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序章『妹にギャップって必要だと思います?』

「死ねよ。」

激おこだった。



「言い訳をさせてください…。」

生徒会室でとりあえず正座である。

結局、学校に着いたのは四十五分。完全に遅刻です。

「は?私にはイチャコラしながら仲良く登校したようにしか見えなかったけど遅刻したちゃんとした理由があるんだろうね。新年度で私達もようやく二年生に進級したってのに、初日から遅刻したことに対する言い訳が、始業式の進行を私と秋桜しゅうおう君の二人に任せた言い訳ができるんだろうね?副会長様。」

「い、いやあの…。」

激おこぷんぷん丸じゃないですかやだー!

「あ、あのあの水仙ちゃん。私が悪かったんです。私がご飯おかわりしちゃったのが…。」

「鶏頭さんは鶏頭さんでこの馬鹿の後に言うことがあるから待ってなさい。」

「ヒッ…!はいすいません!」

ああ、せっかくの助け舟が…。

「あの、水仙様?とりあえずこの猫様をだきませんか…?」

猫様!どうかこの部屋の空気を和らげてください!

「抱きませんね。」

抱きませんか。

「で?どうなんだよ。妹と親友が大忙しな中、幼馴染と面白楽しく登校した言い訳は思いついたかな?」

やべぇ!笑顔なのが怖い!ああ定規を、定規を置いてください女王様!

「はぁ…。もういいや、どうせあれだろ察するに『鶏頭さんが珍しく朝からうちに来て、朝ご飯を時間いっぱいまでおかわりする。ギリギリの登校になったところで困ってる猫を保護した』って感じだろ。」

「おっしゃる通りです…。」

察しが良すぎませんか!?

「本当にごめんなさい。私が天丼を三杯も食べなければ遅刻することはなかったんです。ああ、思い出すだけでよだれが…。」

「三杯…?」

説教中によだれって僕が言うのもなんだがコイツ反省してんのか?

「鶏頭さんはアレを三杯も食べてその体型を維持しているのかい…?」

「あ、水仙ちゃんも食べたんですか?美味しかったですよねぇ…。朝から天丼って水城家は狂ってるなぁって思ったんですけどアレは食べれちゃいますね!お箸が止まりませんでした!」

やめて!それ以上うちの生徒会長を刺激しないで!

柊が恍惚としている中、水仙がワナワナと震え

「ずるい!!ねえさんはいっぱい食べても太らないし、ボクより背が小さいのにおっぱいが大きくてズルい!!!ボクだって朝ご飯おかわりしたかったのに!!」

す、水仙さん?

「でもボクはモデルだから体型維持しないといけないし!!!生徒会長だから早く来て準備とかあったし!!!兄さんとねえさんは生徒会役員なのに平気で遅刻するし!!!もーーーー!!!」

ああ!妹モードの水仙が出てきてる!

なんというか、

水仙もまだ十六歳なのである。

年相応のことで悩んでるし、ずっとしっかりはできないのだ。

「ホントにごめんって!遅刻したのは本当にごめんなさい。ご飯も今日の晩御飯はお前の好きなハンバーグ作るから!!好きなだけ食べて!ねっ!?」

「は、はい!私も手伝いますよ!そうです!チーズ入れましょうチーズ!チーズインハンバーグにしましょう!」

「うーーーーー!ハンバーグ食べる…。でも、カロリー…。」

「と、豆腐混ぜるよ!お豆腐混ぜてヘルシーにするから!」

「そ、そうです!今日ぐらいは好きなだけ食べてもバチは当たりませんよ!なんていったって私達、新生徒会の初仕事の日なんですから!」

「うんうん!仕事を完遂させて、美味しいごはんを食べよう!」

どうだ?これで少しは怒りが覚めてくれるといいが…。

「………二人して遅刻したくせに。」

うぐっ!

「ボクだって一緒に登校したかったのに…。二人は仲良く一緒に登校しちゃってさ。」

水仙は足元に寄ってきた猫を抱き上げ

「ボクの生徒会はキミよりも優先度が低いんだってさ。」

「「本当にごめんなさーーーーーい!!!!!!」」

その後、柊と二人で土下座をして、『何でもお願いを一つ聞く』という約束で何とか許してもらえた。

秋桜にも謝っておかないとな…。







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