ヲタヲタしてんじゃねェエエエエ!!その2
ウルカちゃんの家の中にあがった。内装はまるでドールハウス。ピカピカした装飾品に目が奪われる。
《んじゃ、ちょっとそこで待っててくれる? 今紹介したい人たち連れてくるからっ》
『はぁーい♡』
……おい。わかってんのか。
ここに住んでいるのは“アニメ関係のお兄ちゃん”と“ウルカちゃんの彼氏”だぜ。出てくるのは女ではなく、男と決まっているんだぜ。
それでどうして『はぁーい♡』なんて間抜けた返事ができよう。
「お前、わかってんのか? その、なんだ……ウルカちゃんはこれから男を連れてくるということを……」
『はぁ? 何を言っているのだね、ワ〇ソン君』
「ちょいちょいシリーズ違うけどいいのか。それに俺はいつからお前の助手になったってんだ」
《お待たせぇええ~♪♪♪》
現れたウルカちゃん……と2人の男。
俺の横でそいつらに対して敵意むき出しな麗果コス野郎。
《紹介するねぇ~♡こっちが、アタシのアニメ担当のおにーちゃん☆YOSHINYANって言うんだあ》
「どうも、はじめまして。YOSHINYANこと、恋川義春です」
よ……よしにゃん(*_*;
30代前半の平凡なスタッフごときがよくも抜け抜けと……。
それになんだか凄くイタイ。聖なるウルカちゃんになんて名前で呼ばせてんだ。コイツは。
スーツが煤けてるうえに、なんだか頭の頂がてかてかしている笑。
《YOSHINYANはねぇ☆アタシのグッズを開発しているのよぉ! このスカートだって、YOSHINYANが作ってくれたの!》
「いっやぁ~ウルカの笑顔が見たくってね……うふふ」
なんか……なんかやばくね?
このオッサン、なんかヤバくね??
「ウルカ、このスカートを穿いた時はな、あんまり走りまわったらイケナインダゾっ☆」
《どぉしてえ?YOSHINYAN?》
「だってなぁ、そのベリーショートのスカートを穿いて走れば、スカートの生地がめくれあがって、見せたくなくてもキミの大事な部分が見えてしまうだろう? 恥ずかしいだろう?」
なんだ、このオッサン…ヘンタイか(笑)
セクシュアルハラスメントか、オラァ。
ウルカちゃんもウルカちゃんだ。
《でもぉ、それがいわゆる“萌え♡”っていうもんなんでしょう??》
ああーもう。そんなこときかなくてもわかるだろ!?
いい加減気づけよウルカちゃん!
男のいいように利用されてるってことに気がつけよ!!
「うぅーん……ちょっと違うんだよなぁ。そうだ、じゃあオレが萌えというモノが何か証明してみせようか?」
そう言うなり、オッサンはウルカちゃんの腰に手をまわし、思いっきり抱きしめようとし……。
たところを、コス野郎に止められた。
勢いよくぶつかる男と男。
アツく生々しい口づけ……オェッ(-_-)
『おいお前! ウルカウルカって、そんな簡単にウルカちゃんのことを呼ぶな! それにお前にキスされたり抱きしめられたくらいで、ウルカちゃんはお前のことを好きになりやしない!』
おお。なんとも勇敢な。
……そのコスプレさえなければ最高だったのにな。
「なんとでも言うがいいさ。オレは……ウルカを愛している!」
『オレのほうが愛している!』
「いーや、オレのほうが3倍愛してるね」
『オレなんか5倍愛してるぜ』
「オレなんか……」
おいおい、お前ら。言い合うのは大いに結構だが、その。なんだ。
最初の値がゼロならば、良くも悪くも永遠にゼロだ。0に何を掛け合わせても、結局ゼロなんだよ。
それと、ウルカちゃんの現・彼氏が隣で聞いているというのを忘れるな(笑)
『ったく…本当にムカつく野郎だぜ』




