表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
247/338

第百七十五段 世には心得ぬ事の多きなり(6)

(原文)

旅の仮屋、野山などにて、「御肴何がな」など言ひて、芝の上にて飲みたるもをかし。

いたういたむ人の、強ひられて少し飲みたるも、いとよし。

よき人の、とりわきて、「今ひとつ、上少なし」など、のたまはせたるもうれし。

近づきまほしき人の、上戸にてひしひしと馴れぬる、又うれし。


(舞夢訳)

旅中の仮の宿や、野山などで、「酒の肴を何か」などと言って、芝生の上で飲むのも楽しい。

酒については迷惑がる人が、強いられて少しだけ飲むのも、実によい。

立派な人が、特に自分に対して「もう一献、盃の中身が少ないですよ」などと、おっしゃられるのもうれしい。

親交を結びたかった人が、酒を飲むのが上手で、すっかりうちとけてしまうのも、またうれしいことである。



酒には功罪があるけれど、少々は付き合えなければ、世間で生きていくのは難しい。

量とマナーを心がけ、他者に迷惑にならないように、酌み交わすことが大切。

その上で、思いがけない知遇を得ることもあるのだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ