表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
335/338

第二百四十一段 望月のまどかなる事は(1)

(原文)

望月のまどかなる事は、暫くも住せず、やがて欠けぬ。心とどめぬ人は、一夜の中に、さまで変るさまも見えぬにやあらん。病の重るも、住する隙なくして、死期既に近し。されども、いまだ病急ならず、死に赴かざる程は、常住や平生の念に習ひて、生の中に多くの事を成じて後、閑かに道を修せんと思ふほどに、病を受けて死門に臨む時、所願一事も成ぜず。



(舞夢訳)

満月の丸みは、わずかな時間でも同じということではなく、すぐに欠けてしまう。

そういうことを注意をして見ない人にとっては、一晩の中でも、それほどの変化を感じることなどはないと思われる。

また、病が重くなるということにおいても、同一の症状である期間は、実に僅かであって、死期というものは速やかに近づいて来る。

しかし、病状の変化がそれほど進まずに、死に直面するほどではない場合は、この世というものは早急に変化などはないという考えになり、生きている間に様々多くの事を成してから、ゆっくりと仏道にで励もうと思ってしまう。

その結果として、病が重くなり、ついに死を目前にした時に、自らの願い事が何一つ成就していないことになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ