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異世界行ったら魔王になってたんだけど(以下略)  作者: にょん
第二章 三姉妹と精霊少女に栄光あれ
21/67

21 . 幼女と美女と異世界と

「…んぅ……」


変な声を出しながら私の意識は覚醒した。瞼を開ける気力もなかったが、瞼の奥は明るく、朝であるという事を告げている。そういえば今日は今日発売のラノベを買いに行かねばならぬ。最新刊をもう一ヶ月も前から楽しみにしていたのだ。外に出るのはだるいが思いっきり顔をマスクとグラサンで隠し長袖のパーカーと長ズボンで行けばいいだろう。完璧に不審者だけど。とりあえず時計を見ようと枕の左側に右手を伸ばした。


…ふむ、スマホが無い。


そこでハタと気付く。私のベッドってこんなふかふかだたっけ?私の部屋ってこんな太陽が差し込む場所だったっけ?寝ぼけているのだろうか。

そしてある結論にたどり着く。それは昨日の記憶。


あー…。


………。


あれは夢だ。


OK、目を開けようか。


落ち着け。もしかしたら部屋の電気がついているだけかもしれないだろう? そして目を開けたらやっぱり自分の薄汚い部屋でしたって結果なんだ。そうだ、そうに決まってる。

恐る恐る瞼を開いた。


広がっていたのはベッドの近くの大きな窓から差し込む朝日に照らされた品のある調度品の数々とロココ調な家具の置かれた部屋だった。私が寝転がっていたのは天蓋付きの純白の銀の刺繍入りベッド。


「夢…じゃない…」


そこでどっぷりと昨日の事を頭から消し去り今思い出した最大のショックに身をよじらせる。私のお気に入りのラノベ…新シリーズ…新キャラの獣耳少__

待てよ。

わざわざラノベで獣耳少女を本で、イラストで愛でるよりも本物でできるじゃないか。いるじゃないか。


「夢じゃない!!!」


そこで幸せな気持ちが溢れだし先程と同じセリフなのに全く違うニュアンスになっていた。この世界には、私ら(オタク)の求めていた本物の、ふわふわの獣耳少女、否、幼女も居る!!!!


「いえええええい!やっぱり異世界最高おおおおおおおおお!!!!」


ふとそこで気配を感じ振り返ると扉の前に真っ白なシーツを手にしたマイが奇妙な物を見るような目でこちらを見ていた。


「…オハヨーゴザイマス」


「なんでカタコトなんですか」

はぁっとマイは呆れたように溜め息をついた。私がベッドから降り近くの高そうな白樺の椅子に座るとマイは手にしていたシーツをせっせと取り替えながら口を開く。

「いいですかアイナ様、今日が休日だからと言って10時まで寝るのはやめてくださいよー!どんな睡眠時間してるんですかッ!」

「睡眠時間は仕方ないじゃない!昨日は疲れてたのよ!というか今日は休日なの?そこんとこ詳しく」

「はいはい」

「はいは一回」

「…休日と言っても視察などが無くてあまり仕事がない日という感じですねー」

ふむふむ、ではいろんなところへ遊びn…コホン、自主的に視察しに行くことも可能なんだな。ここで気になる点は一つ。

「じゃあ講義も休みだね?!」

私は学校、否、《このような類の勉強》は大嫌いなのだ。

「いえ、やりますよー!」

「何故ッ!」

椅子が倒れそうになったのをなんとか踏み止まり寝ぼけ眼で睨みつけた。

「何故って、アイナ様は変え月してから間も無いじゃないですか!この世界の事何も知らないんじゃ魔王なんて務まりません!」

「確かにお前の言うことに一理ある。一理はある」

「嫌味ったらしい素晴らしい言い方ですね!」

「そうでしょう?じゃなくてでも1日ぐらいいいんじゃない?見逃しても」

「ダメですッ!」

「えぇー」

「1日だけでもってアイナ様こっちに来てまだ2日目じゃないですかッ!!!」

シーツを取り替え終わったマイがどこから取り出したのかと言うような洗濯カゴに入れてドアの方へ歩いていく。

「アイナ様、この後お着替えをした後朝食をとり、講義へと移るそうですよ。先にドレス部屋で待っててくださいー。メイがちょっと郵便に出かけたので伝えといてくれと言われました!」

「メイが郵便?どうゆうこと?」

マイの足がピタッと止まりこちらを向き直った。

「魔法には転移魔法等はないのですよー、足で行くしかないんです」

なんそなかば。江戸時代かよ。

「でも列車とかありますし少しの遠出みたいな感じらしいですよ」

そういえば転移魔法とかテレポートの類があれば汽車や馬車などの乗り物は確かに要らないはずだ。

「今回は何か特別な呼び出しをくらって何故かメイだけ実家に帰ったんですよー!それでついでにお手紙を。でも、不思議ですねー。いつも呼び出される時は何かやらかしてしまって3人一緒に呼ばれるのに」

おい。それもどうかと思うぞ。

「それではお先にドレス部屋へー」

「はいはい」

「はいは一回、ですよ!」

「…」

「無視しないでくださいー!」

もう!と言いながらマイは扉の向こうに姿を消した。

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