表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
299/338

第二百十七段 ある大福長者の言はく(1)

(原文)

ある大福長者の言はく、「人はよろづをさしおきて、ひたふるに徳をつくべきなり。貧しくては生けるかひなし。富めるのみを人とす。徳をつかんと思はば、すべからく、まづその心づかひを修行すべし。その心と言ふは、他の事にあらず。人間常住の思ひに住して、かりにも無常を観ずる事なかれ。これ第一の用心なり」


※徳:財産。

※人間常住の思ひ:この世は不変不滅という信念。


(舞夢訳)

ある金満長者が語ったことである。

「人は、万事をさしおいて、ただひたすらに蓄財を行うべきである」

「貧乏であっては、生きる意味がない」

「富がある人のみが、人としての価値がある」

「その富を得ようとするならば、まずはその精神を鍛えなければならない」

「その精神とは、他のことではない」

「この世は、永遠に変わらないとの精神を徹底し、かりそめにも無常観などに走ってはならない」

「これが、第一の心がけである」



兼好氏は、自身の思想とは対極となる金満長者の蓄財至上論を紹介している。

これについては、賛否両論あると思うけれど、論としては実にスッキリとしている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ