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一通り動きを確認した後、ホバー移動およびスラスターでの短距離飛行を試す。
こちらも問題なく使いこなせたな。
なんだかマチルダさんが静かなんだが…ガイダンスに従い、操作を続けますかね。
お次はっと、実剣による模擬戦?
無人の人形兵器との対戦らしい。
ってもな、単調かつ緩慢な動きだから簡単に避けれるし、攻撃を当てれるな。
次は銃器にて的を撃つ。
これも容易く的を射抜くことができよ。
俺の実力というよりは、サーシャムの性能に助けられての結果だろう。
次にビーム兵器を。
ライフルとサーベルだな。
さすがはゲームと言うことか。
現実には実在しない兵器まで登場したぜっ!
こちらも思う通りに操ることがな。
威力はビーム兵器の方が上だが、エネルギー消費が激しく、長時間の活用には向かないらしい。
っと、ガイダンスが終わったんだが…これからどうすれは?
そんなん思ってると、マチルダさんがな。
「アキラ少尉殿!
本当に初めての騎乗で?」ってな。
初めての騎乗っうのは、サーシャムへ、っうことだろう。
俺はトライポッドおろか、バトルスーツさえ纏ったことさえない。
自動車の運転が精々だ。
っても、ペーパードライバーだがなっ!
だからさ。
「もちろん初めてだが?
なぜ、そんなことを」って、逆に尋ねたさ。
したらさ。
「初めてで、ここまでサーシャムを操れるなんて…」っう感じでブツブツ呟いて答えてくれないんだが…はて?
「どうかしました?」って、声を掛けたらな、ハッっとしたような感じでな。
「失礼いたしました。
サーシャムを操縦するための訓練課程は完了となります。
これより基地周辺を巡っていただく、巡回訓練を行っていただきます。
基地周辺へも、敵方が配備した無人戦闘機が徘徊している場合があります。
くれぐれも気を抜かず用心願います」
そのように指示され、俺はサーシャムを基地外へと。
基地内ではホバーやスラスターを使用せず、歩みでの移動だったが、基地の外へ出た後はホバーでの移動となる。
滑るように高速移動するため、流れる景色がスピード感を感じさせ気分を高揚させる。
っと、んんっ?
何かが居たような…!!
何かが跳んで来たっ!?
とっさに避けたが…機械?
「敵方の無人戦闘機です!
迎撃願います」っと、マチルダさん。
コイツが、そうなのか…
サーシャムの膝くらいの体高だろうか?
四つ足で走るネズミに見えるのだが、明らかに機械の体である。
チョコマカと動く動きは速く、頻繁に飛び掛かって来る。
それを避けて実剣にて切り裂くと、切り裂いた箇所からスパークしつつ誘爆を。
咄嗟に飛び退り避けたので被害はなかったのだが…
「誘爆にて、近隣の敵方無人戦闘機がリンクしましたね。
周囲から集まって来ます」って、マチルダさんが冷静にな。
っか、勘弁してくれやっ!