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No.98:先輩たちの夏

《昨年破竹の勢いで愛知県大会を突破し、その勢いそのままに甲子園準優勝を成し遂げた邦南高校のこの夏の終わりは、なんとなんと3回戦!!!》




《邦南高校、3回戦で名関高校に屈しました!!!》






大場(終わった……のか……。)




(くそっ……くそっ…………。)





(なんで最後…………あんな………………)





『なんであんな甘い球を…………!!』





《全国制覇を目指した大場翔真の最後の夏は、無情にもここで終わりました。》




慶野『行くぞ。立て。翔真。』







《キャプテンの慶野がマウンドで泣き崩れる大場の肩を担いでホームベースに集まります。》






『4対3で名関高校の勝ち。ゲーム!!』





『『ありがとうございましたぁぁ!!!』』





千夏『負けちゃった……。』


佳奈『そんな…………。そんな…………。』


千夏『良い試合だったよ。』


佳奈『……。でも勝たなきゃ意味が…。』


千夏『それはみんな分かってるよ。』








《名関高校、この夏3回目の校歌斉唱です!》






村田(俺のせいだ………………。)




(俺があのイージーフライを捕っていれば……。)





(この試合は勝てた…………。)





大場『うっ…………。うっ………………。』

慶野『泣くな翔真。笑顔で終わろう。』

大場『…………。無理だ。俺には笑えねえ……。』

慶野『…………。』



(無理もねえ…。この試合は苦戦したとはいえ、絶対に勝てた……。)




(なんも考えられねえや…………。)





村田(……俺のミスで…………。それ以前にも俺の乱調で…………。)



西口(負けた1番の直接的な理由は、正直あそこだわな……。)




(9回ツーアウトランナー無し。捕ってれば勝利の場面での村田の落球…。)





(たられば言っても仕方ねえけど、あれを普通に捕っていれば今頃俺達が校歌を……。)







《笑顔で、笑顔で校歌斉唱の名関高校ナイン!!!》





(これが現実だ─────────。)







『『『ありがとうございました!!!』』』





『やったぞみんなぁーー!!』

『勝ったぜ!!』

『あの邦南にな!!!!』

『応援ありがとう!!!』







慶野『応援してくれたスタンドの皆に挨拶するぞ。』


『『気を付け!!!!』』





『『『応援、ありがとうございました!!!』』』





パチパチパチパチ…………



『良く頑張ったぞ!!翔真!』

『お疲れ様!!!』

『良い試合だったぞ!!!』





慶野(本当に……)







“終わっちまったんだな…………。俺の最後の夏…………。”





村田(………………。)





佳奈『直っ!「佳奈。」!!』


千夏『やめな。そっとしておいてあげて。』


佳奈『先輩!でも…………。』


千夏『今1番責任感じてるのはあの子。あたしたちが出る幕じゃないよ。』


佳奈『…………。』




慶野『次の試合あるからさっさと荷物をベンチ裏に運べ!ベンチ開けるぞ!キビキビしろ!』


『『ハイッッッ!!!』』





村田(俺が……先輩たちの夏を…………。)


酒井『直政。おまえの気持ちは分かるが周りを見ろ。撤収するぞ。動け。』


村田『…………。あぁ…………。すまねぇ…。』


酒井『……。』



(こりゃ相当ダメージ食らってんな…。当然だけどよ…。)






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