EP・4 昼休み
「神裂君…ありがとぉ〜〜…」
「いやいや、転校初日だから仕方ないでしょ。」
笑いながら言ってくれる神裂君が眩しいぜ。
そう、私は見事に忘れていた。学校の教材がまだ届いていないということに。
手配自体はされている様だが、手元に無いので絶望していた私に神裂君が教科書見せてくれたのである。
いやはや、隣が神裂君で良かった。
と、それは一旦置いといて。どうやって神殺しを探すかな。
私が天使の力を使うのが一番早いが、使うと一定時間ルナ様の『隠理ノ法』の効果が無効化され、私の姿が元に戻ってしまう。
神殺しがこのクラスの人の中にいるという所まで絞れているけど…。クラスの人の異能はまだ聞いていない。聞くにしてもお昼ご飯食べるグループがもう確立している状態で知り合い無しに会話に混ざるのは私的に辛い。
まてよ…そうか、屋上なら姿を見られる事も無いだろうし、そこで天使の力を発動させればいい。
そうと決まれば早速昼時で賑わう教室を抜け、階段に向かう。幸い私のクラスの教室は階段に近い。
更に次の階、つまり四階に当たるのが屋上なので先生に出くわす事もなく、屋上への扉に辿り着く。魔法紋が彫られているので何らかの鍵がいるのかな。
「あれ、開いてる?」
まぁ、好都合だ。扉を押し開ける。
キキィーーーー‼︎
扉が音を立てて軋む。やっちゃったよ…。
後ろに気配はない。どうか屋上に誰もいませんように…
今度こそ音を立てずに扉を閉め、屋上を見渡す。
「誰もいない…?し、何もないな、でも風が気持ちいい」
とはいえずっとこうしている訳にはいかない。屋上の大体中心に行き、力を解放する。
「『天使ノ眼』を発動」
私の言葉と共に、黒髪からから白銀髪に。黒目は澄んだ青目に。背には羽根、頭上には光輪と私の姿が元に戻る。
天使ノ眼が発動したのを確認し、まずは真下を見る。
建物を透かして、校舎内の生徒の名前、部位の大きさや強度といった身体情報、異能、おおよその力量といったあらゆる情報がさながらステータス画面みたいに生徒の近くに表示される。
うーん、天使ノ眼は誤魔化しが効かない筈なんだけどな。校舎内には神殺しらしい異能を持つ者はいない。探知範囲を広げるかな。そう思った時。
「え!?」
屋上に一人、誰かの反応がある。まずい、今私は屋上の中央にいる。この位置は屋上の何処からでも丸見えになる。
私に関わらせる訳にはいかない。不幸にするだけだ。
最悪記憶の消去も考えなくてはいけないかもしれない。何にせよまずは話し合いを…。
そう思い反応を探すと、
「出入り口の小屋の裏か」
呟き背中の羽根を動かす。低空飛翔で小屋の裏に着地する。ボサっとした髪に隠れた、優しい光を持つ瞳と目が合った。神裂凪が、そこに居た。




