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第百七十五段 世には心得ぬ事の多きなり(7)

(原文)

さはいへど、上戸はをかしく、罪ゆるさるる者なり。

酔ひくたびれて朝寝したる所を、主の引き開けたるに、迷ひて、ほれたる顔ながら、細き髻さし出だし、物も着あへず抱き持ち、ひきしろひて逃ぐる、かいとり姿の後ろ手、毛生ひたる細脛のほど、をかしく、つきづきし。


(舞夢訳)

そうは言っても、上戸はおもしろくて、罪のない者である。

酔いつぶれて朝寝坊しているところを、主人が部屋の戸を開けると、混乱に陥り、寝ぼけ顔のまま、細い髻はそのままに、衣服も着ることが出来ずに小脇に抱えて引きずって逃げる。

その裾をむき出しにした後ろ姿や、毛の生えた痩せた脛などが面白いし、いかにも似つかわしい。



深酒から朝寝坊、それを主人に見つかって、大慌てで逃げ隠れる。

まるで、吉本喜劇にも出てくるような滑稽さである。

それでも「罪ゆるさるる者」と言うのだから、どうにもならないとか、あほらしくて罪を咎められないとでも言いたいのだろうか。


まあ、酒飲みは、どんな時代でも同じようなものであるけれど。


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