第15話 射撃練習後編
俺はそれを見てニューナンブM60を構えるのを止め、コボルトに向かって地面を蹴って走る!
剣などの近接武器を持っていない時で近づかれたら危険だが、至近距離で頭部を撃ち抜けば一撃で仕留められるはずだ!
そう思いながら走っているとコボルトは走ってくることに戸惑いつつ、右腕を構えて唸る。
「ガルルル!」
コボルトは唸り出す姿を見て俺は考える。
どうしていきなり唸り出すんだ? もしかして何か仕掛けようとするのか?
そう思いながら地面を蹴って走りながらチラリと振り向くと、コボルトが投げ飛ばしていた鉄槍が紫色に光り出し、鉄槍が一旦空中に留まり、縦に回転しながら戻り出す。
俺はそれを見て顔を少しゆがませる。
クソッ! 初めて戦闘相手のゴブリン・アーチャーと同じように、コボルトが持っている鉄槍も特別な能力を持っているのかよ!
そう思いながら走り、ニューナンブM60を軽く構える。
このまま近づいていけば、コボルトの頭部に向けて引き金を引くだけだ!
そう思いながら走り、懐に入ってすぐ撃てるように引き金近くに指を掛ける。
すると背中に悪寒が走り、俺は直感で横に回避する。
回避してから数秒後、回避する前にいた場所に鉄槍の刃が通り、俺はそれを見て冷や汗を流す。
もしも回避していなかったから……右肩あたり切り裂かれてしまう所だったな。
だけどオートで追いかける物じゃなくかけ声で戻ってきたから、自動追尾じゃなく自動回収だろう。
そう思いながら再びニューナンブM60を構え、コボルトに向かって引き金を引く。
狙いを定めてはいないが、もしかしたら当たるかもしれない。
そう思っているとピストル弾丸がコボルトの横をかする。
俺はそれを見て悔しがる。
クソッ! やっぱり狙いを定めて撃った方が当たりそうだな。
そう思いながらニューナンブM60のシリンダーを押し出し、今の残弾数を確認する。
装弾数が五つでさっき四発ぐらい撃ったから、残弾数は一個だけだ。
今すぐ装弾したいが、そうしたら鉄槍に刺されるか喉元を切り裂かれるかのどちらだろう。
こうなったら再び懐近くまで近づいて、頭部を撃ち抜くだけだ!
そう思いシリンダーを押し戻し、ハンマーを下ろしてからコボルトに接近する。
強化された脚力で走れば瞬時に近づけるはずだ!
そう思いながら走っているとコボルトは全身から魔力のオーラを醸し出すと、顔を上げて唸り出す。
「ワォォォォォン!」
コボルトはそう叫ぶと持っている鉄槍の穂が赤く燃える炎を纏い出す。
俺はそれを見て驚愕する。
嘘だろ!? 魔法を使えるのは○○・マジシャンなどの奴で、鉄槍を持っていたからコボルト・ランサーだと思っていたが、鉱脈の洞穴が変になったから二つの職業を持つようになったのか?
そう思っているとコボルトは炎を纏った鉄槍を強く握り構え、地面を蹴って襲いかかる。
鉄槍は炎を纏っているから斬撃+炎による火傷のダメージを受ける恐れがあるから、攻撃を受けずに回避に専念した方が良さそうだ。
そう思うとコボルトは俺の胴体に向けて鉄槍を突き刺し、俺はそれを見て素早く横に回避する。
危ねぇ!? 反射神経は常人と同じだから、気を張っておかないと最悪即死だ!
そう思いながら気をつけていると、今度は鉄槍を横になぎ払う。
俺はそれを見て背中に冷たい物が刺さる感覚がほとばしり、俺の体を上下半分に切り裂こうとする鉄槍の動きが遅くなるように見え出す。
まずい、このままだと上下真っ二つになってしまう! 急いで回避しないと!
そう思いすぐ後ろに下がって回避する。
すると鉄槍の刃先が腹をかすり、服が少し焦げただけですんだ。
俺は後ろに下がった後はコボルトから少し離れて、焦げたところを払いながら考える。
まずいな、このままだと至近距離で頭部を打ち抜けないぞ。
それに頭部を狙って撃つ技術もないし、立ち止まっていたら鉄槍の投擲で体のどこかに刺さるか、または鉄槍に纏っている炎が爆発してしまうかのどちらになってしまいそうだ。
こうなったら連続で小魔盾を展開させて強引に突っ込んでとどめを刺すだけだ!
そう思い俺は足に力を込め、、空いている手に魔力を流して詠唱する。
『無力神トリグラフの名の元に命ずる。攻撃を防ぐ魔力の盾を生み出せ! 小魔盾!』
詠唱し終えると俺の周りに魔力の盾が展開され、俺はそれを見てから地面を蹴ってコボルトに向かって走る。
走って向かってくる俺の姿を見たコボルトは顔を怒りでゆがみ、鉄槍を構えてすぐ投擲する。
俺はそれを見て驚く。
は、早い!? さっきより早いが、もしかしてさらに力を込めて投擲したのか?
そう思いながら盾を正面に動かし、鉄槍の投擲に備えて行く。
すると盾から後少しの距離で鉄槍に纏う炎を赤く光りながら縮小し、数秒後に爆音と共に爆発する。
熱風や衝撃が盾に襲いかかり、俺は歯を食いしばりながらコボルトに近づいて走る。
しかし爆発で起きた煙の中から鉄槍が出てきて、俺を守る盾をたやすく砕かせる。
俺はそれを見て少し考える。
やはりカーバンクル戦の後で少し思ったが、魔力を込めないと容易く砕け散りそうだ。
だけど何度も生み出せば大丈夫だ!
そう思いながらスライディングで投擲された鉄槍を回避し、再び手に魔力を流して詠唱する。
『無力神トリグラフの名の元に命ずる。攻撃を防ぐ魔力の盾を生み出せ! 小魔盾!』
詠唱し終えると再び盾が生み出され、スライディングで回避してすぐさま立ち上がってから再び走る。
回避してから走ってくる俺の姿にコボルトは再び吠えあげる。
「ワォォォォォォン!」
コボルトが吠えあげると鉄槍が光り、俺に向かって飛んでくる。
俺はその様子をチラリと見ながら盾を操作し、背中に留める。
すると再び鉄槍が盾を破壊し、少し遅くなった鉄槍がギリギリで回避する。
ギリギリ回避したのは一瞬で近づける手段になるからだ!
そう思いながら鉄槍の柄を掴み取り、俺はそのまま鉄槍に引っ張られてコボルトに近づいていく。
よしっ! 鉄槍が手元に戻す効果を逆手に、一気にコボルトに近づけるぜ!
心の中でガッツポーズを決めながら鉄槍の力で近づき、困惑しているコボルトに向けてニューナンブM60を構える。
ニューナンブM60をみたコボルトは両手を構えて何かを放とうとするが、俺はコボルトが何かが放つ前に腕に魔力と力を込めて引き金を引く。
すると銃口からピストル弾丸が放たれ、コボルトの眉間を貫く。
コボルトは銃弾で眉間を貫かれると数歩後ろに下がり、糸が切れた操り人形の用に後ろに倒れた。
コボルトが絶命すると鉄槍が宙で止まり、そのまままっすぐ落下する。
その状況に俺は上手く着地し、コボルトの遺体を回収しながら考える。
ここで射撃の練習したら命がいくつあっても足りないほど危険だ。
そう思いながら鉱脈の洞穴から出て家に帰る。
その後は両親からさっき冒険者が話したことを言い、俺はそれについて頷く。
ちなみに服の少し焦げた部分について聞かれたが「火をおこす練習で少しへまをした」って言うと、火の扱いについて言われた。
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