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師匠!何してんですか!?  作者: 宇井琉尊
第二章 学園編(二人の少女)
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続・幻想空間

この二人を出すと物語が進まない・・・

扉を開けるとそこには・・・

「お待ちしておりました、ご主人様」

小柄な体格の兎人族に似たメイドが頭を下げて中に入るように促してくる。

「ごめんね。急に来たくなって」

「いつ来られても構いません。いえ、もっと来て頂けると・・・」

学園での授業や帰ってからの師匠達との修行。

充実していて新しく友達になった、シェルムやファミル、クーナとも仲良くできている。

まぁ、学園自体に女子生徒が多い事とリース達と幼馴染と言うことが広がって、それ以上の友好関係は築けていないのだが・・

それでも、ふっとした瞬間に此処に来たくなることがある。

”幻想空間”

師匠達に聞いてもはぐらされてしまうけど、絶対に師匠達が作ったと思われる特別な場所。

その管理をしている人が作った(?)と紹介されたのが、このコキさんだった。

コキさんは僕を先導するように少し前を歩きながら、少し溜息をつきそうな表情でこちらを向いてくる。

「何か不安なことでも?」

「いえ、不安とかは一切ないのですが・・・」

小さい容姿もあってか、チラチラとこちらを向いてくるコキさんの姿に癒されながら会話を続けていると

どどどどっどどっどどどど

と何かが物凄い勢いで近付いてくる音と気配がしてきた

「いや、仮にも自分でメイドと言っている人がこんな音を立てて・・・・まぁマイさんだからねぇ」

「申し訳ありません。何時もはまだしっかりしているのですが・・・久しぶりにご主人様が来られましたし、それに」

その音の正体が分かってしまって、笑ってしまったけど”マイさんだから仕方がない”と思ってしまった。

コキさんも頭を抱えて溜息をついてしまっている。

”幻想空間”の管理者で、多分ノゾムおじさんの趣味全開で作られた機械人形である、マイさん。

僕のことをご主人様と呼び、機械人形の命と言われる命令権まで預けてきた人(?)である。

自称メイドと言っており、僕らが此処に来ると世話をしてくれる。

偶に、ジルとノア二人と争っているのが見られるが、皆との関係も良好だ。

それでも、僕や第二の主人となっているシェルムが来るとテンションをこれでもか!?って上げてしまうのが玉に瑕であるが

「匂いと、気配と、臭いでご主人様を察知してきましたぁぁぁぁぁぁ!」

「なんでニオイを二回言ったの!?」

大丈夫だと思いながら、制服の臭いを確認してしまった。

「すみません。でもどうか構ってやって下さい。あれは寂しくなると死んでしまいますから」

「・・・兎の姿は伊達じゃないってことかな?」

師匠が昔、うさぎは寂しいと死んでしまう生き物だっと言っていた事を思い出した。

そこまで思い出して、マイさんをそのまま幼くしたような容姿をしているコキさんを見てみる。

コキさんもマイさんと同じ兎人族の姿をしている。

「・・・私も寂しいのは嫌ですが・・・・こうやって話すだけでも満たされますから・・」

あまり表情を変えないコキさんが、少し頬を赤くして、何時もは垂れている兎耳がピクピクと動いている様子をみて、

こっちまで顔が赤くなってしまう。

「ところがどっこい!私参上!コキさんだけに甘い雰囲気を味わすもんですか!」

「内心ただ漏れですよ?」

「私、正直者って凄く良い人だと思うのですが、ご主人様はどう思われますか?」

「て、程度によるかな?」

「欲望に身を任せるのと、正直者とは別だと思うのですが」

「ご主人様の困った顔ゲット!」

「聞いていませんね」

コキさんが何とも言えない表情になって首を振っている。

マイさんとコキさん。

二人の容姿は姉妹みたいに似ているけど、性格はほぼ正反対と言っても良い程違っている。

けれど、幻想空間の管理や僕達の世話に関しては、二人共一生懸命してくれる。

リース達とはまた違った意味で、大切な存在になってしまった二人だった。

「ところで、誰か他に来ていたの?」

何故かメイドのあり方がどうだ、まで話し合ってしまっている二人に声を掛けると、マイさんがバッと顔を上げて、物凄い楽しそうな笑顔になった。

「シェルム様が来ているのです」

英雄が一人、聖女の一人娘。

何故か、最初からマイさんは気に入り、イジリ・・もとい、世話をしている。

第二のご主人様の証である、銀の鍵を渡す程の気に入り様なのだ。

「なるほど」

「何故かアンニュイな表情をしていたので、おもちゃにいえ、遊んでおりました」

「もう隠すつもり、ないよね?」

「そして!多分来るだろうと思っておりましたご主人様の為に!こういうものを用意しておりました!」

「・・・話を聞いてください」

僕とシェルムが来るとテンションが上がり、シェルムにイタズラをするときはかなりテンションが上がってしまうマイさん。

ニコニコというよりは、ニヤニヤしながら両手を差し出し、そこに何か映像が見えた

白いドレスなような物がハンガーに掛けられており、その横には、白い肌をさらし、白い下着に身を包んだ人が、縄に縛られている・・・

「ご主人様も男の人ですね」

バッとその声を聞いて、映像から目を逸らすが、あまりにも衝撃過ぎて鼻から血が出そうになってしまった。

「何てことを!?」

「いえ、珍しく着飾ったシェルム様が見られたのは良いのですが、何やらその白いドレスをみて溜息をつかれていたので、嫌なら脱がして差し上げましょうと思いまして」

「それでなんであの姿に」

「趣味です」

「言い切った!?」

迷いもなく、自信満々にバッサリと言い張ったマイさんに驚いてしまう

「考えてみてください!聖女ですよ!汚れも知らない純粋無垢のあの聖女!肌を晒し、拘束して、自分の色に染めたいと思ってしまうNO.1かもしれない、あの聖女ですよ!しかも、ウェディングドレスみたいな服を着て、それを寂しそうに眺めていたら、もう、服を脱がせて縛るしかないでしょ!?」

「・・・後半はよく分かりません」

「ほう、なら前半は分かると」

「・・・・・・・」

お、男の子ですから・・・・ね?

「ファミル様にも騎士の格好でクッコロをさせて見たいのですが、やった後に壊されそうなので・・・・いえ、ご主人様が手伝って頂ければあるいは・・・」

何やらブツブツ言っているマイさんがいたけど、急に背筋が凍るような気配がして気にならなくなってしまう。

「・・・・マイさん?」

その声を聞いて、ビクリとマイさんの動きが止まった。

「な、何故此処に・・・あの状態でご主人様にプレゼントしようと綺麗にリボンも付けていたのに・・・」

「コキさんが助けてくれました」

「いないと思ったら!」

その声の人物。シェルムさんはいつもの制服に着替えて笑顔なんだけど、怒ってる表情をしていた。

そのシェルムさんの後ろにはいつの間にかいなくなっていたコキさんがいて、僕の視線に気付くと頭を下げた。

「私止めて下さいと言いましたよね?なのにこのポンコツは・・・頭の中機械じゃなくて何かピンクの何かが詰まっているんじゃないですか?いつもいつも私を裸にして、それをご、アルトさんに見せるなんて、一回バラバラに解体した方がいいのではないですか?いえ、解体しましょう」

「え?ええ?」

「そ、そんな・・・シェルム様が・・・って気付かないとでも思いましたか!」

「バレましたか」

「当たり前です!でも、急に自分の声が聞こえてきてアワアワしているシェルム様を見られたのでグッジョブです!」

僕も驚いてしまった。

コキさんが頭を下げた後に口を開くと、シェルムさんの声が聞こえてきたのだ。

「では、私はご主人様の為にお茶の用意をしなくてはいけませんので・・・コキさんはご主人様達を部屋に」

なんだかすっきりした顔をしたマイさんが自然にこの場を離れようとしたけど

「捕えて”封縛の鎖”」

ノゾムおじさんがよく、師匠を捕まえる為に使っている神封じの鎖がマイさんの身体に巻きついく

「あっ、あ・・・色気を出そうと思いましたが、どうせならご主人様に縛って貰いたかったです」

「変な声を出そうとしないでください!」

鎖に巻き付かれ動けなくなったマイさんとシェルムさんが言い争っているけど、僕はシェルムさんが”封縛の鎖”を使ったことに驚いてしまった。

「シェルムさん、さっきの技は・・」

「ノゾム様の技を教えて貰ったのです。魔力の質と言いますか・・・作り方が多少違うので、本物の神を封じる事は”今”は出来ないのですが・・・一度捕まれば、魔力や気力を練れなくなるのは同じです」

師匠の話でも、聖女は回復魔法や補助魔法に適性が高いと言われていたから、確かにノゾムおじさんが使う捕縛の技を覚える事はできると思うけど、それでも実力が雲の上だと思っていた人の技を同じ歳の少女が使えたことに少しショックを受けてしまった。



おまけ


「ところでどうしてシェルム様を?あのように言いましたが、本当は椅子に軽く縛る程度だった筈ですが」

「マイが私の邪魔をしたので取り敢えず嫌がらせをしようと思ったのですが」

「何か凄いことを今言いましたね」

「大丈夫です。嫌がらせをするのはマイに対してです」

「大丈夫の意味が分かりませんが・・・要するに、私とご主人様がキャッキャうふふしていたから、不貞腐れて私が準備していたサプライズを無しにしようとしたのですね?」

「・・・そうです。ですが、部屋に入るとシェルム様が暴れていまして」

「何故ですか?私はちゃんとご主人様を迎えに行くと言ったのですが」

「だからでしょう?「また、あの人は私の写真を」って言っていましたので」

「それで」

「それで、こうなっていました。なので、流石に可哀想かなと思いまして」

「ぐはっ!何てあざとい!」

「本人は一生懸命のだったのでしょう」

「なんで、椅子に手と足を縛る程度だったものが、服が捲れて、下着がズレて、あともう少ししたら大事の所が見えそうな状態で、身動きできない姿勢になるのですか!?そうですか!?これがTOラブルですか!?」

「二人共何をコソコソしているのですか!」

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