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ゴブリンの少女はもっと生きたい  作者: 雲と空


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52話 私もしっかりしなくちゃ

 私のもうひとつの知識は、時々は思考の回転も助けてくれる。


 今も助けてくれているっぽい。


 こんな便利なシステムなんて、そうそうあるもんじゃないと思う。


 やっぱ、魔法は成功しているのかな?


 でも、カトリーさんにはどういう魔法なのか、きちんと話を聞いてきてもらいたい。


 タナカミノルさんに言われるがままに、魔法を使ったにしてもね。


 神様になって、自分の身体の一部を削って、恋人の遺体を使ってまで何をしたのか。


 そこまでして、詳しく知らないのも、あまりに間の抜けた話だと思わない?


 私の今後のためにも聞いておいて欲しい……。


 それにしても……私のもう一つの知識に助けられれば、助けられるほど考えてしまうことがある。


 創った人を知ってしまったから。


 タナカミノルさん……どんな人なのかな?


 再び、想像される全裸の男性の後ろ姿……。


 慌てて、想像をかき消す。


 まともな想像できないよ……。


 タナカミノルさんがカトリーさんに言われて止めたものって、多分……アレだろうなあ。


 2歳の頃と今で、明らかに変わったなあと思う事がある。


 多分……そうだと思うんだけど……。


 そんなことより家に帰ろう。


 夕飯の時間が遅くなっちゃうから。


 カトリーさんが掛けた強化魔法のおかげで、身体は軽い。


 私みたいに3分では切れないらしい。


 あ、そうだ。


 寝る前に身体を綺麗にしておかないと汗臭いんだった。


 いくらゴブリンが、そういったことに無頓着でも私は気にしないとね。


 カトリーさんみたいに、いい匂いがする女性になりたい。


 とりあえず、強化魔法が切れる前に、井戸で水を汲んでおこう。


 カトリーさんの強化魔法で強化された私の身体は、自分がそこにいないかのような速さで動ける。


 けれど、街中では思いっきり動くと色んなものにぶつかりそうになる。


 流石に暗いから洗濯物はないけど、近所迷惑になるから気を付けて動こう。


 この街では暗くなると、みんな家でご飯を食べて、早く寝てしまうから滅多に人が出ていない。


 狩りだって、夜は敵が強いし倒しにくいし危険も多いから、出ている人はあまりいないのだと思う。


 街の中はそこそこ静かだ。


 自分の家の庭に桶を取りに行く。


 桶を持って井戸に向かう。


 軽い、軽い。


 桶が綿のように軽いの。


 何も持っていないみたいな軽さ。


 水を入れても、全然平気。


 ズリズリして運んでいたのが嘘みたい。


 あっという間に、水を汲んで玄関の前に置くと玄関のドアを開けた。


「ただいま~」


 汲んだ桶を家の中に入れる。


 お腹が空いたので、早くご飯が食べたいなあ。


 一家団欒の場へと急ぐ私。


 今日は何かな……お母さんのご飯。


「あ、お帰り……。今日は帰ってくる日だったの? 遅いから帰ってこないのかと思った」


 お母さんがひどい事を言っている。


 あ、そっか。


 何も言ってなかったからか。


 補習と再テストで帰ってないから、伝える手段がなかったもの。


 家の壁掛け時計を見ると、夜の8時を超えている。


 普通に帰ってきていても、夕御飯が終わっている可能性がある。


 それに、私みたいなか弱い子が暗い時間までフラフラしてたら危ないかも。


 お母さんもお父さんも、私のことを心配してないの?


 お母さんは台所に行って、何かガチャガチャやりに行った。


 何か食べさせるものがないか、探しに行ったのかな?


 残り物でも、全然大丈夫だよ。


「お、帰ってきたのか? 劣等生だろうから帰ってこれないのは分かるけどよ……」


 お父さんは会って早々、失礼な言い方だ。


「……ただいま」


 ちょっと、私はムッとした。


 食卓の上は片付けられており、お父さんはくつろいでいる。


 何か、お茶か何か飲んでるっぽい。


 私は桶から洗面器にヒシャクを使って水を移す。


 タオルを洗面器に入れておく。


 後で使うからテーブルの上にひとまず置いておこう。


 お母さん、洗い物と料理するのに水あるかな?


 台所に行って、ストックのカメの中に汲んできた水を足しておく。


 顔を洗う分は、明日……私が汲んできておくからね。


 私には、ちょっとだけ強くなれる魔法があるんだから。


 洗面器を抱えて、自分の部屋へ行く。


 制服を全部脱いで、タオルで身体を拭く。


 火照った身体に気持ちいい冷たさだ。


 強化魔法は掛かっているだけで少し体温が上がるようで、ちょっとだけ暑くなる。


 私の強化魔法は感じないのだけど、カトリーさんの強化魔法は掛かると身体の中の熱を感じる。


 拭いていて自分の身体を見て、ため息をつく。


 小さくて華奢な身体。


 せめて、普通のゴブリンと同じくらいの体格になってくれないかな。


 あと……もうちょっと、この辺が膨らんでくれたら、可愛さが無敵なのに。


 多分、私は可愛いと……私の感覚だと思う。


 全身拭き終わったあとに、パジャマに着替える。


 あ、パジャマが新しくなってる。


 なんか、ちょっと女の子っぽい。


 前のパジャマの方がゆったりとしていた感じが強かったけれど、こっちはこっちでいい感じ。


 ピンクっぽいし、ちょっとヒラヒラが付いてる。


 やっぱ、私も女の子だもんね。


 嬉しいな……ふふ。


 着替え終わったあと、自分の脱いであったものが散らかっているのが、目に入った。


 いつもは脱いだものは、適当に脱ぎ散らかしておくとお母さんが片付けておいてくれる。


 けれど……そうね、私も子供じゃないんだから、そういうのやめよ。


 脱いだ服は畳んで、まとめて置いておく。


 私もしっかりしなくちゃ。

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― 新着の感想 ―
[一言] ゴブリンちゃんも少しはタナカミノルさんに興味を持ったようですね。 なにせゴブリンちゃんの中にある知識を作ったのもタナカミノルさんなら 気にならずにはいられないはずですね。 でも想像すると、…
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