私の頬に何かが伝う。
涙…??
私……泣いてるのかな??
悲しいんだ……。
私はヴィネパラ皇女が死んでしまって悲しいんだ……。
こんな私にも未だ良心は残ってくれてるんだね…。
セロフィート
『 惠美、何故泣いてます?
泣く程、親しい相手でした? 』
鼓綴里惠美
「 あのねぇ……。
私は人の子なの!
悲しいから泣くの。
其にヴィネパラ皇女とは話もしたし… 」
セロフィート
『 〈 テフの源みなもと 〉へ変へん換かんします? 』
鼓綴里惠美
「 …………したくないかも… 」
玄武
『 話はなせないのが悲かなしいなら、話はなせるようにするか? 』
鼓綴里惠美
「 話はなせるようにする??
其それってどういう事こと?? 」
玄武
『 式しき神がみにすればいい 』
鼓綴里惠美
「 式しき神がみ??
式しき神がみにするって……遺い体たいを??
そんな事ことが出で来きるの? 」
セロフィート
『 良よい案あんです。
式しき神がみにした国こく王おうと王おう妃ひには今いま迄まで通どおり、ルッグルクリ王おう国こくを治おさめさせれば良よいです。
式しき神がみの補ほ佐さサポートを戦せん闘とう用ようの〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉にさせましょう 』
鼓綴里惠美
「 そんな事こと迄まで出で来きるの?? 」
セロフィート
『 出で来きます。
どうします? 』
鼓綴里惠美
「 勿もち論ろん、其それで!
──って言いうか〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉迄まで使つかえちゃうんだ…… 」
玄武
『 国こく王おう,王おう妃ひ,皇こう女じょを式しき神がみに変かえるには、惠え美みの1部ぶが必ひつ要ようになる。
髪かみの毛けを3本ぼん抜ぬくぞ 」
鼓綴里惠美
「 はぁっ??
一寸ちょっと待まってよ!
勝かっ手てに抜ぬかないで!
自じ分ぶんで抜ぬくから… 」
私わたしの髪かみを抜ぬこうとした玄げん武ぶを慌あわてて制せいする。
手て櫛ぐしで髪かみを梳すいてから、抜ぬけた髪かみの毛けを玄げん武ぶに渡わたした。
狩かり衣ぎぬのお腹なか辺あたりの袋ふくろになってる所ところから、人ひと形がたをした白しろい紙かみを取とり出だした玄げん武ぶは、私わたしの髪かみの毛けを1本ぽんずつ人ひと形がたの紙かみに一いっ体たい化かさせた。
淡あわく色いろ付づいた人ひと形がたの紙かみを遺い体たいの上うえへ飛とばすと、広ひろげていた扇せん子すをパシン──と音おとを立たてて閉とじた。
其それを合あい図ずにしたかのように、人ひと形がたの紙かみは遺い体たいの中なかへ入はいってしまった。
玄武
『 終おわったぞ。
此これで式しき神がみになった。
惠え美みが使し役えき出で来きる惠え美みだけの式しき神がみだ 』
鼓綴里惠美
「 ………………もう、式しき神がみに出で来きたの??
思おもったより早はやいんだ? 」
玄武
『 ワタシは式しき神がみだからな。
式しき神がみにするのは得とく意いだ。
誉ほめていいぞ 』
鼓綴里惠美
「 …………凄すごいね、玄げん武ぶ!
有あり難がとう♪ 」
玄武
『 ワタシの惠え美みの為ためだからな 』
玄げん武ぶは自じ慢まん気げに微ほほ笑えんでる。
式しき神がみに出で来きたのは良よしとして、どうやったら起おき上あがるの??
鼓綴里惠美
「 玄げん武ぶ、どうしたら王おう様さま,王おう妃ひ様さま,ヴィネパラ皇こう女じょの式しき神がみは起おき上あがって動うごくの? 」
玄武
『 手てを叩たたいて起おこせばいい。
命めい令れいしなくても勝かっ手てにすべき事ことをしてくれる。
一いち々いち指し示じを出だす手て間まが省はぶけて楽らくだろう 』
鼓綴里惠美
「 そうなんだ…。
有あり難がとう、玄げん武ぶ 」
玄げん武ぶが教おしえてくれたように、私わたしは両りょう手てを軽かるく叩たたいてみた。
すると音おとに反はん応のうしたのか、王おう様さま,王おう妃ひ様さま,ヴィネパラ皇こう女じょの遺い体たいが重じゅう力りょくを無む視しして起おき上あがった。
王おう様さま,王おう妃ひ様さま,ヴィネパラ皇こう女じょの式しき神がみは私わたしに対たいして深ふか々ぶかと一いち礼れいをすると勇ゆう者しゃ召しょう喚かんの間まから出でて行いった。
自じ分ぶん達たちのすべき事ことをしに行いったのかな?
王おう様さま,王おう妃ひ様さま,ヴィネパラ皇こう女じょから深ふか々ぶかと頭あたまを下さげられるのって変へんな感かんじだった。
鼓綴里惠美
「 此これでルッグルクリ城じょうも≪ ルッグルクリ王おう国こく ≫も取とり敢あえずは安あん心しんなのかな? 」
セロフィート
『 心しん配ぱいしなくても良よいです。
≪ ルッグルクリ王おう国こく ≫に魔ま物もの,魔ま族ぞくの類たぐいが入はいれないように結けっ界かいを張はりました。
無む闇やみに襲おそわれる事ことはないです。
戦せん闘とう用ようの〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉も配はい置ちさせました 』
鼓綴里惠美
「 そうなの?
セロ、有あり難がとう! 」