No.80:別人
《先程のイニング1点を失った名関高校が今度は攻撃のイニング。ゲームは7回裏に突入です。ゲーム再開後、本格的に雨は弱くなってきました。》
西口(さっきの回1点しか取れなかったとはいえ、この取られた後のイニングを無失点で抑えれば完全にウチの流れ。)
《さあ2年生青山への初球!!》
ビュッッ!!!!
西口(変化球が高い!)
カキィィーーーンッッ!!
《高めに浮いたスライダーをセンター前に綺麗に運んでいきました!!先頭の青山がヒットで出塁です!!》
村田(くっそ。なんか思ったところにボール行かないんだけど。意味わかんない。)
西口(どーしちまった村田…。さっきから失投多すぎんぞ…。)
『7番、セカンド、志田くん。』
《打席の志田は送りバントの構え。》
西口(ここで送らせても8番9番をしっかり打ち取れば問題ない。今の村田にはひとつアウトあげてやることが大切な気もするし。)
コンッッ!!
《初球をきっちり送ってきました。良いバントです。ファーストの小宮が処理し、ワンナウト二塁となります。》
西口『ワンナウトな!村田!』
村田『おう。』
『8番レフト萩森くん。』
佐藤『ハギさん打てよー!』
江本『しっかり振ってけ!』
森『良い場面だよ!』
西口(変化球が甘く入るとさっきみたいに打たれる可能性がある。ストレートなら多少甘くなってもゴリ押しが効くし、打たれるリスクも低い。)
ズバーーンッッ!!!
『ボール!!』
《これは外に抜けてボール!!》
西口(カウント不利はダメだ。次ストライクいれろよ。)
ズバーーンッッ!!!
村田(あーくっそ。なんでだ。)
《今度は低めに外れてボール!!カウントツーボール!!制球がうまく定まりません!!》
西口(マジでどうした…?5回までは雨降ってても要求してたコースにきちんと来てたのに…。)
《3球目!!》
ズバーーンッッ!!!
【144km/h】
西口(……。)
『ボール!!スリー!!』
《8番萩森に対してスリーボールにしてしまった!今のボールも明らかにボールと分かる球!!》
西口(ここで8番のコイツにフォアボールは色々とマズい。)
村田(なんで入らないんだ?)
ズバーーンッッ!!!
【142km/h】
萩森『………。』
『よし!!』
《ストレートのフォアボール!!村田今日4つ目の四死球!!ワンナウトランナー、一二塁!!名関高校はチャンス拡大!!》
遠藤『森、交代だ。小林、行くぞ。』
小林『ハイッ!!』
佐藤『お疲れ元ちゃん。あの邦南相手に7回2失点。役目は十分果たしてくれたよ。』
遠藤『あとはコイツらに任せろ。』
江本『トシキ、元ちゃんの好投を無駄にしないためにも、打たないとね。』
小林『勿論。』
遠藤『8回からは継投に入る。篠田、お前で行くぞ。』
篠田『はい!』
『名関高校、選手の交代をお知らせします。9番、ピッチャー、森くんに代わりまして、代打、小林くん。バッターは小林くん。』
《ここで代打は3年生の小林 稔宜!!ここで好投してきた森元気を交代させます!先に動いたのは名関ベンチ!!》
川越(ここでもし小林も出すようなことがあれば、交代せざるを得ない。)
西口(こんなに影響あるもんか…。あの中断が…。中断前と再開後じゃまるで別人みてぇだ…。球速はさっきから140キロ台ポンポン出てるし、疲れって訳じゃない気がするし…。)
《この回ヒットとフォアボールでワンナウト一二塁と一打再び同点のチャンスを迎えている名関高校!!代打小林は好投手村田を捕らえることができるか!?》
小林(来いよ…。村田。絶対打ってやる。)




