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不屈のHERO  作者: ポテ男
18/18

episode18

これで一旦終了とします。

まぁ、続きはあるんですが区切りが良かったので。

出来上がり次第続きを載せたいと思います。

誤字脱字が多いです、すみません。

不屈のHERO episode18


俺達が上の階に着くと部屋は刀傷と大小様々な窪みで埋め尽くされていた。そしてお互いに息を全く乱すことなく拳と刀を交わしている。師匠が俺達に気付くと千道を無理矢理突き飛ばし俺達の方へ下がった。

「冬月ちゃんは大丈夫なのか凌。」

「気絶してるだけだと思うんだけど師匠手伝おうか?」

「なぁ~に。すぐに終わらせて『みんな』で帰るぞ。」


episode18


師匠がそう言うと千道に拳を向けてこう言った。

「残念ながら冬月ちゃんは救出させてもらったぜ千道さんよ。俺達は上に行きたいんだがそこを無抵抗でどいてもらえないかな?」

「綾鷹よ。私がそれほど素直にここをどくと思うのか?」

「だよなっ!」

師匠は床を蹴り千道の間合いに何の躊躇もなく入り込む。それに対して師匠が入ってくるのがわかっていたかのように師匠の動きに合わせて刀を振り下ろす千道。師匠はそれを横に回転しながら避けるとそのまま裏拳を入れようと腕を振るう。千道はその拳を片手で受け止め腕を切り落とそうとするが師匠が足で刀を踏んでいる為刀を振るうことができなかった。だが千道は刀を離して師匠の背中に肘打ちを入れるがもう一方の拳で千道の肘を殴り相殺する。この時師匠の体制が崩れてしまい踏んでいた刀は解放され千道はすぐさま刀を拾い斬撃を飛ばす。師匠もそれに合わせて『閃空拳』を放つ。ぶつかり合う斬撃と『閃空拳』だが2つは互いを消し合うことなく弾き合い別々の方向へ逸れて行く。そして壁にぶち当たり刀傷と窪みを形成する。師匠と千道。どちらもが全力を出しているようには思えない。互いに手加減して攻撃しているように思える。

「凌!今の内に全員で外に出ろ!!」

「そんな事はさせない。」

千道が先に動く。離れていた距離が一気に縮み俺の目の前に立つ千道。そして容赦無く振り下ろされる刀。だがそれは俺に当たるこたはなかった。俺は手甲で、春は刀で千道の刀を防ぎ、大神は千道の手を抑えていた。

「今度はこっちの番だ!」

俺は片手ー振り上げる。それに合わせて春と大神が千道を前へ押す。すると上手く刀を弾かれた千道は腕を挙げた状態となっていた。

「『閃空拳』!!」

「『崩山掌』!!」

「はぁっ!!」

俺達の攻撃が次々と千道を襲うが千道はそれほど取り乱すことなくたった一振りで全てを消し去る。だが千道に隙が出来る。

「俺とやりあっていて良く余所見が出来るな!」

師匠が千道の真後ろに立っていた。千道は直ぐに振り返るが師匠は身体を半身にさせたまま肘を曲げた状態で拳を千道の腹にそっと置き片方の手をその拳に添える。

「『波状爆砕』」

添えていた手をゆっくりと後ろに下げながら腹に置いていた拳はめり込んで行く。見た目は全く効力がないように見えるが師匠ほどの達人になると0距離であろうと放たれる拳は人体を突き向けるほど貫通力がある。グッと力を込めていくと拳がドンドンと身体を侵食して行き千道の内部を圧迫して行く。そして拳が半分腹に埋まると師匠は曲げていた肘を伸ばし、引いていた肩を突き出す。それが一連の一瞬の動きとなり千道は突き飛ばされた。飛んで行く千道は人がトラックに跳ねられた様子を想像させるほど見事に飛んでいた。この技は破壊を目的とした技。打ち出された拳から波紋状に衝撃は広がり外に逃げることなく体内で反響し破壊し続ける。

「よしっ!行くぞお前達!!」

「おう!」

「はい!」

「よしゃ!」

千道がどうなったのかを確認することなく上に上がろうとした時目の前にあの藤堂が現れた。

「お主等だけはここから出してやりつもりはないぞ!!」

そう言うと左手に持ったスイッチを押すと何処かで爆発音が聞こえた。

「今この上にある屋敷を潰してやったわい!今度はここを爆発させてお主等もわしも終わりじゃぁぁぁ!!」

そして藤堂は右手を持つスイッチを押してしまった。俺が飛び出し顔面を殴った時にはスイッチは押されてしまっていた。突然部屋全体が揺れ始め何処からか何かが崩れて行くような音が響く。

「師匠!早く上に行かないと!」

「ああわかってんよ!!離れず付いてくるんだぞ!」

「了解!」

「了解です!」

「わかった!」

師匠が先導しながら上に上がって行くと崩落が始まる。そしてあの変態がいた長方形状のホールに着いた、後もう少しで外に出ることが出来るという時に天井が落ちてきた。俺の前を走る春は全く気づいていなかった。

「春っ!!」

俺は春を突き飛ばした。間一髪の所で春をあちら側にやることができたがかなりダメな状況になってしまった。先程落ちてきた天井がこの階の床をごっそりと落としてしまい俺側と春側でかなりの溝が出来てしまった。冬月を抱えて飛べる距離じゃない。それに俺1人でも飛べる距離じゃない。

「凌くん!」

「凌!」

「鏡見!」

3人共俺の名を呼ぶが俺が今出来る事は一つだけだった。

「師匠っ!!!」

冬月を力一杯投げ飛ばした。師匠は上手く冬月を受け止めて俺を睨む。

「お前はどうする気だ凌!ここまで飛べるのか?」

「飛べるわけないでしょうが!!今は冬月と春をここから脱出させる事だけ考えてください!!俺も………何とかして後を追いますから!!」

「凌くん……。」

「………わかった。」

「綾鷹さん?何言ってるんですか!凌くんを助けないと!」

「行くぞ春ちゃん。」

「ダメです綾鷹さん!凌くんを、凌くんを助けないとダメです!!」

「春!俺なら大丈夫だぞ!後でまた会おうぜ!!」

「大丈夫な分けないでしょだってこんなに離れてたらいくら凌くんだって!」

「大丈夫だよ。大神!春を抱えて先にここから脱出してろ!!」

「でっでも!」

「行けっ!!!!」

「………おう!」

大神は春をひょいと抱えて先に階段を登って行った。そして師匠は俺の事を睨見続ける。

「凌!ここでお前と会うのが最後になるなんて認めんからな!!俺の弟子なら生きてここから脱出して来い!そして直ぐに俺達に追いついて来い!わかったな!」

「了解っす師匠!」

「もし約束を守れなかったら破門だからな!それに加えて冬月ちゃんと春ちゃんに大きい声で言えないようなエロい事をするからな!!」

「絶対そんなことさせないからなっ!!」

「待ってるからな。」

「はい。」

師匠は冬月を抱えて上に上がって行く。俺は………。

「お前はあっちに行かないのか?」

後ろからの声。俺は直ぐに後ろを振り返り見るとそこに千道の姿が。

「見捨てられたみたいだな鏡見 凌。私と来るかい?」

「誰がお前と一緒に行くか!お前と一緒に行くぐらいなら俺が今からお前をぶっ倒してからお前から脱出方法を聞き出してここから逃げ出してやる!」

「そうか。だったらお前はここで終わりだ。理由はわかるだろ?」

「わかるかよ!『閃空拳』!」

俺は千道に襲いかかる。千道は俺の『閃空拳』を斬りそして俺の前に立ち首を持ち身体を持ち上げた。そして俺の腹に刀を突き刺した。

「がああああぁあぁあ!!」

「いい声だ。次はここだ。」

俺を床に叩きつけて右腕を踏みつけて掌を突き刺した。

「ぐぅっ!!!」

「声を出さないのか?」

「お前に聞かせてやるようなもんはないよ!特に悲鳴はな!」

「そうかい。」

千道は俺の腕をへし折った。そして次々に折って行った。右腕、左指、左腕、左右の足。動くことさえ出来ない中、千道は足で俺を仰向けに寝かせると。

「しゃべらないんならここを潰しておこう。」

そう言うと刀の鞘で俺の喉を突き潰した。もう声も出ない。その時目の前にテレビの映像のように色んな思い出が流れ始める。親父や母さんの顔。じいちゃんやばあちゃんの顔。心を惹かれた空手。初めて大会で負けた日。師匠と初めて会った日。師匠との修行の日々。高校に入学した日に出会った新上と宮瀬。そしてあの公園で出会った冬月や春。その後に出会った大神。色んなことが流れ終わったあと春の映像が流れ始めた。俺はその時思うのだった。

"俺は春の事が好きなんだな。無事に帰れたら告白しよう。もし成功したら飛んで喜ぼう。そして春が行った事がないような所を見て回ろう。はぁ、死ぬのかな。こんなことばっかり考えて見たことない未来の俺と春の映像が流れ続けてる。もし。本当に生きてここから出て春に会えたら抱きしめてもいいよな。"

「さあ、楽にしてあげよう。」

千道がそんなことを口にした後俺の視界は暗くなって行った。春とのこれからを流した映像も段々遠くに行ってしまった。そして光もなく何の感覚も感触もない真っ暗の闇に落ちて行った。


「大神くん!離してよ凌くんが!凌くんがっ!!」

「鏡見はそんなんで死ぬ様な奴ちゃう!鏡見のこともっと信じたれ!」

私は凌くんに助けてもらった。天井が落ちてきた時私はそのことに気づけなかった。あの時凌くんに背中を押してもらえなかったら私は今頃天井に押しつぶされていたかもしれない。

「着いたで!」

外は薄暗く。朝靄の様なものと砂煙が舞っていた。私達が直ぐに後に綾鷹さんと綾鷹さんに抱えてもらったお姉ちゃんが現れた。けどそれから待っても凌くんは戻ってこない。

「私……凌くんを助けに行く!!」

「ちょっと待てや夜城 春!!今行ったって犬死やで!」

「そうだぞ春ちゃん!俺が行く!!」

綾鷹さんが地下への入り口に近づいた時今までとは全く違う爆発が起きる。入り口からは火柱が上がりお屋敷のあったそこは地面を吸い込まれる様に沈んで行った。

「嘘だよね。嘘だよね凌くん。だって……大丈夫って言ったのに。大丈夫って言ったのに!!」

私の頬を流れる涙。止まることない涙。私は大声で泣いた。悲しくて苦しくて心が痛かった。そして日が登る。また新しい一日が始まってしまった。凌くんがいない一日が私達に訪れてしまった。


綾鷹は拳を強く握り、春は泣き崩れた。大神は強く拳を地面に何度も叩きつける。

その後冬月は目覚めた。身体は健全で記憶もはっきりしていた。春も大した怪我はなかった。大神は綾鷹の元に留まる事にした。ただこの4人に足りないのは凌と言う存在だけだった。4人はお屋敷跡で何日も何日も凌を探したが死体すら見つからなかった。そしてそれから3ヶ月経ち。凌は死んだこととして処理されてしまった。だが4人は凌が死んだと言う現実を受け止めることなく探し続けた。


ある施設の一室で目を覚ます男性が1人。

「ここは……何処だ。」

目を覚ませば目の前にあるのは真っ白な天井。そして真っ白に塗りつぶされた壁に囲まれた真っ白な部屋。

「ここは……何処だ?……俺なんでここにいるんだ?それより俺は………誰だ?」


完。


続きあるかもね。


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