0069
新たな家での一夜が明ける。
うーん、良い朝だ。
新たな寝室のベッドはキングサイズでなぁ。
しかもクッションが適度に効いてるんだわ。
体のラインに合わせてマットの形状が変わるんだぜ。
だから体に対する負荷は皆無ってな。
過去にウォーターベットてぇのがあったそうなんだがな、その類似品…いや、発展型か?
特殊な液体が、適度な硬さで形状を変えて体を支えてくれるんだわ。
その液体を内包するマットの生地も、実に肌触りが良くてなぁ。
しかも低周波の振動がマットに流れてて、これが程よい眠りへと誘う訳だ。
掛布は羽毛布団。
だが、室温は適温に保たれているため、無くても問題ないがな。
寝る前に入った風呂もな、睡眠欲を誘発してくれた見たいなんだわ。
いやぁ、凄くスッキリしたぜ!
前の会社近くのビジネスホテル。
アソコの寝具が最高だと思っていた。
いたんだが…うん、超えてんぞ、これ。
寝巻きも試供品で用意されてたのを着たんだが、これがさぁ、また良いのよ。
肌触りもだが、寝心地がさ。
布団なくても、この寝巻き着たら床でも寝れそうだ。
風呂、寝具、寝巻きのトリプルコンボにて寝たからさ、実に清々しい朝となったよ。
さて、寝室からの経路にて風呂場へ行くかね。
ん?
何しに?
そら、風呂へ入りに行くに決まってるわさ。
この家の風呂は、ホームサーバーがドロイドを使用して管理している。
故に24時間、何時でも入れるからな。
昨日入った風呂だと、また、眠くなるかな?
まぁ、休みみたいなものだから、眠くなったら寝れば良いか。
そんなことを思いながら、擬似温泉へと。
いや、薬湯なのか?
温泉の元と薬草を、湯へ溶かし込んでるんだとさ。
っか、ん?
眠くなるどころか、目が冴えて来たんだが…はて?
「湯の効能が変わったのか?」っと、呟いたらな。
『夜と朝、昼とで、湯を入れ替えておりますから。
湯は浄化液にて浄化して、再利用しておりますけど』
そんな応えが、ホームサーバーからな。
いや、尋ねてないのだが?
スッキリと目覚めた俺は、部屋へ戻り着替えを。
っか、クローゼット室が隣接しとる、だ、とぉ!
うわぁおっ!
俺の服以外に、試供品との名目で支給された衣類がな。
これ、俺が持ってる衣服よりも、遥かに上等なんだが?
俺の衣服は、ユナシロやGMとか、しむら、なんかで買った品も多い。
まぁ、いわゆる庶民の衣服やね。
試供品てぇのは、下手なブランド品を凌駕しとんじゃね?
これ…俺が着るんかい?
戸惑ってると、ドロイドが現れて着替えを手伝ってくれた。
あー、女性型で美人さんだから、ちと照れるなぁ。
まぁ、相手は機械なんだがな!
っか、リアル過ぎてな。
最早、人としか思えんのだが…
まぁ、感情はなく、サーバーが操る端末に過ぎないがな。
それにサーバーも思考力はあるが、想像力や工夫などは行えない。
画一的なことしか出来ないのさ。
っても、家のホームサーバーは例外だがな!
だからって、ヤケに人間臭い仕草をドロイドにさせんじゃない!
ドキッとしたわっ!
して、コーディネートされた衣服を纏い、姿見で確認したんだが…誰、これ?
馬子にも衣装とは、良く言ったもんだ。
上手くコーデされた衣服で、まるで別人だわ。
別に出掛けるつもりも無いんだがなぁ。
着替えて食堂へと。
ダイニングに着くと、朝飯がな。
和食かぁ。
ホームサーバーだな。
アイツは、俺の思考を把握してっからなぁ。
俺は気分で、和洋食を切り替えた朝食をチョイスする。
時には朝粥てぇ時もな。
白粥ではないぞ。
鶏ガラスープの粥とかな。
時にはウドンや蕎麦の場合もあるし、カレーてぇ時もな。
まぁ、体調にもよるんだが。
そんな朝食を用意してたのが、家のホームサーバー様な訳で。
俺の思考なんぞ把握済みらしい。
うん、旨し!




