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第53章:エイモン (Aemon)

雨足がさらに強まった。


(……どうして、これでうまくいくなんて思ったんだ?)


スネークは隣で泥にまみれて震えるブレイク(Blake)を見やり、他人の犠牲の上に成り立つ失敗の、あの特有の重みを感じていた。「……すまねえ、ブレイク」


ジェフリー(Jeffery)は無造作に手を伸ばし、鎖の留め金を外した。


「引き裂け」


ハイエナたちが飛びかかった。その瞳には不自然な光が宿っている――ただの動物ではない。ジェフリーが支配するすべてのものと同じ、汚染された重苦しい気配。それは、馴染みのある姿を借りた『怪物テラー』だった。


彼らの間に煙幕弾が投げ込まれた。


だが、ハイエナたちは速度を落とすことなくその中を突き抜けた。


そこには四人の影が立っていた。


モト、ナジョ、タナカ、そしてエイモン。


モトが手を差し出した。スネークはその手を取り、片腕で立ち上がった。


「……これのために戦ってたんだな」モトが言った。


「見ての通りだろ」スネークの声は掠れていた。プライドとは、そう簡単には捨てられない習慣だ。「あのアゴヒゲの親父は、血による支払いを求めてやがる」


モトは広場の向こう側を見据えた。ジェフリーは急ぐ様子もなくガソリン缶の上に座り、足元にはあの小犬。カズチ(Kazuchi)は風景の一部であるかのように、背後で微動だにせず立っている。二匹のハイエナの怪物が、周囲を旋回していた。


「どうしてだ?」モトがジェフリーに問いかけた。


ジェフリーは、答える権利などない者が質問をしてきた時の、あの冷淡な目でモトを見た。彼は答えなかった。


六人は雨の中、背中合わせに円陣を組んだ。モト、スネーク、タナカ、ナジョ、エイモン、ブレイク。


「俺の左側は使い物にならねえ」スネークが低く呟く。「これだけの数を正面から相手にするのは無理だ」


「……二手に分かれるぞ」モトが言った。「あのデカいのが――」


その時、エイモンが弾け飛んだ。


決断ではない。反射だった。暗闇の中に立つカズチの姿が、思考よりも古い何かを呼び覚ましたのだ。誰もが気づく前に、彼はすでに森の境界線へと駆け出していた。


広場に一瞬の静寂が流れた。ジェフリーはエイモンがいた空間を見つめた。それから二本の指を立て、口笛を吹いた。


群衆パックが分かれた。


一匹のハイエナの怪物が左へと剥がれ、ナジョとブレイクを追って木々の中へと突っ込んでいった。もう一匹は影の中に沈み込み、右へ逃げたエイモンの匂いを追った。そしてカズチが、広場の中央へと一歩踏み出した。


モト、タナカ、そして半分しか動けないスネークが身構えた。


森が鳴動した。


ブレイクの都会靴は、濡れた木の根の上で全くグリップしなかった。背後の怪物は、まるでこのために造られたかのように大地を駆け、跳躍するたびに距離を詰め、その顎が打ち鳴らされる音が木々の間を埋めていく。


ナジョが止まった。彼は泥の中に踵を叩き込んだ。地面から岩盤の壁が噴出し、怪物はそこへ真正面から激突した――壁は粉砕されたが、一秒の時間を稼いだ。


「行け!」彼はブレイクを前へ突き飛ばした。「走れ! 止まるな!」


ブレイクがよろめきながら前へ走る。ナジョは背後を振り返った。


怪物は即座に立て直し、下草をなぎ倒しながら、低く速い軌道で彼の喉元を狙ってきた。ナジョは走り、怪物を誘導しながら、森の境界線までの距離と奴の速度を計算した。彼は全力疾走のままオークの木の根元を蹴り、足裏から地面の感触を拾うと、花崗岩の板を上空へと打ち上げた――そしてそのまま、重力が問題を認識し始める前に、勢いに任せて幹を垂直に駆け上がった。


ハイエナは彼の足下の幹を噛み砕き、顎が樹皮を弾き飛ばした。ナジョはバックフリップした。


先ほど打ち上げた花崗岩の板が、落下してくる。


逆さまの体勢のまま、彼はその岩板を掴み取り、怪物の頭蓋骨へと叩きつけた。


――グシャッ。


泥がそれを受け止めた。念のために二枚目の岩板をその上に叩き落とした。それから彼は走り、ブレイクを見つけると、息をつく間もなく地面に深さ二メートルの四角い穴を穿った。「入れ」ブレイクがそれを見た。「いいから『入れ』!!」彼は厚い土の層で穴を塞ぎ、空気穴を開けると、継ぎ目に口を近づけた。「……静かにしてろ。必ず戻ってくる」


彼は身を翻し、激しい戦闘音が響く中心部へと走り出した。


広場では、カズチが全く衰える気配を見せていなかった。


スネークの毒蛇たちが噛み付こうとしても、その皮膚はそれらをことごとく弾き返し、黒曜石の爪はタトゥーが触れた瞬間にそれを切り裂いた。モトは雨の中、剣の防御側を使いながら、煙で敵の感覚を狂わせようとしていたが、雨が大きな障害となっていた――彼の広範囲爆発には乾燥した空気が必要だが、今の彼にはそれがなかった。あらゆる攻防が、借り物の時間に過ぎなかった。


スネークが新しい切り傷から血を吐き出した。「……あいつ、ちっとも鈍らねえぞ」


タナカは戦闘の端で動き回り、データのどこかに答えがあると確信している者の鋭い眼差しで、怪物の行動パターンを追っていた。


エイモンは崖っぷちの近くにあるオークの木に背中を押し付けていた。追跡の音は止まっていた。


……それが、余計に恐ろしかった。


「無理だ……こんなの……」彼は震えながら、ひどく小さく呟いた。呼吸が乱れる。「どうしてあいつは、いつも俺たちをこんな目に――魔物と戦うなんて、聞いてないぞ……」


(一人じゃ、数秒で死ぬぞ)


助けが必要だった。どんな助けでも。


「グリレット!」彼は目をきつく閉じた。「頼む、今すぐ出てこい!!」


沈黙。


何も、返ってこない。


「……いいよ」彼は歯を剥き出しにした。その絶望の裏側には、勇気にも似た激しい怒りが宿っていた。「だったら、勝手にそこにいろ!」


彼はポケットから六枚葉のハーブの袋を取り出し、ライターをカチカチと鳴らした。火花は散るが、濡れた空気の中では炎にならない。何度も、何度も試す。


音よりも先に、匂いが届いた。煙ではない――腐敗臭だ。古く、絶対的な朽ちた匂い。長い間何かが間違ったまま放置されてきたような、あの異臭。それが、木の背後から彼を包み込むように漂ってきた。


ライターが手から落ちた。


彼はゆっくりと顔を上げた。


二匹目のハイエナの怪物が、彼の頭上の空間を埋め尽くしていた。顎は鼻先数センチの距離にあり、その瞳はこれを楽しむ者特有の邪悪な光で燃えていた。


エイモンは、走った。


怪物は壁のように彼の後を追ってきた。枝が顔を切り裂き、肺が焼け付く。背後には、一歩ごとに怪物の吐息が迫っていた。


木々が途切れた。


彼は泥に踵をめり込ませて急停止した。小石が足元から虚無へと転がり落ちていく。断崖絶壁。下の峡谷が、石の落ちる音を飲み込んでいた。


怪物が飛びかかった。


エイモンは考えなかった。重心を落とし、襲いかかる顎を両手で受け止めた――指を影のような毛並みの奥深くにめり込ませ、その衝撃に腕を震わせながら。彼の踵が、崖の縁から滑り始める。


一インチ、また一インチと足場を失っていく。


森の隙間越しに、広場の向こう側からモトがその光景を捉えた。


彼の心臓が跳ね上がった。アリーナ。境界線。エイモンの片足が宙に浮いている。

(またか……また、あんな思いをさせるのか!)


遠すぎる。間にはカズチがいる。辿り着く術がない。


エイモンは遠く離れた場所から、モトの目を見つけた。


モトとリリーの戦い。柔道の投げ技。――勢いを利用しろ。


彼は、抵抗をやめた。


怪物の頭を引き寄せ、腰を回し、全身の力を咆哮と共にひねり出した。――そして、投げた。


怪物は崖下へと消え去りながら悲鳴を上げたが、その声もすぐに暗い峡谷へと飲み込まれた。後に残ったのは、ただ雨の音だけだった。


エイモンは崖の淵に立ち、ただ一人、震えながらも生きていた。彼は振り返り、遠くのモトを見た。モトはまだカズチの攻撃を受け流しながらも、視線を逸らさず、エイモンを……誇らしげな、本物の笑みを浮かべて見つめていた。


エイモンの顔が、複雑な感情に歪んだ。それは、まるで『見てたかよ?』と問いかける弟のような表情だった。


その背後に、緑色の影が具現化した。


煙ではない。――闇だ。冷たく、重く、殺意に満ちた闇。


そこから現れたグリレットの顔は、いつもの皮肉めいた笑みではなく、もっと生々しく、醜い何かに歪んでいた。純粋で、燃え盛るような『憎悪』。

エイモンは自分を拒絶した。エイモンは自分なしで生き延びた。エイモンは『モト』の技を使い、そして勝ったのだ。


グリレットは、エイモンの背中にその掌を置いた。


――そして、突き飛ばした。


エイモンの悲鳴が夜の闇を切り裂き、峡谷の壁に反響しながら響き渡った。闇が彼を丸ごと飲み込んでいく。


その声は下へ、下へと遠ざかり、やがてぷつりと途切れた。



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