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傍聴〜判決

その後、何度となく文通し、幾度か面会をした。


文通をしていくうちに、彼が哲学にはまっていったことをしる。


彼自身、ある作家と手紙のやりとりという形で、哲学の本を出している。


しばらくの間、手紙の内容が哲学の話ばかりになり、だんだんと彼が、私の知らない彼になっていく気がした。


何年かたつうちに、私は結婚し妊娠、出産をした。


その間も、前よりは頻度は減ったものの、文通は続いていた。


彼は原稿料や印税が入ると私に現金書留で送ってきて「自分が殺してしまった被害者の人たちの名前でユニセフに寄付してほしい」と頼むのだった。


何度か私は手続きをして、領収書を返送した。


裁判に出向いたこともある。

彼の判決がおりる日には長蛇の列ができ、傍聴は抽選になっていた。


私は抽選にはずれ、判決の日は傍聴できなかった。


そして死刑の判決。


上告することはしない・・・と罪を受け入れる彼だったが、死刑確定後は親族のみしか連絡をとれないということで、執筆中の本が半端になることもあり、説得されて上告した。


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