16話 有給、土の魔力
有給2日目。お昼。
『魔力操作大全』の本を、一応一通り読み通した。
読むのに魔力を消費するから、昼寝を何度も挟みつつ、達成した。
とはいえ、あくまで読み通しただけ。
知識が自分の血肉となるためには、実践あるのみ。
というわけで、
「ユウネ、魔力操作の実戦練習をしたい」
「どうぞご自由に」
「家の庭だと狭すぎないか? 魔法の練習となると、広場か、いや、山? 海岸とか?」
「家の庭で十分ですよ。思い切りやってみてください。結界を張っておきましょう」
ユウネが言うやいなや、家の塀に沿って青い光の壁が作られる。
「可視化したほうが分かりやすいので可視化しましたが、別に可視化せずとも運用出来ます。それと結界は外からは見えません」
「なるほど」
では、魔力操作の実戦練習といこう!
魔力操作実践。
魔力を現象へ変換する。
その1。魔力→風。
これが一番簡単らしい。
風とは空気の移動。
つまり空気に魔力をまとわせて、押し出せばいい。
俺は右手をかざし、魔力操作する。
「ふんっ!」
ぼすっ。
「はぁっ!」
ぼすっ。
「やあっ!」
ぼすっ。
「……出来てるのか?」
「これ以上なく出来ていますよ、クータ様。あとは練習あるのみです」
「ふむ。まあ、次にいこう」
その2。魔力→土。
ここから難しい。なにせ無から有の生成。
「まずは土を魔力に変えてみましょうか。そうすればその逆も感覚がつかめるかと思います」
「よし」
庭の土を手でつかむ。
……。さっぱり出来ない。
「手本を見せましょう」
ユウネが俺の持つ土を受け取り、俺に見せる。
すると土が消えていく。魔力……複雑な魔力がユウネの手に見える。
「これが、土だったものが魔力になったもの、土の魔力です。お渡しします」
「おっと」
ユウネが土だった魔力をこちらに投げ、俺は受け止める。
ボコボコボコボコ!
「なっ!? 魔力が、再び土に戻って!?」
「それは、その方が安定した状態だからです。魔力エネルギーの高い所よりも低い所が安定しています」
俺の手の中で、魔力に変わった土が完全にもとに戻る。なるほど。
「土を、魔力で溶かす感じか?」
「もともとある土を魔力にするのは、そんな感じです」
「逆に魔力を固めれば土になると?」
「そう単純ではありません。固め方次第で土でも肉片でも作れますが、非常に精密な魔力操作が必要です」
ふーむ。
難しいな。




