表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
219/338

第百五十五段 世に従はん人は(2)

(原文)

春暮れて後、夏になり、夏果てて、秋の来るにはあらず。

春はやがて夏の気をもよほし、夏より既に秋はかよひ、秋はすなはち寒くなり、十月は小春の天気、草も青くなり梅もつぼみぬ。

木の葉の落つるも、先づ落ちて芽ぐむにはあらず

下よりきざしつはるに堪えずして落ちるなり。

迎ふる気、下に設けたる故に、待ちつるついで甚だはやし。


(舞夢訳)

春が暮れて夏にな、夏が終わって秋が来るのではない。

春は少しずつ夏の気配を取り込み、夏の間から秋の雰囲気は漂い始める。

秋になれば、たちまち寒くなり、10月には小春の陽気となり、草は青くなり、梅もつぼみ始める。

木の葉が落ちたとしても、先に葉が落ちて、そこから芽ぐむのではない。

新芽が下から出てきて、その力に耐えきれなくて、木の葉は落ちるのである。

そのような変化を迎える生気を、その内部に抱えているので、待ち受ける手順はたいへんに速い。


四季は、区切りがあって変わるのではなく、次第に次の季節を取り込みながら、変わっていく。

これも、万物が移り変わる無常の流れであり、摂理なのだと思う。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ