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師匠!何してんですか!?  作者: 宇井琉尊
夏休み(孤島編)
83/86

海と島と師匠の怒り

「う~~~み~~~だぁ~~~~~!」

「師匠、何しているのですか?」

「いや、なんか海を見たらこうしないといけない気がしてなってことで、う~~~み~~~」

「お父様止めて下さい!」

「だぁ!?」


また叫び出す師匠に、リースが恥ずかしそうに師匠を叩いて止めさそうとする。

まぁ、気持ちは分からないでもない。

師匠は、リースに叩かれてから周りの視線に気付いて(特に、アマルさん筆頭にした母親組)、誤魔化そうとしたけど結局は連行されてしまった。


今回は、師匠達英雄家族が全員参加することになった。

聖女であるマリー様や騎士のルミス様も一緒に来ている。

どうやら師匠が、仕事で忙しい二人を娘を使って休暇に誘ったようなのだが


「もう、あなたはいつもいつも、子供のようにはしゃいで!少しは、ちゃんとしてください!」


まぁ、師匠の暴走を止める役割もあるのかもしれない。

師匠を怒っているアマルさんの傍に、微笑ましいような、少し困ったような表情しながら二人が立っている。


「ま、誠はあーなれば一時は解放されないから、俺達は俺達で遊ぶことにするか」


今回は、師匠の騒動に巻き込まれず説教を逃れたノゾムおじさんが手を叩いて、僕達の注意を向ける


「ノゾムおじさん、師匠はあれで良いのですか?」

「ま、いつもの事だろ?」


そう言われる、そうなのだが・・


「今日は、昼過ぎまでここで遊んで、その後に島に渡って皆でバーベキューだ」

「父さん、その島はプライベートビーチ?と言って、私達以外誰もいないんでしょ?」

「ん?まぁそうだが?」

「なら、初めからそこに行けば・・・」


アヤが少し恥ずかしそうにノゾムおじさんに声を掛ける。

アヤは少し男性が苦手だ。

特に、素肌が多く見える水着姿を大勢の人中で晒す事が恥ずかしいのだろう。

それなら、アヤが言っていたように、初めから僕達以外がいないという島に渡ってしまえば良い筈なのだが


「お前の気持ちは分からないでもないがな・・・誠がなぁ~」


ノゾムおじさんは、困ったような表情になって、今も怒られている師匠の姿を見る。

その仕草に、師匠達だけが知っている特別な何か重要な事があるのかと思った


「「美女、美少女を侍らせている所を周りの男どもに見せつけて、優越感に浸りたいと思わないのか!」と力説されたからな~。お父さんも凄く興味が・・」


けど、そう言う事がある筈がなかった。


「・・・・お父さんもあっち」

「サヤのパンチは洒落にならなぁぁぁぁぃ!」


その言葉を聞いた、ノゾムおじさんの傍にいたサヤが問答無用で、ノゾムおじさん殴り飛ばし、こちらの話が聞こえてたのだろうフィルさん達に見事キャッチされ、師匠と同じように正座させられてしまった。


「この後、どうすれば良いのでしょうか?」

「取り敢えず、水着に着替えて遊んでいれば良いんじゃないかな?」

「分かりました!それではアルお兄様、水着に着替えたら一緒に遊びましょう!」

「うん、わかったよ」


元気よく、更衣室の方へ駆けて行くミヤの姿に女性陣も動き出した。

師匠達の方を見ると、師匠が小さく親指を立てていたけど、意味が分からない。ことにしようと思う。



ざわ・・・ざわ・・・


自意識過剰でなくても分かる程、周りの視線が集まっているのが分かる。分かってしまう。


ざわ・・・ざわ・・・


まぁ、理由はすぐに分かるのだけど


「おい、何だあの美少女集団は!」

「ま、眩し過ぎる!」


リース達の水着姿をみた男性達の声が大半だけど


「何あの娘達?肌綺麗~」

「足も細くて、ダメな所ないんじゃない?」

「特に、あの胸を持つ娘よ」

「うん、あれには勝てない」


女性たちの声もちらほらと聞こえてくる。

そんな、当人達はというと


「うぅ~、また胸の事言われてる~ちゃんと隠しているのに」


水着の上に薄い上着を着て、腰に腰布みたいのを巻いて恥ずかしそうにしているアヤ。

肌の露出は抑えている筈なのに、その姿に保護欲が湧き上がってくるのと、恥ずかしそうに胸の辺りを抑えつけている事で胸に視線が行ってしまい逆効果になってしまっている。


「アルお兄様どうですか?」


その場でクルリと回り、水着姿を見せてくるミヤ。

リース達も僕の意見を聞きたいのか、チラチラと僕の方を見ているのが分かる。

ただ、正直に言えば僕には刺激が強すぎて、皆の姿を直視することが出来ないでいた。

というのも


「どうして、皆肌の露出が多いの?」


まぁ、アヤ以外という言葉が付くけど、皆の水着姿はビキニ型と呼ばれる物で、凄く肌の露出が多いのだ。

アヤですら、ビキニ型の水着で、薄い上着から透けて見えている。


「店に売っている物は、高くて、可愛いものが少なかったので、クーリお母様に作ってもらいました!」

「あ、水着って作れるものなんだ」

「”クーリお母様は”作れるって言ってました!」

「・・・そうなんだ」


師匠やノゾムおじさんもそうなんだけど、二人の奥さん達も凄くて、謎の力を発揮することがあり、「まぁ、○○さんだしね」と納得してしまう事が多い。


ニコニコと無邪気に笑いかけてくるミヤにどう声を掛けるべきかと悩んでしまう。

まだ、幼さもあり可愛いと思える方が強いミヤですら、恥ずかしくてそっと視線が逸れてしまうのだ。

逃げるようにリース達を見ると、決して破廉恥で厭らしい姿ではないのにも関わらず、目が固定してしまい慌てて逸らすという事を繰り返してしまう。


「うん、凄く似合っていて・・・その・・・可愛いよ。ちょっと直視できないくらい」

「っ!はい!ありがとうございます!」


ミヤの無言の期待に負けて、正直に答えると、パッと明るい表情になり、少し恥ずかしそう頬を赤らめ嬉しそうにリース達の所に行ってしまう。


「・・・・アルト、私は?」


次は私だと言わんばかりに、スッと寄って来たサヤをみて冷や汗が出てくる。

サヤも皆と一緒でビキニ型の水着を着ている。そこはまだ良い


「・・・・私は、皆より胸が無いから・・・」

「サヤ!」


自分でも気にしているのか、胸を寄せ集めようとしているのを止めさせるように声を出す。

周りの男性達の視線が強くなったような気がしたのだ。


僕もまぁ、独占欲というのはあるので・・・・


確かに、胸に関しては皆の中では小さい方だと思うけど、それ以外は問題ないと言うか、素晴らしいのだ(自分でも何を言っているのか分からなくなっている)

サヤが少し大胆な行動をするのも若干の抵抗(周りの視線と独占欲の問題)はあるけど、問題はない。


「・・・・ごめん。でも、アルトの感想を聞きたいから」


そう言って、上目遣いで聞いてくるサヤの姿に顔を赤くしてしまうのも、問題だけど問題はない。

問題なのは


「サヤも凄く似合っているよ。確かに・・・その・・・胸は・・・かもしれないけど、凄く綺麗で、目が離せなかったよ」

「・・・・うん、アルトにそう言って貰えて嬉しい。今度はマリルを連れて来る」


サヤにも正直な感想を言うと、嬉しそうに皆の方へ行ってしまう。

そして、言葉の通りにマリルに声を掛けていた。


「まさか、全員の感想を言わないといけないのか・・・」


別に、皆の水着姿が似合っていないとか言うのではない。

逆に、水着姿が似合い過ぎて、直視できない程だけど

全員分の感想を言うのは、凄く恥ずかしいのだ。


「あの・・アル君?」


少し恥ずかしそうに声を掛けてくるマリルの姿をみて、覚悟を決めるのだった。


因みに、その後にリース、ファル、シェルの三人が僕の感想を聞きに来たけど、ジルとノアは辞退して、クーナは恥ずかしそうにミリアは私は関係ないみたいな態度で少し離れた所にいた。


「お兄ちゃん、なんか疲れているね」

「皆ちょっと大胆過ぎたからね」

「・・・そうなんだ」


女性陣の中で唯一ビキニ姿ではなく、年相応に可愛らしい水着を着ているミンクの姿に少しだけホッとする。


「まさかの、アルトはロリ娘好きっすか!?」

「ナナシさん!誤解をしないで下さいね!?」


こんな僕の姿をおちょくってくるのは師匠ぐらいと油断していたら、まさかのナナシさん登場だった。

そのナナシさんの言葉で、皆が詰め寄って来たので海に逃げる事にした

因みに、ケントも同じパーティー仲間のミリルさんとラミアさんに僕と同じように水着の感想を聞かれて、ドキマギしていた。

ただ、なぜ僕達の近くにいないのかと疑問に思ってたら


「察してやれよ。主が誰が好きだったか知っているだろ?頼むから、そっとしておいてくれ」


と、ダルスに言われて何とも言えない気持ちになってしまった。

結局、皆に捕まり、一緒に遊ぶ頃にはそんな気持ちは薄れて行ったけど、周りの視線が無くなる事はなかった。

まぁ、僕が部外者でも見てしまうような集団なのだから、僕は本当に運が良いのだろう。


因みに、僕達とは別な所でもざわざわしている所あって、興味本位で覗いたら


「ひゃっほ~!海最高だ!」

「あなた!あまり周りの人に迷惑を掛けないで下さいね!」


海を満喫している師匠を怒りながらも、仕方ないと言う風に苦笑しているアマルさん


「誠の野郎は元気だな。俺らは少しゆっくりしようか」

「はい」


砂浜でそんな師匠達を見ながら、ゆっくりしているノゾムおじさんとフィルさん、ネムさん、クーリさん


「偶には、こうやってのんびりするのも良いな」

「そうですね」


パラソルの影で座ってゆっくりしているルミス様とマリー様

師匠達も皆水着姿で、娘達とは逆に母親達は肌の露出は少ないタイプのようだけど、それでも周りの視線を集める程の魅力があった。


「お父様達も楽しんでいるみたいですね・・・・ですけど、お父様は恥ずかしいので後でお母様と一緒に説教します」


恥ずかしそうにしているリースと一緒に皆の所へ帰る事にした。

師匠の無事を祈りながら


「お前ら、海は満喫したか!」


水着から普段着に着替えて、今度は人が少ない砂浜に集合した僕達をみて師匠が叫んできた。


「師匠、なんで顔が赤いのですか?」

「はっはは!嫁と娘に叩かれたからだ!」

「・・・自信満々に言わなくても」


どんな時でも、騒がしい師匠の姿に苦笑してしまう。

リースとアマルさんも困ったように師匠を見ている。

今は昼過ぎで、ノゾムおじさんが言った計画ではこのまま、師匠達が見つけた誰もいない島に行くことになっている。

ただ、ここからその島も見えないし、島に行く筈の船すらもなかった


「師匠、ここからどうやってその島に行くのですか?」

「ん?転移魔法でだが?」

「そんなに遠い所なんですか?」

「いや、島の場所的にはここからそんなに離れていないんだが、島の周りの海流が酷くてな船でいけないんだよ」

「・・・近くに島何て見当たりませんけど?」

「そこはほら?せっかくのプライベートビーチだし・・魔法でちょちょいとな」

「成程、師匠らしいです」

「だろ」


まぁ、決して褒めている訳ではないのだけど

そう言う訳で、師匠が唱えた転移魔法でその島に着いたはずだったけど


「何処だここ?俺は、海辺を目指した筈だが・・」

「誠、地形的には目的の島で合っているが・・・何故か知らないが島の中心にいるみたいだな」


師匠とノゾムおじさんが周りを見渡し、他の人達も何が起きても対処できるように構えている。


「瘴気と魔力がこんなに沢山・・・」


マリー様の呟きと同時に誰かが倒れたような音がした。


「アマル!」

「だ、大丈夫です。少し立ち眩みをしただけですから」


アマルさんが瘴気と魔力酔いで倒れてしまったのだ。

師匠が慌てて、アマルさんに駆け寄り声を掛け、アマルさんは大丈夫だと言うけど顔色が凄く悪かった。

僕も気分が悪くなってくるけど、倒れる程ではない。


「ふふふふ」

「???」


アマルさんを抱きかかえている師匠が何やら不気味な雰囲気で小さく笑いだした。

ノゾムおじさん達は、困ったような表情になってお互いを見渡し

僕達は師匠のその変化に驚いて何も言えなかった。


「ふふふふふ・・・・はぁ~~~~。よし上等だコラ!何処のどいつで、誰の所為で何か知らんけど、俺らに喧嘩を売った事は分かった。覚悟しとけやコラ!!!!!」


師匠の叫び声と同時に大量の魔力が放出され、吹き飛ばされそうになった。


「一々、行動が派手だな!」

「この中で、魔法を使う私達の苦労を少しは知って下さい」


通常、相手の魔力が充満している所では、自分の魔法を使う事が難しくなる。

それが、英雄クラスの魔力となると制御する力がかなり必要なはずだけど、ノゾムおじさんもマリー様も文句を言いながらもしっかりと魔法を発動出来ている。


「凄い」

「これが本当の英雄の力」


師匠の膨大な魔力でこの一帯の瘴気を吹き飛ばし、溜まっていた魔力をも散らす。

そのぽっかりと開いた場所に、ノゾムおじさんが大きな家を創り、マリー様が瘴気を防ぐ魔法壁と魔力を循環させる魔法陣を同時に起動させた。

ルミス様はマリー様を護衛しながらも周囲の気配を探り、ルックさんも精霊を顕現させて周りに解き放っていた。

その流れる様な連携に僕達は、ただ黙ってみているしかできなかった。


「・・・アルト、ケント」

「はい、師匠」

「はい、お師匠様」


家が建ち、その周りに瘴気が入って来なくなり、目と鼻と精霊で周りの安全を確認できた時に、師匠が今まで見た事がないような低い声で僕達を呼んだ。

僕も、ケントも何を言われるのか予想が付いていて、自然と声が硬くなってしまう。


「潰すぞ」


ただ、それだけ

たった一言聞いただけで、全身が硬くなり、少しだけ震えているのかもしれない。


「・・・はい」

「分かりました」


だけど、師匠が怒っているのが分かり、アマルさんが倒れた事を思い出してはっきりと声を出して答える。

すると、今度はやる気が満ちてくるような気がしてくる。


誰もいない筈の島が、瘴気に侵されていてその影響で倒れてしまったアマルさん。

その姿を見て、今まで見た事がない程、怒っている師匠。

幸いなことに英雄が全員揃っている状況で、それでもなお僕達に声を掛けた師匠。

何かが起こる、そう感じる夏の長期休みとなってしまった。



おまけ


「だから、言わんこっちゃないっすよ」

「お前か」

「あらあら、余裕がないっすよ」

「その通りだ。だから無駄口を叩くな」

「こっちだって、何も思ってないと本当に思っているっすか?可能性はあった筈っす。そんな所にアルトを連れて行くことに私は反対してたっすよね?弟子は良くて、自分の奥さんはダメ・・」

「煩い、無駄口を叩くなと言った。確かに、楽観視していたのは認める。アマルが倒れた以外は想像が付いていた。この島の今の状況もな」

「そんな所に、最愛の人を連れて来るっすか普通?」

「何があっても守れる自信があった。守るために皆を集めた。何が起きても対処ができるようにだ。だから、この計画に変更はない」

「英雄も奥さんに甘える唯の男という事っすかね。まぁ、確かにアマルさんの存在は今後の事を考えると必要だと思うっすけど・・・」

「この計画で、アルトとケント、リース達を鍛えないといけない。特に、お前が大事にしているアルトをだ。じゃないと、この先アルトが死ぬぞ」

「そこは私が命に掛けて守ると言いたい所っすけど、英雄様でも失敗する事をみた今では確かに自信はなくなったっす。だけど、それだけの事をする相手っすか?ここには英雄が全員揃っていて、そのパートナーたちも化物クラスの力の持ち者。そして、その子供と現代の化物クラスの力の持ち者達。まぁ残念ながらアルトは除外されるっすけどね」

「現代の勇者を入れても勝てるか分からない相手かもしれない」

「そんな相手がいる訳が」

「魔王が復活している可能性が高い。しかも、俺らの勇者の力と現代勇者の力を持ってだ。若しくは、それぞれの力を持った二人が誕生したかだ」

「それでも、今の英雄と現代の勇者が協力すれば」

「討伐は可能だ。今の勇者は弱いが、鍛えれば強くなる。だから、今回はここに連れて来なかった。俺らを見れば修行処じゃないからな。ただ、問題は、物量の差だ」

「ッ!魔物の氾濫!」

「そうだ、いくら俺達が強くても、皆をカバーできる範囲は広くない。だから、アルトを鍛える必要があるんだよ。少し危険だと思っていてもな」

「前々から聞きたかったすけど、アルトに何をさせるつもりっすか?返答次第では、無茶で無謀でも貴方を殺す」

「何って、アルトを拾ってからずっと、今もその目的は変わらない。ただ「英雄を創る」それだけだ」

「貴方の娯楽にアルトを巻き込むな!」

「おー怖い怖い。さっきと立場が逆になったな。話し方が素に戻っているぞ?アルトを守るんだろ?いつも余裕で構えていろ」

「・・・ふん、さっきの貴方に言われたくないっす」

「返す言葉がないな。俺だってアルトを唯の娯楽で育てている訳じゃない。必要だからだ」

「アルトがっすか?」

「必要なのは「新しい英雄」さ。勿論アルトは必要さ。リース達にも俺にもな。ただ、俺が必要だと考えている「英雄」にもアルトが必要なんだ。ただそれだけださ」

「・・・前に言っていたアルトを家族として受け入れるという事に嘘はないっすか?」

「それはない」

「それが本当なら、貴方の計画に乗ってやるっすよ。ただ、その言葉が嘘になるようなら・・・・」

「・・・不気味な言葉を残して、去って行きやがった」

「それで、私は何をすればいいのかしら?」

「起きていたのか」

「すぐ傍で、あんな雰囲気を出す二人がいて落ち着いて寝ていられないでしょ?」

「そうか、すまない」

「誤まらなくていいわよ。それで、貴方が私をここに連れて来たのは私が必要だからでしょ?何をすればいいの?」

「・・・本当に、お前は俺には過ぎた嫁さんだよ。何、特別な事はする必要はないさ。昔みたいに、俺らが旅をしていた時みたいに、ただ「お帰り」とこの家を守ってくれればそれだけでいい」

「本当にそれだけで良いの?」

「良い。少なくとも俺はそれだけで、戦える」

「本当、そう言うのは狡いわよね」

「何か言ったか?」

「いいえ、貴方が変わっていない事を確認できただけです」

「なんだそれ?」

「ふふふ、何でしょうね」



おまけ2


「実験島に誰かが侵入した」

「あそこの島ですか?」

「そうだ。誰か様子を見に行ってくれ」

「分かりました。すぐ近くにラウ様と魔聖女様、魔騎士様がいらっしゃいます」

「あの三人か・・・まぁいいだろ。すぐに連絡を取ってくれ」

「了解しました」

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