表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴブリンの少女はもっと生きたい  作者: 雲と空


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/56

23話 少しホッとしたけど、一方でがっかりした

 そんなことより、街と草原の境目へ行ってみよう。


 強化魔法がないから、なんだかノロノロしているように感じる。


 慣れって怖いなあ。


 私も強化魔法使えればいいのに。


 まあ、無理だろうけど……。


 一生懸命歩く。


 走ったりなんかしたら、目立っちゃう。


 誰もいないけど、誰か見てるかもしれない。


 念のためよ、念のため。


 街と草原の切れ目についた。


 結界はまだ張ってあるようだ。


 何時から解除するんだろ? 


 昨日よりも時間が早いから、この後に解除するんだろうなあ。


 スライムでも危ないから、とりあえず結界の中にいる。


 昨日は考えてみたら、危ないことしてたのか~。


 けれども、スライムは街の周りにはいない。


 モンスターも実はそんなに争いたいわけじゃないのかもしれない。


 知らないけど……。


 辺りを見回しても、カトリーさんの姿はない。


 まだ、来てないのかな。


 何か頭上に変な感じがする。


 なんだろう……アレ。


 目の前の空中に何か光っているものが見える。


 それが、徐々に線になってきた。


 その線が繋がっていく……。


 やがて空中に魔法陣のようなものが浮かぶ。


 魔法陣のようなものが一層強く光って、くるくると回り始める。


 更に光がボワッと強くなった。


 そこから、何か出てくるようだ。


 人?


 おしりを下にして身体をくの字に曲げているような格好だ。


 そこから、するっと手と足が抜けて……誰か降ってきた。


 ドサッ。


 見事におしりから落ちた。


「あいたたたた」


 見覚えのある人が目の前で腰を打って痛がってる。


「カトリーさん?」


 見た目はカトリーさんっぽい。


「あ。おはよう」


 カトリーさんみたいだけど、なんか眠そう。


 寝起きかなあ。


 別人かなっていう位の感じを醸し出している。


 別人っぽい人から、挨拶されたから、ちょっとすぐに反応できなかった。


「……え? おはよう」


 とりあえず、挨拶は返しておいた。


「いやあ。神様は普通は寝ないんだけど、タナカミノルさんが寝たほうがいいって言うから、寝られる時に寝てるんだよ~、ふあ~あ」


 寝るとそんな、寝ぼけた感じになるの?


 それに、もうひとつ疑問ができた。


「え? 神様って寝ないの?」


 普通は寝ない、というのが驚きだ。


「普通はね。でも、寝たほうがエネルギーは節約できるし、エネルギーの貯金もできるから効率いいんだって~」


 タナカミノルという神様は、色々と特殊なようだ。


「それと、カトリーさんが落ちてきたのとは何か関係があるの?」


「学校に行くのに、ここに来るのはわかってたから、来たら魔法陣が働いてここに出るようにしておいたの」


「ああ~、時間表示がされない目覚まし時計なのね」


 私が通ると、自動的にカトリーさんが転移されてくるというものらしい。


 神様だから何でもありだ。


 何でも、私のことをストーカーしてるわけじゃないのね。


 少しホッとしたけど、一方でがっかりした。


「そうそう。そういうこと」


 目は覚めてきたみたいだけど、カトリーさんの顔はひどい有様だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 強化魔法って、ゴブリンちゃんは使えないので不便ですね。 それが無いと、チビのゴブリンちゃんは、歩幅も少ないので、 歩いても進みが遅くなり不利ですね。 街と草原の境目にゴブリンちゃんが早朝、…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ