早朝の作戦会議
早朝、強志、和彦、太郎の3人は他の仲間より早く起床した。
「おはよう。」
「…ああ。」
軽く挨拶をすると、和彦が「太郎の部屋行くぞ。」
と言ったので、昨日教えてもらった太郎の部屋に移動した。
「おい、起きてるか。」
「今行くでござる。」
扉を開けた太郎は少し眠そうな目を擦っていた。
「ところでなんで太郎の部屋に?」
「あいつらに聞かれたら色々と説明が面倒だろう。」
「そういえばそうだった…」
つい先程話したばかりの事も忘れていた自分に少しガッカリする。
「太郎、お前も行くんだよな。」
「もちろんでござる。気持ちはかわらないでござるよ。」
「なら、お前の技や戦い方を教えろ。作戦をたてるためにも必要不可欠だ。」
もちろん、普通はそのような事を聞くのはマナー違反だ。
しかし、パーティーとして活動するからには各々の戦闘スタイルの事も把握しなければ作戦をたてることは難しい。
「拙者は見ての通りこの刀、[迅雷一閃]も使うでござるが…」
部屋の隅にチラッと目線をやる太郎。
「相手や状況によっては隅に置いてある[百花繚乱]も使うでござる。」
(なんだかすごい名前だけどそこはツッコんじゃダメだよね。うん。)
強志はそう思い込み、無理矢理自分を納得させた。
「あぁ…つまりその、お前は刀と弓を使えるという事だな?」
「そういう事でござる。」
最初からそう言えよ、といわんばかりに呆れた顔をする和彦に太郎は説明を続ける。
「しかしどちらも重い故、片方しか装備できないでござる。
それと、迅雷一閃は軽量型の刀になっており、あまり攻撃力はない代わりに素早く攻撃をする事が可能でござる。
また、百花繚乱は一見、美しく装飾されただけの弓にしか見えないでござるがその威力はかなりの
もの。よくしなる故、強く張っても折れずに強力な矢を発射できるでござる。」
「なるほど。さすがに2つ同時に装備するのは不可か…
だが、弓が使えるのであれば問題ない。作戦を思いついたぞ。」
口角を上げてニヤニヤ笑っている和彦は、強志にとって正直に言うと悪役面にしか見えなかった。
「俺と強志、ジェイマーが前衛。ヘクセとサクロ、太郎は弓を使用して後衛。
後衛を守るのがカインだ。」
強志はナイトメアドラゴンの時も似たような配置だったな、と思い少し懐かしさを覚えた。
「了解でござる。」
「わかった。あ、そういえばそろそろ皆も起きるんじゃない?1度部屋に戻ろう。」
「ああ、そうだな。あいつらにも作戦を教えなければならん。太郎も行くぞ。」
和彦はスッと立ち上がると、素早く部屋を出て行った。
「ま、待ってほしいでござる~っ!」
「ちょちょちょ、おいて行かないでよ!」




