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護衛の依頼と気がかりな事

お陰様で、累計七万PVアクセス越えました!

ありがとうございます。

また、ブクマ登録して下さった方、

ありがとうございます。

楽しんで読んで頂けたら幸いです。

 森にミノタウロスが現れた事は、翌日には街中に広がり、王都にも伝わった。俺は商業ギルドの応接室で、ギルド長のマークさんに森での出来事を事細かく話した。マークさんは、テーブルに置かれたお茶を一口飲んだあと話し出した。


  「王都から調査隊が派遣されるそうです。護衛の騎士と一緒に」

  「調査隊は、森でどういう調査をするのですか?」

  「ケンジさんが戦ったミノタウロスは、ダンジョンに生息する魔物と言われています。もしかしたら、森にダンジョンが現れたのかも知れません」

 マークさんは過去にダンジョンが現れた事例を挙げた。リージョンド王国には、現在二つのダンジョンが有るそうだ、どちらのダンジョンも王都から離れていて、ダンジョンの近くに街が出来て栄えている。

 ダンジョンで金を稼ぐ冒険者、物を売る商人、人が集まれば食堂も宿も必要になる。そうやって段々と街の規模を大きくしていった。魔物は人に害を与える存在だが、人も魔物を狩って、その恩恵を受けている。


  「なるほど、しかし其だと、騎士達のレベルが気になりますね、ミノタウロスを倒す程の実力が有るのか」

 俺のこの言葉を待っていたかの様に、マークさんの目が光った。

  「実は、侯爵様からケンジさんに、調査隊の護衛に加わる様にとの御言葉が出ています」

 ふむ、今日呼び出された理由はこれか。侯爵様には恩があるし、それに、『国の窮地には駆けつける』 なんてカッコつけたし、断れないな。


  「解りました、調査隊の護衛を引き受けます」

  「おお! ありがとうございます。調査隊と騎士の人選で、プレリの街に着くのは、五日後との事です」

 マークさんの大袈裟な喜ぶ様に、少し照れてしまった。護衛を引き受けた後に聞かされたのだが、侯爵様が主導して、調査隊の派遣が決まったそうだ。調査隊が街に入ったら、連絡をしてくれる事になった。その後

 、少し世間話をして、俺は商業ギルド出た。今日はどうしても行きたい場所がある。俺に取ってはこちらが本命。教会だ。


  「ケンジさん、よくお越しくださいました」

  「こんにちは、エリプスさん」

 エリプスさんは、教会のシスターで孤児院の運営にも携わっている。銭湯で働いている子供達は、教会の孤児だ。


  「今日はお祈りに来ました」

  「まぁ、そうでしたか、ゆっくりとお祈りなさって下さい」

 俺は内陣の前に跪いて目を閉じた。


  『ケンジよ、良く来た、会いたかったぞ』

  「ドラゴンを倒した時会ってますから、まだそれほど経っていませんよ」

 創造神様に軽口を叩ける位には、親しくなったみたいだ。

  『ケンジよ、今日はどう言った用で来たのじゃ?』

  「はい、シェリーの事で相談に来ました」

 俺は創造神様に、シェリーがミノタウロスを倒した状況を説明した。


  『つまりじゃ、ケンジはシェリーに 【ヤクザキック】 は教えてないというのじゃな?』

  「はい、俺の造った魔法は、クラント(付与)してからじゃないと使えません、俺の魔法を真似て造ったとしか思えない」

 以前のシェリーは、創造魔法を使えなかった。それが使える様になったのだから、理由が知りたい。


  『……神格化かの?』

  「…………はっ?」

  『神格化じゃよ。あっ、言うの忘れておった、ケンジも神格化しておるぞ』

  「…………えええっ!!」

 俺は余りの驚きに腰を抜かしてしまった。

  『ほら、ケンジが死んで、新しく体を造ったじゃろ、聖魔力が使えるハイスペックな体を、多分シェリーが神格化したのはそのせいじゃ』

 

 俺の神格化にも驚いたが、今はシェリーだ。

  「でっ、でも、俺の神格化とシェリーの神格化は関係無いでしょ?」

  『大ありじゃよ。ケンジよ、シェリーと夜の営みで、魔力を流してなかったか?』

  「っ…………!」

  『どうやら、身に覚えが有る様じゃの、それとの、神格化したケンジと契れば、神とエッチしたに等しい、シェリーが神格化したのは、そう言う理由じゃ』

 なんて事だ! 俺とシェリーは知らないうちに、人間を卒業していた!


  「創造神様、もう普通の人間には、戻れないのでしょうか?」

  『人ならざるものになったのじゃ、人間には戻れん』

 どうしよう、シェリーになんて言えば良いんだ! とりあえず、俺は創造神様に思い付いた事を質問した。


  「俺とシェリーの寿命はどうなりますか? 子供達の寿命はどうなりますか?」

 俺のすがり付く様な姿を見た創造神様は。

  『そう急くでない、順に答えるから、ケンジはワシに次ぐ神じゃ、まぁ、ワシと比べると、かなりの開きが有るがの、次にシェリーはケンジの眷族じゃ、ケンジもシェリーも人としての寿命は変わらん。人の生を終えた時点で、真の神になる。子供達はまだ普通の人間じゃが、この先ケンジがどう関わるかで眷族になる事もあるじゃろう』


 創造神様に言われた事を聞いて、全てシェリーに打ち明ける決心をした。別の世界で死んで、この世界に来た事、元の世界の俺は、四十歳の冴えない独身のおっさんだった事を。


  『ケンジよ、シェリーに話をしたら、一緒に教会に来るのじゃ。ワシもシェリーと話がしたい』

  「解りました、二人で創造神様に会いに来ます」

 創造神様の体が光に包まれ消えて行く。意識が離れる様な感覚が有って

 創造神様と会っていた場所から離れた事を実感した。目を開けると、内陣の前で祈っていた時と同じ姿勢だった。教会を出た俺は、急いで宿(うち)に帰る。シェリーに全てを打ち明ける為に。





読んで下さりありがとうございます!

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