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夢物語  作者: 雪の花
6/8

昼寝の夢ー1

私は現代のどこにでもある至って普通な町に住んでいる。


主要道路は二車線で、脇にはパチンコ店や飲食店、ドラッグストアが並んでいる。川も流れており、遠くには山々が連なって見え、自然豊かな町だ。


なぜか・・・最近新しく出来たという病院を見に行くことになった。


小さな商店街を抜けた通りに佇むその病院は少しだけ変だ。

建物自体は四角く白いビル形態の病院、大きな窓が並び、屋上があって洗濯物が干してある。ここまでは通常の病院の建物。

ただ・・・玄関の廂が長く広く、歩道が濡れないような設計になっている。

中央の廂の上には三角屋根があり、そこには蓮の花を形どった石膏彫刻がデンと設置され、看板のようだが病院名の記載は全くない。


数日後、その病院で開催されるパーティーの招待状が届き、出席することに。

なんでも超有名デュオの〇〇〇君が来ると言う噂で、隠れファンの私は絶対に行こうと思う。 

(たぶん夢の中でも自分の希望が優先されるらしい笑)

パーティーだからと、鏡の前でここぞとばかりにおめかししている私がいる。長い髪はゆるく巻き、ピンクレース地の裾が地面すれすれのドレスを着ている。化粧はかなり気合が入っていた。

支度準備を終え、病院へ向かう。


あの時は外からしか見れなかった病院の玄関を通り、玄関ホールに並ぶ白い布で覆われたいくつかの机から一つを選んで、係員に話しかける。

「お席は宴会場の中で確認頂いております。このまま隣のドアからお入り下さい」

私は素直に隣のドアから、大宴会場に入った。

大宴会場の中は仄暗く、入口に設置されたカウンターに行き、出席名簿で席を確認してもらう。

「お席はあちらです」

係員の人が指をさす。

「ありがとうございます」

私はずいぶん奥まった席だなあと思うが、意外と大きな窓が近くて、ホール全体が見渡せた。

「どれどれ・・・彼はきてるかなあ?」

キョロキョロしていると、ホールの入口からたくさんの人が入って来て、ざわざわうろうろしていて、なかなか見つからない。

と、これまた反対側の奥まった席にいる男性と目が合う。

「彼だ!ひゃあ、本当に来てる」

私はふいと視線を外した。


その後の彼の様子を伺うこともできず、パーティーは始まり、ホールの照明が暗くなる。壇上の司会者と賓客にスポットライトが当たって、次々と挨拶から講話が続く。


昼食はバイキング形式で、食堂へ移動して食べる。

食堂からホールに戻ってくると、なんだかどんよりとした空気が流れ、すべての窓が閉められている。

奇妙に思った私は、近くの人の話に耳をそばだてた。

少しだけ遠くの人の話し声が聞こえてきた。


「ここさ、閉鎖されて、閉じ込められるらしい・・・」

「え、じゃあさ、早く入口から出ないと、大変だな!」


その二人はすぐに入口目がけ走って行き、私は咄嗟に判断して彼らの後を追う。

どこからともなくドライアイスの白煙のようなものが床を這って流れてきて、ホール全体が靄の中に包まれたようになる中を入口へと急ぐ。


ギギギギギギ・・・・

扉が閉まる音がする。


「お客様、もう出られませんよ」


そういう係員を無視して、私は全速力で走り抜けた。

その後ろで扉は完全に閉められた。

閉められた扉の下から白い煙と冷気が漂ってきている。


病院の玄関からは出られず、そこから見える透明なドアと窓から、渡り廊下で繋がっている隣の棟へと数人の人が走って行くのが見え、そちらを目指して走った。


屋根だけで壁のない渡り廊下を渡って行くと、小さなマンション形式の病院の寮に着いた。

寮には外付けの螺旋階段が取り付けられ、そこは非常階段として利用されているようだ。

寮内に入る訳にもいかず、私は螺旋階段を上って行った。

すると、上から従業員らしき多国籍な人たちが、話しながら上から下りてくる。


「今日もだってさ、例の冷凍するやつ」

「え、じゃあ、パーティー?」

「しいっつ!」

そんな会話が聞き取れた。


私は背筋がゾッとし、病院の方を振り返る。

もしかして・・・人体実験の・・・・。そういう考えが頭を過る。

もしもあの時間に合わなければ・・・私はどうなっていたのだろうかと想像しただけで、身体が震える。


空は紅く染まり、夕餉の匂いではなく、何かが焼ける異様な匂いで鼻をつまんだ・・・・。


しばらく螺旋階段に座っていたが、家に帰らねばと思い、階段を少しずつ下りていく。

一階に着くと、目前に広がる町の商店街通りの方へと一目散に走った。

商店街はいつも通りで赤ちょうちんが下がり、店内から人の声、美味しい匂い、温かな飴色の光が漏れている。

あれは何だったんだろう?

ここにきて会話を聞いただけで、私の想像力が豊かすぎたのかもしれないと思い始めていた。

だが、家に辿り着くと、しばらくはあの病院の近くには行くまいと決心していた。


少し経ってから、あの病院の近くの地域まで来る用事があり、そこに行ってみると・・・・。

あの蓮の彫刻が入った建物があちらに・・・こちらに・・・と増えていた。

「!!!!」


ここで目が覚めた。





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