東京拘置所
地下鉄日比谷線直通の電車に乗り、小菅駅で降りる。
改札を出て右、すぐの大きな通りを左に進む。
上には高速が走り、道の先には河川敷の土手が見える。
歩く人がほとんどいない道。
横を通るのは大型のトラックばかり。
5、6分歩くと拘置所のレンガの壁が見えて来た。
面会の入り口は壁つたいに左に曲がり、さらに3分ほど歩いた突き当たり。
壁の反対側には民家が広がる。
面会入り口近くに『差し入れ屋』なる商店がある。
右翼の装甲車、そのメンバーと思われる人たちが数名集まっていた。
古びた門を入るとすぐに仮設のような受付待ち合い室があり、そこで用紙を記入し番号を呼ばれるまで待つ。
用紙には面会希望相手の名前と、自分の名前や住所、電話番号、相手との関係を書く欄がある。
用紙を記入して、受付に渡すと私の顔を見て用紙をチェックし、番号札が渡される。
番号が呼ばれるまでの間、重い空気に緊張する。
落ち着かない。
やっと番号が呼ばれ、本館に向かう。
本館では手荷物検査を受け、携帯などはロッカーに入れるよう支持をうける。
セキュリティゲートをくぐって渡り廊下を渡ると、田舎の駅か、分校のような古びた待ち合い室が。
その一角には、差し入れの受付があり、そこで差し入れの手続きをする。
駅のベンチのような木製の椅子に座り、さらに番号が呼ばれるのを待つ。
何番は何号室・・・と放送が入る。
木の廊下を歩き、番号のついたドアの真鍮のノブを回し中に入ると、アクリル板で仕切られた部屋に椅子が2つ。
1つに座り待つ。
アクリル板の向こう側のドアの前で止まる足音。
ドアが開いた。




