14話 備品補充
会社の営業部門の備品のチェックや補充は、営業部門の社員が交代で行うことになっている。今日は俺の番だ。
ある意味、小学生の日直当番みたいなものだ。
なのでいつもより早めの出勤だ。
「コーヒーが切れてるな」
しかもストックもない。
俺が以前チェックした時は6つストックがあったのに。あれから補充していないにしても、誰か大量に飲んでやがるな。
「あとは、コピー用紙の束が残り12個か」
1日に2つほど消費するので、そろそろストックを買い増しすべきだろう。
なお補充は、後で外回りついでに行う。
『クータ様、私が補充しましょうか』
いいけど、領収書が必要だから貰っておくように。
じゃないと自費になるからな。
『かしこまりました』
さて、あとは湯沸かしポットに水を補充しなければ。
◇ ◇ ◇ ◇
「紐之! ちょっと来い!」
外回りが済んで、のんびりしていた所に上司の呼びつけだ。上司は休憩スポットに居る。
「なんです?」
「貴様、今日の補充係だな、これはどういうことだ!」
「どういう……うーむ」
棚には、ぎっちりとコーヒーやら洋菓子やらが埋め尽くされていた。埋め尽くすの自体はまあいい。
問題はその内容。
どう見ても一級品の品ばかり。
つまりアホほど高価な品、とても会社の経費で落ちそうもない。
「領収書をみせろ」
「既に経理部門に提出してます」
「……何もお咎めなかったのか?」
「ええ」
「……ちょっと経理に聞いてくる」
上司は、経理部門に向かった。
なお俺はユウネに渡された領収書をそのまま経理部門に出しただけで内容の確認はしていなかった。
まさかこんなことになっているとは。
ユウネ、お前やったな。
『金額は、常識の範囲でおさえましたよ』
どんな裏技を使ったのやら。
「紐之……いや、疑って済まなかった」
「いえいえ」
戻った上司に謝られたが、俺が上司の立場でも普通に問いただす。
「だが、どうやってこの量と質の補充をした?」
「それは秘密です」
上司には適当に誤魔化しておいた。
お金以外に何かしら渡したのか?
まあ、深堀りしないでおこう、触らぬ神に祟りなし。
◇ ◇ ◇ ◇
帰宅だ。
「なぁん」
まずはアインの飯の用意だ。
「その前に手を洗ってください」
「そうだな」
アインが、え!? ご飯くれないの!? みたいな顔をしてついてくる。普段帰宅後の手洗いをサボってたからな。まあ待ちなさい。
じゃぶじゃぶ。
手洗い完了。
そしてアインに飯を盛る。
「なぁんむ」
ボリボリボリボリ。ドライフードを懸命に食べるアイン。いつも思うが、そんなに美味いのかな。
というか、アインの世話は、ユウネに任せてもいいのか?
「構いませんが、そうなるとアインさんはクータ様に懐かなくなりますが」
「ふーむ、やっぱ俺がするよ」
「そうですね」
相手されなくなるのは、それはそれで寂しいからな。
◇ ◇ ◇ ◇
『魔力操作大全』の本に魔力を通す。
これで読めるようになった。
1度の読書で20分程度しか読み進められない。
今日はパラパラと流し読みしてみよう。
魔力操作理論。
魔力操作実践。
これまで確認されている魔法の種類。
魔力から変換する物質や理の種類。
これまで確認されている外法とその対策。
索引。
ふむふむ。
やっぱり順に読み進めるのが良さそうだ。
このペースだと、読み通すのに、10日ほどかかるだろう。
昼寝をはさめば魔力が回復して読むことが出来るようになるが。ふむ。




