序章
2026/1/2 全体的な構成を見直し微修整を行なっております。
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現実世界の殺人事件はつまらない。
こんなことは日常茶飯事で、何の面白味もない。誰かが誰かを殺す理由に、大した物語などない。
どうせ今回の事件も、そんなくだらなくて欠伸が出るようなものなのだろうと、審馬匠警部補は確信付いていた。
ーーはずだった。
ヒール靴の音が周囲に響き渡る。その音に反応するように、集まった捜査員達は玄関の方へと視線をやる。
家の中から警察官に囲まれた女が歩いてくるのが見えた。パトカーに体を預け腕を組む審馬の方へと、彼女らはゆっくり近付いてくる。
女と目が合った気がした。その瞬間、審馬は体の中から湧き上がってくるような高揚感を覚える。
美しき殺人鬼。結婚し、中学生ほどの大きな子供がいるとは思えないほど、この女は容姿も佇まいも洗練されている。
そんな女が、真っ直ぐ審馬の目を見ている。
気付けば無意識に唇を舌で舐めていた。
「最っ高に良い女じゃねぇか」
退屈?そうだ。きっと退屈だ。どうせこの女の動機もくだらない。
だがそんなものを跳ね除けるくらい、正義の宿る目をした「イイ女」だ。
家族を皆殺しにしておいて正義面ができるこの女は、果たしてどんな声で鳴くのだろうか?
次回投稿は5/25(日)
を予定しております。




