺の味方だ。
「はい。お願いします。聞かせてくれますか?」
「私も‥是非、お願いします。」
「‥‥‥うむ。では話すぞ。実はの、ヴァイヤとフラムスはグルなのじゃ。」
「はぁぁぁっ⁈」
話が根本から覆った。
「実際はヴァイヤの神とやらが全てを支配しておる。利益のためだけに戦争を起こして国民を巻き込んでいるのじゃな。‥‥‥幼いのぉ。」
「‥‥最低ですね。」
頑張って情報を整理する。‥‥これって‥‥?
「じゃあ、革命に協力してフラムスを倒せば、結果的に神にとっても痛手というわけだ。」
「‥‥‥‥やはり、お主も神殺しを目的としているのじゃな。ライもそうじゃ。お主等に革命としか言わなかったのも、無駄なことに巻き込みたくなかったからであろうの。」
筒抜けだ。隠し事など最初から無理だったのだ。
俺はこれまでの経緯を全て話した。
「お主、聖剣を持っていると言うたな?」
「まぁ、はい。みたいですか?」
俺はしゃがんでカリストに聖剣を渡した。
カリストはしばらくまじまじと聖剣を観察していたが、
その顔は、泣いていた。
「あぁぁぁぁっ‥‥!これが‥‥これがっ‥!一月前にあれば‥‥っ!」
「その聖剣がどうにかしたのか?」
「これは‥以前、神と名乗る存在に傷を負わせた代物じゃ。今は行方知れずと聞いていたが‥‥。100年ほど前のことじゃ‥。」
「その話!詳しくお願いできますか⁈」
俺は無意識のうちに身を乗り出して聞いていた。
「この際じゃ。良かろう。全て話そう。」
カリストは一通りないてからそう言った。
如何でしたでしょうか。是非感想を聞かせてください!