♥ フィールド 1 / クエスト 1 - 1 / 素材集め 1
──*──*──*── フィールド
此処はケバブィが出没するフィールド。
素材の “ 針の毛皮 ” を入手する為にケバブィを狩るの。
針の毛皮って聞くと、「 ケバブィって針鼠かな? 」って思うけど、全然針鼠なんかじゃなかった。
何だろう……何て例えたら伝わるんだろう……。
天狗猿っぽい顔をした── でも猿じゃないんだけど ──4足歩行するパンダぐらいの体格で、背中が針でビッシリと覆われた怪物が沢山居て、セカセカと忙しなく動いている。
以外と動きが素早いから、狩るのは難しそう。
私は習得した魔法の熟練度を上げる為に魔法を発動させる。
ケバブィに効く属性はあると思うけど、私は属性なんて気にしないで魔法を使うの。
だって私はトドメを刺さないから。
ケバブィにトドメを刺すのはセタちゃんだもん。
素早いケバブィはセロフィートが古代魔法を使って動きを止めてくれてるから助かってる。
セタちゃんは慣れない原質の柄を両手で掴んで、使い方をセロフィートに教えてもらっている。
セロフィートめぇっ!!
アンタ、何でセタちゃんには優しいのよ!!
若しかして、マオきゅんに似てるの??
確かにセタちゃんは童顔で可愛いけど、髪の色も瞳の色も身長だって違うんだけど!
因みにマオきゅんって言うのは、マオチェリンド・シェルダーシカ・エルゼシアって名前で、物語の舞台となる≪ エルゼシア大陸 ≫の王子様で主人公。
国王には正妃とは別に7人の后が居て、マオは19番目の王子様。
母親は正妃だけど、両親が同じ兄姉が5人居る。
マオきゅんの王位継承権は第19位で、黒髪,黒い瞳で身長が低い小柄な10歳の男の子。
王族の誰にも似てない容姿と真っ黒な髪と瞳のマオきゅんは、忌み子として王子でありながら差別と迫害と嫌がらせを受けて育っていた。
そんな最悪な環境からマオきゅんを救い出したのが、放浪旅をしていた吟遊大詩人のセロフィート・シンミン。
≪ 王都エルゼシア ≫の建国記念祭の御祝いに招待されていたセロフィートは、忌み子として嫌われていたマオきゅんをエルゼシア城から連れ出して、マオきゅんと放浪旅に出た。
忌み子で要らない子扱いされていたマオきゅんだったから、特に問題にはされなかったけど、ぶっちゃけ立派な誘拐で犯罪だからね!
連れ拐いなんてしたら駄目よ、絶対!!
誘拐、カッコ悪い!!
旅の間に色々あって≪ エルゼシア大陸 ≫の〈 皇 〉になったマオきゅんは、セロフィートとお別れをして、長い旅を終える形で物語は完結した。
そう、吟遊大詩人セロフィートの物語は、一応ちゃんと完結しているの。
セロフィート…………アンタ、マオきゅんに未練でもあるのぉ??
セタちゃんはマオきゅんじゃないんだよ!!
いや、まぁ…セロフィートなら態々言わなくても分かってるだろうけどね!
≪ 日本≫ に戻れたら【 小説家でいこう! 】を再開して、短編を書いてあげるから、セタちゃんに手を出さないでほしい!!
ニュイちゃんは私のLVを上げる為に巨大化して大量のケバブィを丸呑みして消化してくれている。
玄武はニュイちゃんが体内から「 ペッ 」と吐き出した素材とドロップアイテムを回収してくれている。
とは言っても素材とドロップアイテムの回収をしてくれてるのは、玄武自身じゃなくて玄武が使役している12支だけどね!!
じゃあ、玄武は何をしてるのかと言うと、ケバブィが私を攻撃して来ないように守護ってくれてたりする。
倒しちゃうと経験値が得られないから、即死寸前でケバブィを戦闘不能にしてくれている。
戦闘不能は玄武の式神がしてくれてるんだけどね。
そんなケバブィにトドメを刺すのは、原質の柄を使いこなそうとして奮闘しているセタちゃん。
セタちゃんのLVもガンガン上がってるみたい。




