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第二百段 呉竹は葉ほそく
(原文)
呉竹は葉細く、河竹は葉広し。
御溝に近きは河竹。
仁寿殿のかたに寄りて植ゑられたるは呉竹なり。
(舞夢訳)
呉竹は葉が細く、河竹は葉が広い。
宮中の御溝に近くに植えてあるのは、河竹。
仁寿殿近くに植えられているのは、呉竹である。
宮中清涼殿付近に植えられた竹の種類の説明となる。
尚、御溝は宮中の殿舎のの周りの小さな流れ。
この段においては、清涼殿の東庭を流れるもので、その近くに河竹を植え、垣で囲い、河竹の台と称されていた。
仁寿殿は紫宸殿の北、清涼殿の東の殿舎。内宴や相撲が行われる際に、帝が出御され、その西庭に呉竹の台が設置された。




