第十五話 第一部 甲子園のグラウンドへ
亜弓「うわぁ…すごい。」
由紀「これは迫力あるね。」
私たちは改めて甲子園のグラウンドに立った。応援席などを見渡すと広く、人がたくさん入っていた。こんなところで試合をやるなんて…私、震えが止まらなくなってきそう。
日下部「よし、キャッチボール始めるぞ！！」
皆「はい！！」
府中「グラウンドの感覚、つかんでおけよ！ それと日高、友亀！ 二人はピッチングだ！ 館川も投げておけ！」
館川「はいっ！」
一斉に走り出して外野でキャッチボールを始める。相手チームもキャッチボールを始めていた。私はその様子を見ながらブルペンへと移動する。
友亀「調子はどうだ？」
亜弓「ちょっと緊張しています。でももうすぐ始まるのですよね。」
館川「頼むぞ、先発なんだからよ。」
私は声をかけられながらキャッチボールを始めた。緊張のせいで全力投球ができなくなったらどうしよう。でも今はそんなこと考えている場合じゃない。思い切り投げれる、そう信じていれば投げられるはず。
バシーーン！ バシーン！！
友亀「すわるぞ。」
友亀が座る。私は構えるミットめがけて腕をしならせ…。
シュゴオオオオ ズバーーン！！
友亀「ナイスボール！！」
館川「相変わらずノビがすごいな。」
ミットへと綺麗におさまった。今日の投球は出来ている。なら本番では絶対に打たれないように常に全力で抑えるだけ！
永瀬「っし！」
シュゴオオオズバーーン！
緒方「ナイスボール！！」
岸蔵「エンジン全開じゃねえか。気合入っているな。」
永瀬「そりゃ相手の投手見てみろよ。」
バシーーン！！
緒方「良い球投げるなー。あれが女子だなんて考えは完全に吹っ切れたな。」
久保「特にストレートにいたっては一球品だな。あれほどのストレート、しかも一年でなげらる奴はそうはいない。」
永瀬「だけど俺だって負けられないからなっ！」
シューーー ズドーーン！！
緒方「ここまで来たなら優勝だな。よっしゃ、もう一球！！」
