表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
269/338

第百九十一段 夜に入りて物の映えなし(1)

(原文)

「夜に入りて物の映えなし」といふ人、いとくちをし。

よろづのものの綺羅・飾り・色ふしも、夜のみこそめでたけれ。

昼は、ことそぎ、およすげたる姿にてもありなん。

夜は、きららかに、花やかなる装束、いとよし。

人の気色も、夜の火影ぞ、よきはよく、物言ひたる声も、暗くて聞きたる、用意ある、心にくし。

匂ひも、ものの音も、ただ夜ぞ、ひときはめでたき。


(舞夢訳)

「夜になると、物の見ばえがしない」と言う人には、実に落胆してしまう。

全ての物の美しさや飾り、晴れの場面も、実は夜にこそ、素晴らしく見えるのである。

そのため、昼は簡素で地味な姿であっても構わない。

夜には、きらきらとした、華やかな姿が、素晴らしい。

人の容姿も、夜の火影にあたり、美しい人はより美しく、物を言う声も暗い中で聴く、用心をした話し方は、実に奥ゆかしい。

匂いにしても、楽器の音にしても、夜はひときわ、素晴らしく感じるのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ