マニアとヲタクの定義。
二次元の女の子に恋焦がれる俺。
今日は美少女ゲーム『狩るマルチ』の発売日!昨日から店の前で並んでるぜーい☆
しかし、強力なライバルが出現する予定!?
どーする!俺!?
翌朝。
快晴。
俺は気持ちよく、簡易テントの中で目が覚めた。
今の時刻をMYデジタルウォッチで確認すると、朝の8時半チョイ前だった。
「いっけね。10時から販売開始なのに、あと1時間半しか余裕がねェよ!」
ワシャワシャと髪を掻きむしり、無駄にスニーカーの紐を結びなおす。
※そのときの俺は、なぜかテンパっていたので、今現在店の前にいることを忘れていました。
「マニア衆が、この機会を見逃すわけがあるまい…。なんてったって、あの『狩るマルチ』がこんな近場で手に入るんだからな…!それに限定10セット…お1人様何体とか制限がないから、買おうと思えばいくらでも買うことができる!怖い!コワすぎる…!!」
※これは全て俺の妄想です。ご覧の通り、心の声が外に出ちゃってます。
「ふ~…まあいい。勝負はこれからだからな…!俺は何としてでも、ウルカちゃんを守りたいんだ!いや…護るんだ!!¥2,500で、彼女を護ることができるなら、俺はいくらでも買おう!」
※ウルカちゃんとは、マジ狩る!戦士『マルチーズ』の一番人気のキャラクターである。俺の心の中で生き続けているのさ。
「それはそうと…なかなか敵が現れないな…。ココにはマニアやらヲタクやらはいないのか?」
しかし、その時だった!!!!!!
『ちょ―――――――――――っと待ったァ――――――!!!!』
ザザ―――――グィイギギギギギッギッ!!
「ななななんだ!?」
俺の視界に飛び込んできたのは、真っ白なフリフリのレースがついたメイド服。薄いピンクのエプロンを風になびかせ、さっそうとオレンジのママチャリに乗って現れたのは……
「アンタ、まさか……」
『そうだ!オレだ!さっさと名を言ってみやがれィ!!』
「ああ!え―――――っと」
……… ……… ……… ……… 。
『お―――――い?』
……… ……… ……… ………。
「スンマセン。どなたですか?」
がらがらがっしゃーん
「え…。俺が悪いの??」
『ぐぅをッ!!?』
チャリのサドルに格好良く腰かけていた男は、カッコよく地べたに崩れ落ちた…。
『お…おめェなぁ!!オレのこと知ってるんじゃなかったんかいィイ!!?』
「ああ、すまない。知り合いと顔が似てたもんで」
『オイ!人に謝る時は、ちゃんとカオを見て謝りなさい!』
「いやーなんかさ、謝る気力失せちゃって…テヘ」
『テヘじゃねェよ!いきなりタメ語!?お前なんなのマジで!!』
「その言葉そっくりそのまま返すわ!お前こそ、それがウルカちゃんコスだって言うのか?」
『そうだよ。ウルカちゃんはオレのものだ』
「いーや、違うね!彼女は俺のほうが好きに決まってる」
『その自身、どっからわいてくるんだァア!!』
「だいたいなぁ…男がそんなカッコして街歩いてたら、誰だってひくわ」
『えっマジか!?やっぱり!?』
「気づいてたんならやめろや」
『いやーだってさ、こんな滅多にない機会、逃したくないジャンよォ』
「ああ、それは俺だってわかるさ。マニアだからな」
『少しくらいハメはずしてさ、オレはヲタクだって証明したいジャン!』
「まあそんなの個人の勝手だけどよ…人様に迷惑かけるような真似すんじゃねえぞ」
『たとえばどんなだ?』
「そんなだ」
『こんなか?』
「ああ、そんなだ」
『こんな…か?』
ふわりと一回転して見せる青年。
「そうだ。そのうざったらしいウルカちゃんコスのことをさす」
『…ナシなのか。これは』
「勿論なしだ。それはきっとウルカちゃんにも失礼だろう」
『……』
「彼女のためにもきちんとした教養と常識を身につけて、もう一回出直してくるんだな」
『………』
「さ、もうすぐ販売開始だ。俺はスタンバってくるから」
……… ……… ………。
『じゃあこっちも言わせてもらうけどな、オレはお前がマニアだって認めねェよ!』
「なに開き直ってんだよ…。じゃあ聞くけどな、お前は一体何なんだよ…」
『オレか?オレはな…ウルカちゃんの救世主さ』
「サムっ」
『ちょ、おいまてっ!!オレはなァ、ただ』
「ただ何だよ、さっきから」
「コスプレしてくりゃあ、マニアだヲタクだっていう、そのスタンスこそが間違ってんだよ」
『プッ。靴の紐…玉結びしか結びできない奴に悟られたくないね』
「なんだとコノォ!!」
『やんのかコラァ!!』
びびびびびびびびびびびびびびびびびびびびびびびびびびっ
うぃーん
「いらっしゃいませェWWWW本日はァWWW美少女げーむが解禁されましたァWW」
喧嘩はあとだ!!いまはこの場をのりきらねばアカン!!
俺と見知らぬコスプレ野郎は、自動ドアめがけて走りだした。
つづきます。
完全に完全な感じですね。思いつくままにWRITE。




