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第一章終了話:忘却の隣人

 10日目の朝が始まった。

僕は身支度を済ませると門の外へ向かった。

リキとハンクは既に来ていた。

毎回僕より早く来る。


 リキとハンクは浮浪者じみた雰囲気が共鳴したのか良好な関係を築けている。

今日は、タイリー、ボイル、バーグの3人が物資調達に出る日だ。

思えばしばらくタイリーには会えないな。


 タイリー達が門の前に出た。

「じゃあ頼んだぞ」

僕は言った。

「ああわかってる」

タイリーは言った。

「まぁ任せとけ」

ボイルは言った。

「この若造の命くらい守れるさ」

バーグは言った。

三人は少量の身支度とリュックを持って街道を歩いていった。

「大丈夫かな」

僕は呟いた。

「わからないが……なんとか生き残ってほしいな」

ハンクは言った。

「まぁ、心配してもしょうがないですよ」

リキはいった。


 僕達がいつもどおり壁の周りを沿うように歩き近づいたゾンビを倒していると雲行きが怪しくなってきた。

「雨が降りそうだな、見張りはどうする?」

僕は言った。

「傘が倉庫にあったはずですよ」

リキは言った。

「ふーむ、振らなきゃいいけどなぁ」

ハンクは言った。

灰色の雲が空を覆った。


 「グオオオオ」

という叫び声が当たりに響いた。

地震が起こり視界が揺れた。

「なんだこれは? いったい誰がどうやって?」

僕は言った。

「わからないが、こんなに大きな力の衝撃は俺たちの親愛なる隣人しか考えられない」

僕達は嫌な奴らを思い出した。

「ああ、魔王なんて言葉いつのまにか忘れてましたが」

リキが言った。

「ノルドールの次は魔王か?」

ハンクが剣を抜いた。


 「あいつらの軍はゾンビ病の影響は受けていないのか?」

僕は言った。

「わからないですが、ある程度は打撃を受けていてほしいとは思いますね」

リキが呟いた。

雷が鳴り響く。

雨が降り出す。

黒色の煙が遠くから大量にこちらへ集まってきた。


 「何か来るぞ!」

僕は叫んだ。

煙は僕達のいる所へ衝突してきた。

煙は徐々に人の形を構成していく。

「げほ!」

ハンクが咳をした。

「定命の虫ケラめ!」

煙からそんな言葉が聞こえるとその煙は悪魔になっていった。


 「やる気か!」

ハンクは悪魔に切りかかった。

しかし悪魔は煙になって避けた。

「ちきしょう!」

ハンクは叫んだ。

「デッドコープス!」

悪魔がそう叫び空に手を上げた。

他の煙達も悪魔となり同じように呪文を叫んだ。


 「地面に魔方陣が……」

リキが言った。

空を見上げると一段大きな影が居た。

その影は空の中で形になり僕らの知る魔王の姿となったのだ。

「定命の者よ、まさか自分達で破滅させるとはな」

魔王の声は頭の中に響いた。


 「病は魔王が作ったんじゃないのか?」

ハンクは叫んだ。

「ほう、人間の癖に我に話しかけるとは、だが良いだろう、病は我も良く知らぬ、我とて定命を逃れたただの魂に過ぎぬ、状況は未知の一言だ、だが我らの目指すところは変わらない、人間が弱った今こそ、魔王による世界の統治が実現されるのだ」

魔王は言った。


 「てめぇ! 降りてきやがれ! やり方が汚いぞ!」

ハンクが叫んだ。

地面の魔方陣が光った。

「インコープス!」

魔王が叫ぶと僕達は地面に引きずられて行った。

「まじかよ!」

ハンクが叫んだ。

「抜けれませんね……最悪の終わり方ですよ」

リキが言った。

「人間の街を同じように襲ったのか……?」

僕は呟いた。


 「冥土の土産だ、転生者よ、烏合の衆と化した人間の集落はいとも簡単に陥落したぞ」

魔王はそう言ったのを聞いたスパイク達は地面に沈んだ。


 「新しい時代の始まりだ!」

魔王が叫んだ。


 人間達が病に負けず取り戻した街も魔王の非道な侵略によって無へと化したのであった。

街は冥府へと沈んでいった。


 人々は恐怖を感じ抵抗することなく魔王達に殺されたのだ。



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