24話 それってどうなっちゃうんだろう
目やには付いてるし、鼻くそは付いてるし、寝癖もついてて人前に出ちゃいけない感じがする。
「カトリーさん、身だしなみを整えてきたほうがいいよ。せっかくの顔が台無しだよ」
私のお母さんを自称するなら、そういう顔で外を歩くのは止めてほしい。
「え? あ。そうね……。私としたことが娘に言われるなんて」
まずは、顔を洗ってきたほうがいいよね。
ところがカトリーさんは、思わぬことをした。
「はい~。よっ」
カトリーさんは指を二本頭上に掲げ、指先に金色の光を宿らせた。
その光を自分の頭上でクルクルと回すと、その光がキラキラしながら上から降りてくる。
やがて、その光が体の周りをぐるぐると廻り始める。
整っていく髪型……。
とれていく目やに、鼻くそ……よだれの跡。
わ~、……便利~。
その魔法の素晴らしさと言ったら、もう……言葉にもならないくらいの素晴らしさだった。
ひどい有様のカトリーさんが、どんどん美しくなっていく。
昨日のカトリーさんだ。
何もしなくても、綺麗になるのね~。
「カトリーさん。私もそれ、やりたい」
多分、綺麗にするというよりは清潔にするのだと思うけど、とても魅力的に見えた。
「え? ああ、そうよね~。私も初めてこれを見た時に、同じこと言った~」
カトリーさんも?
じゃあ、私も大人になったら出来たりするかな。
「私にもできる?」
これがあれば、一瞬で綺麗になれる。
「う~~ん。生まれ変わって、ゴブリンを殲滅できたらタナカミノルさんを紹介してあげるから……」
思いもよらない答えが返ってきた。
殲滅して?
タナカミノルという変態の神様のところに行くの?
「え……あ。神様にならないとできないの?」
神様ならではのものとしたら、希望は叶わなそう。
タナカミノルさんの下で神様になるのは嫌だなあ。
修業が、と言うよりはその人の存在を受け付けない。
裸の上にコートしか着てないなんて、とあるコントの登場人物みたいなことをするに違いない。
きっと、人に見せるのが好きな人なんだろうなあ、と思わせるだけの情報が知識から流れ込んでくる。
「まあね。神様になったオマケみたいなものかな。タナカミノルさんはたまにしか使ってなかったけどね」
タナカミノルさんのことは、私の想像の中ではモザイクだらけで大変なことになっている。
もう、考えるのはやめよう。
そうそう、テスト勉強をしないとなんだよ。
大切なことを忘れてた。
「カトリーさん、今日はテストなんだけど……全然勉強してないの」
だから、早く行って勉強しないと~。
「学校に行ってから勉強するのね」
わかってるね。
「そうそう。さすが~」
「今日も手をつないで、楽しくスライムを殲滅しながら行きましょ」
私の中では、これはスライムダンスと名付けた。
スライムダンス……という名の強化魔法によるスライム退治。
嫌いじゃないけど……早く学校に行かなくちゃ。
転移でポンって。
ダメかなあ。
「今日もやるの?」
今日はやらないほうがいいんじゃないの?
「モチロン。今日は20倍ね」
え……それって、どうなっちゃうんだろう。





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