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徹夜続きのゲーム開発者、気づいたら自分が作ったはずの文明調律RPGに転移していました 第五部  作者: マスター


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第72話 作った道は、直さなければすぐ壊れる

第72話です。


第71話では、雨後のぬかるみを扱いました。


《雨だれ筋》で屋根から落ちる水の場所を決めても、人が何度も歩く場所は泥になります。


清め場前。


寝床くぐり。


夜道の入口。


そこがぬかるめば、泥は足について、また寝床へ戻ってしまいます。


澪たちは、《歩き床》を作りました。


平たい石。


古い床板。


荷車板。


誘導石。


渡し板。


まずは、全部の道ではなく、最初の一歩、三歩、五歩だけを守る。


その小さな足場で、泥の戻りは少し減りました。


しかし、作った道は人が歩けばずれます。


雨が降れば沈みます。


板は滑り、石は土に埋まります。


今回の条件は、


《作った道は、直さなければすぐ壊れる》


今回は、歩き床を作って終わりにしないための、見回りと直す係を扱います。

朝の外縁避難居住帯で、最初に壊れたのは板だった。


清め場前に置いた古い床板。


昨日は、泥を避ける小さな道になっていた。


けれど、一晩で端が沈み、片側だけ浮いている。


子どもがそこへ足を乗せた瞬間、板ががたんと跳ねた。


「わっ!」


ライカがすぐ支える。


「危ない!」


神代澪は駆け寄り、板の端を押さえた。


「昨日は大丈夫だったのに……」


ミルカがしゃがんで見る。


「人が何度も踏んだ。下の泥が逃げて、板が傾いたんだ」


調律核が黄色く点滅する。


《歩き床:反復使用》


《板ずれ:発生》


《平石沈下:一部発生》


《夜間転倒リスク:再上昇》


《維持係:未設定》


《条件候補:作った道は、直さなければすぐ壊れる》


リーネがため息をついた。


「作っても、すぐ壊れるんですね」


「はい」


澪は頷いた。


「でも、壊れるのは失敗ではありません。使われている証拠です」


ライカが首を傾げる。


「使うほど壊れる?」


「はい。だから、直す人が必要です」


セラフィナが記録板を開く。


「作業名を設定しますか」


澪は沈んだ板を見た。


道は、完成品ではない。


使いながら直すものだ。


「《道なおし》」


セラフィナが記録する。


「《道なおし》、開始します」


***


《道なおし》で決めたのは、簡単なことだった。


朝に見る。


昼に見る。


雨の後に見る。


夜の前に見る。


まず、それだけ。


見ない道は壊れる。


壊れた道は、泥を戻す。


澪は絵板に四つの印を描いた。


朝の太陽。


昼の椀。


雨粒。


夜の灯り。


「この四つの時に、歩き床を見ます」


リーネが頷く。


「朝、昼、雨の後、夜の前ですね」


「はい」


ミルカは、直す場所を三種類に分けた。


青直し。


すぐ戻せるもの。


石を少し動かす。


板の向きを直す。


砂を足す。


黄直し。


二人で直すもの。


沈んだ板の下に小石を入れる。


渡し板を掛け直す。


赤直し。


今は通らせないもの。


板が割れている。


石がぐらつく。


溝に落ちそう。


そこには赤札を立てる。


「壊れた道にも赤黄青」


ライカが言う。


「はい」


澪は即答した。


「踏んでいい場所と、直す場所を分けないと危ないです」


ノアが絵板を持って声を張る。


「赤札の道は踏まない! 黄色は直してから! 青は通れます!」


サヴィが腕を組む。


「だんだん町の案内役みたいになってきたな」


「ありがとうございます!」


「褒めたことにしておく」


まず、清め場前の板を直した。


板を外す。


下に小石を入れる。


泥を少し逃がす。


板を戻す。


端に平石を置く。


踏むと、今度は沈みにくい。


調律核が青く反応する。


《清め場前歩き床:修正》


《板ずれ:低下》


《転倒リスク:低下》


小さな修理だ。


けれど、そこを通る人の足取りは変わった。


***


昼前には、道なおし係が作られた。


リーネが外縁居住帯の人々から声をかける。


力のある大人だけではない。


子どもも、高齢者も、それぞれできることがある。


石を持つ人。


砂を足す人。


赤札を立てる人。


ずれた板を知らせる人。


道具を戻す人。


「子どもにやらせるのか?」


男が不安そうに言う。


澪は首を振った。


「重いものは大人です。子どもは知らせる係です」


ノアが胸を張る。


「見つけたら呼ぶ係です!」


「そうです」


ミルカが道具置き場を作る。


棒。


小さな鍬。


砂袋。


小石籠。


赤札。


黄札。


縄。


「道具も置きっぱなしにすると、つまずく」


「道具置き場にも線がいるんですね」


澪が言うと、ミルカは頷いた。


「いる。道を直す道具で、道を塞ぐことがある」


ライカが苦笑する。


「ありそう」


道具置き場にも絵板が立った。


使う。


戻す。


壊れたら赤札。


これだけだ。


いきなり細かくしない。


続くことを優先する。


調律核が青く光る。


《道なおし係:形成》


《朝見回り:開始》


《赤札・黄札:運用開始》


《道具置き場:形成》


《歩き床維持率:上昇》


***


午後、雨が少しだけ降った。


短い雨だった。


けれど、歩き床の弱い場所はすぐ分かった。


夜道入口の平石が一つ沈む。


雨だれ筋の渡し板が滑る。


寝床くぐり前の砂が流れる。


道なおし係が慌てる。


「赤札!」


「砂袋!」


「板、二人で持って!」


ノアが走りかけて、サヴィに睨まれた。


「雨の時は走らない!」


「歩きます!」


今度はちゃんと歩いた。


澪はその様子を見て、少しだけ笑った。


一度で覚えなくてもいい。


少しずつ変わればいい。


ミルカが渡し板を直す。


「水の道を塞がない。人の道だけ戻す」


フィリアは清め場前を見る。


「砂が濡れています。泥落としには使いにくいです」


トマが乾いた灰を少し持ってくる。


「混ぜすぎるなよ。滑る」


「少しだけですね」


澪は確認する。


乾いた砂を足す。


濡れた砂は黄砂として乾かし場へ。


泥になったものは赤泥へ。


また分ける。


でも、今度は係がいる。


澪たちだけでやっているのではない。


リーネが声を出す。


「清め場前、青直し完了!」


ノアが続ける。


「夜道入口、黄直し中!」


調律核が青く光る。


《雨後見回り:実施》


《沈下石:修正》


《渡し板滑り:改善》


《砂流出:補充》


《夜間転倒リスク:低下》


澪は小さく頷いた。


「動き始めた」


ライカも頷く。


「自分たちで直してる」


それが一番大事だった。


***


夕方には、《道なおし》は仮成立した。


歩き床は、もう作って置くだけのものではなくなった。


朝に見る。


昼に見る。


雨の後に見る。


夜の前に見る。


赤札を立てる。


黄直しを呼ぶ。


青直しをすぐ行う。


道具を戻す。


短い仕組みだ。


でも、歩き床は昨日より安定していた。


調律核が青く光る。


《道なおし:仮成立》


《歩き床維持:開始》


《板ずれ:低下》


《平石沈下:修正》


《渡し板安全:改善》


《泥戻り:低下傾向》


《夜間転倒リスク:低下》


《条件候補:一部達成》


《作った道は、直さなければすぐ壊れる》


澪は息を吐いた。


「一部達成」


ライカが足元の板を軽く踏む。


「今日は、道がちゃんと道っぽい」


「はい」


リーネは道具置き場を見ていた。


「これなら、明日も直せます」


その言葉に、澪は少しだけ安心した。


明日も直せる。


それは、作ったことより大事かもしれない。


けれど、調律核はすぐに次の表示を出した。


《外縁避難居住帯:夜間移動増加》


《灯り不足:複数箇所》


《赤札視認性:夜間低下》


《夜道/清め場/汚れ場:迷い発生候補》


《次条件候補:暗い道では、正しい線も見えない》


ライカが夜道を見た。


「次は灯り?」


「はい」


澪は頷いた。


昼に見える線も、夜には消える。


赤札も、歩き床も、清め場も、汚れ場も。


暗ければ、人は近い方へ行く。


間違える。


転ぶ。


汚れを戻す。


「次は、夜の線を見えるようにします」


夕方の外縁避難居住帯で、短い歩き床の上に、薄い影が伸び始めていた。


道はできた。


けれど、夜に見えなければ、また道ではなくなる。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


第72話では、歩き床の維持を扱いました。


第71話で《歩き床》が作られ、清め場前や寝床くぐり前、夜道入口のぬかるみは少し減りました。


しかし、道は作って終わりではありません。


人が歩けば板はずれます。


雨が降れば石は沈みます。


砂は流れ、渡し板は滑ります。


今回の条件は、


《作った道は、直さなければすぐ壊れる》


でした。


澪たちは、《道なおし》を作りました。


朝に見る。


昼に見る。


雨の後に見る。


夜の前に見る。


まずはこの四つだけです。


さらに、壊れた場所も三つに分けました。


青直し。


すぐ直せる場所。


黄直し。


二人以上で直す場所。


赤直し。


危ないので通らせない場所。


赤札や黄札を立てることで、踏んでよい場所と、直すべき場所を見えるようにしました。


また、道具置き場も作りました。


道を直す道具を置きっぱなしにすると、それ自体が通行の邪魔になります。


使う。


戻す。


壊れたら赤札。


最初はそのくらいの簡単なルールにしました。


今回の大事な点は、「使われるものほど壊れる」ということです。


壊れるのは失敗ではありません。


人が歩いている証拠です。


だから、使いながら直す仕組みが必要になります。


結果として、《道なおし》は仮成立しました。


歩き床の板ずれや石の沈下は減り、雨後の見回りも始まりました。


そして何より、リーネたち居住帯の人々が、自分たちで直し始めました。


作るだけではなく、明日も直せる。


そこが今回の前進です。


しかし、ラストでは新たな問題が見つかります。


夜です。


昼には見える赤札も、歩き床も、清め場も、汚れ場への道も、暗くなると見えにくくなります。


正しい線を引いても、夜に見えなければ人は迷います。


次の条件候補は、


《暗い道では、正しい線も見えない》


です。


次回は、夜道の灯り、赤札の見え方、迷い、転倒、夜間の清め場や汚れ場への動線を扱います。


道は、昼だけではなく、夜にも道でなければなりません。


原案・構想:マスター

物語構成・本文作成・文体調整:G(ChatGPT)

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