ダンジョン改造
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家族と七階層に行った翌日、俺は草原に立ち、豚舎や鳥小屋のでき上がりを想像した。なんだ、建物より水の確保が先だろ。それに、冒険者の為の水場が必要だ。まず小高い丘を魔法で作り、丘の中心に魔石を使った泉を作る。次に川を作って泉の水を引き込む。地面を掘って川を繋いで湖にするのも良い。良いアイデアだ、早速実行しよう。
まず湖だ。七階層の入り口から少し離れた場所に湖を作った。作ったと言っても、広く地面が窪んでいるだけだ。次に湖と泉を繋げる川だ。
想像力を膨らませ、魔法を唱えた。
【河川工事】
湖の時と同様、地面が窪み、遠くに見える丘と繋がった。後はメリアに任そう。メリアの魔道具を作る腕前は、風呂作りから更にレベルアップをした。魔力量も増えている。
メリアを迎えに宿に帰ったら丁度昼時で、家族と昼御飯を食べて七階層に戻った。
魔石を出して、メリアに好きなだけ使えと言って、豚舎を作りを始める。イメージがそのまま実現する創造魔法は、ある意味簡単で、ある意味難しい。特に建物は気を使う。
豚舎を建て、鳥小屋を建てた俺は、
予定にはなかった生け簀作りに挑戦した。ラック村の近くにある湖はマスが捕れる。湖で捕れたマスを、生きたまま生け簀に移せば、何時でも新鮮なマスを食べられるし、川に放流すれば、湖に下って冒険者の食料にもなる。一石二鳥だ。
生け簀作りを終えた俺は、メリアに作業の進み具合を聞こうと声を掛けた。
「魔道具はどんな具合だ?」
「はい、大量の水を生み出すのに、魔石をかなり使いましたが、完成しました。ダンジョンと言う事もあり、空気中に漂う魔力も豊富です。
魔石に取り込む魔力を自動で溜め込む様にしました」
「おお! 流石だな。期待以上の仕事だ」
メリアを労い魔道具を発動させる。
泉に水が溢れ、川に流れて行く。生け簀にも水が溜まり始めた。
「メリア、成功だ」
「おめでとうございます。師匠」
さぁ、後は牙イノシンやキジ鳥やマスの捕獲だ。後もう一息だ。
動物の捕獲は家族総出で行った。牙イノシンやキジ鳥は、眠らせて運び。魚は弱らせない様に、桶に入れ水ごと運んだ。魚が一番大変だった。牙イノシンが目を覚まし、環境の違いで興奮している様だが、暫くすれば落ち着くだろう。
「アミ、焼けたよ」
魚運びのご褒美に、マスを焼いてご馳走する。
「はふ、はふ、美味しいのです!」
アミは本当に美味しそうに食べる。
シェリーとフォートも喜んで食べている。生け簀を作って正解だったな。
豚舎の回りをミノタウロスが掃除をしている。とりあえず、五体のミノタウロスを奴隷にした。先々増やすかも知れないが、今はお試し中と言った所だ。しかし、ミノタウロスの様な牛の魔物がいるのだから、牛がいても良いのにな。牛がいれば今以上に食生活が豊かになる。
「あなた、宿の夕食にマスを出したいのだけど、良いかしら?」
「良いも何も、その為に生け簀を作ったのだから、新鮮なマスを、お客さんに食べてもらおう」
シェリーは手を合わせて喜んだ。
俺は焼きたてのマスに齧りついた。
家族みんなで同じものを食べて、笑顔で語り合う。俺の求めていたスローライフが、目の前にあった。
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