冥府の支配者
ファンタジーならではの要素を合わせたゾンビファンタジー第二章。
起きるとそこは薄暗い洞窟だった。
「死んだのか?」
僕は言った。
「あなたも死んだんですか?」
リキが言った。
「ここはどこだ?」
ハンクは言った。
僕の姿を洞窟に出来た水溜りで見ると元の姿になっていた。
「いや僕はスパイクだ」
僕は言った。
「死んだから本来の姿に戻ったのかな」
僕は言った。
「お前がスパイクか? まぁいい、後で話を聞こう、それよりここは天国なのか?」
ハンクは言った。
そういえば、元の魂の姿になっている理由がわからない奴が多いだろうな、これは後でみんなに自分の事を説明する必要がありそうだ。
案の定みんなに説明すると驚かれた。
が、元々のスパイクを知らない人も多く受け入れてくれたのだ。
ひと段落したがわけのわからない状況だ。
「最悪だな、死んじまったみたいだな」
僕は呟いた。
「体がけだるいですね」
リキが言った。
「ただ広いだけの洞窟か?」
ハンクは言った。
「おや、新しい人かな」
人間の青年が近づいてきた。
「あんたも死んだのか?」
僕は言った。
「まぁな」
青年は言った。
「街の人じゃないみたいだが」
ハンクは言った。
「デッドコープスによって縛られた魂が来る冥府の空間がここだ」
青年は言った。
「あんた名前は?」
リキは言った。
「ローランドだ」
ローランドは言った。
「おい、ローランドってあの勇者ローランドか?」
ハンクが言った。
「スパイクの体だったら分かったかもしれないけど俺にはよく分からないな」
スパイクの体の情報が無いため僕にはさっぱりだった。
「大昔に世界を救った勇者だよ……魔王を倒した後行方不明になったって伝説だ」
ハンクが言った。
「確かに昔の第の魔王とやりあって倒したが、その後手下共にしてやられてこうさ」
ローランドが言った。
「ジャネットたちもこっちに来てるのか」
ハンクは言った。
「確かにさっき大量に新しい人が来たな」
ローランドの居る先を見ると人々が集まっていた。
「俺たちは死んだのか!」
ジャネットは叫んだ。
「いや、はや、もう少しマシな場所かと」
ハマーが言った。
「わかんねぇが街の奴は全員死んだんじゃないか」
グレッグが言った。
「いや、タイリーとボイルとグレッグは生きているはずだ」
僕は言った。
「いらっしゃいませー」
洞窟に声が響いた。
瞬時に現れたのは骸骨の顔とローブを着た、鎌を持った明らかに死神といったような者が現れた。
「いやぁ、魔王達はうまくやってくれたようだ」
死神は叫んだ。
「あいつは?」
僕は言った。
「デッド・プリンスだよ、ここの支配者であり元凶だ」
ローランドは言った。
「いやー、これで我の力も高まったというもの」
デッド・プリンスは言った。
「出してくれよ」
ハンクは叫んだ。
「いいよ、っていうわけなかろう」
デッド・プリンスは言った。
「ていうかここは、天国なのか?」
僕は言った。
「違うな、ただの冥府の中の空間だ」
デッド・プリンスは言った。
「なんてこった、一生ここにいるのか?」
僕は言った。
「いやそうでもないぞ、徐々に冥府の世界に魂は吸い込まれていく、行き着く先は消滅だ」
デッド・プリンスは言った。
「まじですか……」
リキは言った。
「胃の中にいるようなもんだな!」
ハンクは言った。
デッド・プリンスはその場から消えてしまった。
「おい、ローランドここから出る方法はないのか?」
僕は言った。
「ない……、わけではないが消滅を早めるだけ」
ローランドは言った。
「教えてくれ」
僕は言った。
「デッド・プリンスは俺らの魂の力を吸収して力にしているんだ、基本的に大きな能力はデッドコープスの力を契約した人、種族に与える能力と不死身しかない」
ローランドは言った。
「ふむ、つまり奴の力はそこまで強くないって事か?」
僕は言った。
「奴はいち早くの吸収を望んでいる、俺がここに着たときは、奴はデッド・ロードだった、デッド・プリンスは、そのデッド・ロードが昔自然と狩りの支配者との戦いで敗れた時に生み出した分身なんだ」
ローランドは言った。
「自然と狩りの支配者?」
僕は言った。
「魔王の罠により陥れられたネイチャー・ロードだ」
ローランドは言った。
「どうやって勝ったんだ? 完全なあいつは不死身な上に何か力を持ってそうだが」
僕は言った。
「ネイチャー・ロードの持つ力の決闘を使ったのだ」
ローランドは言った。
「決闘?」
僕は言った。
「ネイチャー・ロードは自然の闘いを司る支配者だ、全てを超越する決闘を行うことができるのだ、デッド・ロードももちろん知っていたが、冥府では勝てると踏んでいたのだ、結果奴は決闘で負けネイチャー・ロードの決めたその決闘の条件は冥府の支配者との戦いに勝利した場合冥府の支配者を倒し冥府から抜け出す……というものだ」
ローランドは言った。
「ここがこの話のミソだが、ネイチャー・ロードの決闘はその決闘の存在を知る者同士では再現されるのだ」
ローランドは言った。
「つまりどういうことだ?」
僕は言った。
「ネイチャー・ロードの決闘はこの世界を包括するルールを作るものだ、つまりそのルールを知るもの同士では適用される、つまりデッド・プリンスに決闘を挑んで勝てば……」
ローランドは言った。
「その決闘はどんなものだ?」
僕は言った。
「決闘の内容は冥府の支配者が決めるということになっている、そして冥府の支配者が勝った場合即敗者の魂は冥府の支配者に吸収されるのだ」
ローランドは言った。
「奴が……か」
僕は言った。
「おいデッド・プリンス」
僕は叫んだ。
するとデッド・プリンスが目の前に現れた。
「なんだ?」
デッド・プリンスが呟いた。
「決闘について聞きたい」
僕は言った。
「ふん、ネイチャー・ロードの残したルールをローランドから聞いたか」
デッド・プリンスが言った。
「やるならそうだな、今の我にはデッドコープスを使う魔力どころか戦う力すら無いからなぁ……、では御主等の仲間が生き残るかどうかを賭けて見るか?」
デッド・プリンスは言った。
「どれくらいの日数だ?」
僕は言った。
「1カ月だ」
デッド・プリンスは言った。
「ギリギリのラインだな」
僕は言った。
「分かってると思うが、これ以上は短く出来ないぞ、我もこれ以上弱体化はしたくない、不利な戦いだとしても御主等はここから抜け出せるチャンスがあるのだぞ?」
デッド・プリンスは言った。
「で、仲間っていうのはタイリーたちか?」
僕は言った。
「そうだな、あの3人が全員死んだら消滅……どうだ?」
デッド・プリンスは言った。
「だが、消滅か……」
僕は呟いた。
リキに相談するか……。
しかし……どうするか。




