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EP・3 日ノ本中央異能学院

翌日、私は指定されていたマンションの一室に転移する。

この後このままこの世界の学校『日ノ本(ひのもと)中央異能(ちゅうおういのう)学院(がくいん)』に向かわなくてはいけないので手早く着替えを済ませる。

その後部屋に何があるかの確認のため物色していると、


「いや、こんな沢山の服あっても着ないよ…?」


ルナ様の好意なのか、部屋のクローゼットにはお洒落な洋服が沢山。

全く使わないとは言えないが着ないよ…多分…。

その後、冷蔵庫を開けてみるとこれまたいろんな食べ物がぎっしり。天界の住人は食事を取らなくても餓死することはないが、お腹は空く。


「おいしそう…」


ひとりでに口から漏れる言葉にハッとする。天界は戦争中だ。当たり前だが殆どの住人はまともに食事など取れていない。

ルナ様も民間人に物資を回すため、あまり食事はしていないと聞く。あの時のクッキーもとんでもないレア物だ。正直言ってこんな沢山の食べ物を独り占めというのは気が引ける。

……いや、私任務あるし?空腹は任務に支障がね?でちゃうからね?でるんです!と勝手に一人問答して納得しておく。

さて、とりあえず部屋はある程度見たし、まずは学校に行かないと。

マンションを出て、事前に頭に入れた学校までの道のりを辿る。

意外にもすぐに到着するが、学校は敷地も随分な広さを持つ様で危うく敷地内で道に迷いかける。

どうにか校舎に辿り着き、昇降口に入ると男の先生が声をかけてきた。


「君が天羽さんだよね、君の転入するクラスの担任の御玉刀継(みたまかたつぐ)です。よろしくお願いしますね、天羽さん。」


優しげな先生だ。手を差し出されたので握手を返し、私も挨拶する。


「おはようございます、御玉先生。こちらこそよろしくお願いします。」


「はい、よろしくね。それでは教室まで案内するから、靴は履き替えて、そこの下駄箱に閉まってね。番号が…四十の所かな。」


「わかりました!」


靴を脱ぎ、学校指定の上履きに履き替え、自クラスの下駄箱の指定された番号に靴をしまう。転校したばっかりの(設定)はずだが既に準備されているのにはびっくりした。対応が早い。


「靴を入れられたら私についてきてください。教室まで案内しますね。」


先導してくれる御玉先生についていく。教室は三階のようでつくまでの間にこの学校の設備などの話をしてもらった。

どうやらこの学校にはかなりの数の施設があるようで、聞いただけの施設だけでもすべて使うにはかなりの期間が必要かもしれない。

とはいえ、今はわざわざ全てを使うことは考えなくていい。そもそも神殺し探しにそこまで時間を割くわけにもいかない。

と、御玉先生が振り返って言う。


「ここが私が担当しているクラスですね、入ったら…そうですね、自己紹介ということで、名前と、自分の異能の説明をお願いしますね。」


「はい、わかりました。」


そうだった…転校生なんだから自己紹介くらいしないとだよね…

先に教室に入った先生が話す声が聞こえる。あーだめだ、緊張してきた。

そしてとうとう先生に呼ばれる。仕方ない…覚悟を決めよう。そう思い教室に入る。扉を開けて入った瞬間、視線が私に殺到する。大きく息を吸って口を開く。


「初めまして、天羽澪音です。使用異能は『加護』です。よろしくお願いします。」


嘘ではない。私には喇叭の他にもう一つ、能力がある。任意の対象に加護という形で強化や覚醒を施すことができる。

死から遠ざける力。

喇叭とはある意味対極の力だ。この力には二段階目があるけど、その発動条件を私が満たせる日は来ないだろう。


「よし、みんな仲良くしてやってくれ〜。そしたら天羽さん、えーと席が、そう、そこ。神裂凪(かんざきなぎ)君の隣だな。」


「わかりました。」


そう返して席に向かう。隣の席の神裂君はこちらを見ることなく、窓の外を見ている。


「えっと…神裂君、よろしくね?」


「うん、よろしくね、天羽さん。」


思っていたよりもフレンドリーだ…。互いに挨拶したところで、御玉先生の号令がかかる。


「それでは授業を始めます。」


学校どころか勉強すら久しぶりな私がついていけるか不安だったけど、歴史なら、まずは聞いてれば大丈夫か、と思っていた。先生の話が続く。


「〜であるからして、我が校を含む八校が結束し、この学院を設立したのです。では、教科書の百二十四ページを開いてください。」


よし、指示通り教科書を、あっ教科書無い…どうしよう…。

EP2との同時更新となります!

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