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初戦闘はやっぱりスライム
「…あ~…疲れた」
1時間程森の中を歩くというのは現代のコンクリートの上を歩くのになれてしまった強志には厳しかった。
ガサガサ…
茂みから聞こえる音に強志は警戒した。すると…
プルンっと音が鳴っていそうなくらいプルプルしたものが出てきた。
色は青く、それでいて半透明。そこで強志は確信した。
「異世界キターッ!」
喜ぶ強志。
しかしゆっくりと、しかし着実に近づいてくるスライムは興奮する強志を逃がすつもりなどない。
ポヨンっという可愛い音と共に、とてつもない衝撃が強志の体に走る。
「痛っ!?」
驚く強志と華麗に着地するスライム。
「ぐぬぬ…なにか使えるものは…」
周りにあるのは細い木の枝のみ。すぐに折れそうなので使うのはやめておこう。
「こうなったら素手しかないか…」
ダダダっという音と共に強志がスライムめがけて走り出す。
スライムは強志の方向を向き、再び突進攻撃をする。
「よっと!」
スライムをドッヂボールのボールのようにキャッチした強志。
「ふっふっふ…」
強志が不気味な笑みを浮かべた後、
スライムは断末魔と殴られる音を響かせながら絶命したのであった。