No.81:村田ノックアウト
《ここまで好投してきた森元気に代えて代打の小林を起用してきました。先に動いたのは遠藤監督率いる名関高校。》
西口(背丈もそんなにない。それに名関程度の控えメンバーだ。実力があるとも思えない。)
(あとは村田がいつも通りのピッチング出来るかどうか…。)
村田(くっそイライラする。)
(ちょっとチャンスだからって雑魚のくせして、)
(いい気になってんじゃねえよ!!)
ズバーーンッッ!!!
『ボール!!!』
《これも大きく高めに浮いてしまった!!初球ボールです!》
小林(相当力入ってる。)
西口『落ち着け村田!!肩の力抜いてリラックスしろ!!』
村田(うっせーな!!!)
《2球目!!》
ビュッッ!!!
西口(!!!)
村田(なっ!?)
西口(バカこんな球……、)
(止められっか……!!)
《これはワイルドピッチだ!!ベースの大きく手前でワンバウンドしてしまった!!さすがの名捕手西口も止めることができません!!ランナーそれぞれ進塁してワンナウト二三塁の大チャンス!!!》
西口『落ち着け村田!もっと回り見てけ!!』
村田『落ち着いてるわ!指に引っ掛かっただけだっつーの!』
西口(くっそ…。こーなった村田は厄介だ。練習試合から時々あったからよくわかる。)
ズバーーンッッ!!!!!
『ボール!!!スリー!!!』
《これも高めに浮いた!!同じボールを何度も続けてしまいます!!少し修正したいところ!!これで先程の萩森から7球連続ボール!!!》
村田(あーくっそ!!ホントにワケわかんない!!)
西口(村田自身全くどうなってんのか訳分からなくなってるな。)
ズバーーンッッ!!!!!
『ボール!!フォア!!!』
村田(………。)
《代打の小林にもストレートのフォアボール!!2者連続です!!ピッチャー村田、全くストライクが入りません!!》
西口(ピッチャーってのは難しいな…。)
(一度リズム崩しただけで全くの別人になっちまった。)
村田『ちっ……。』
《ここで邦南高校の川越監督がベンチから出てきます。どうやらピッチャー交代のようです。》
西口(当然の判断だな。少し遅いくらいだ。)
『邦南高校、選手の交代をお知らせします。ピッチャーの村田くんがライト。ライトの、大場くんがピッチャー。』
『4番、ピッチャー、大場くん。7番、ライト、村田くん。以上に変わります。』
『続きまして、名関高校、選手の交代をお知らせします。ファーストランナー、小林くんに代わりまして、代走、秋田くん。ファーストランナー、秋田くん。以上に変わります。』
《フォアボールで出塁した小林に代えて代走に秋田が入ります。そして、》
《大場翔真がマウンドに上がりました!!邦南高校、ここでエースを投入してきました!!昨年全国準優勝左腕です!!》
佳奈『あっ。直代わっちゃった。』
千夏『全然ストライク入らなかったもんね。しかも満塁のピンチだし。』
佳奈『雨降ってるときは凄かったのに、中断挟んでからは全然違った…。』
千夏『繊細なのよ。きっとプレイヤーとしてね。アンタもそうでしょ。』
佳奈『ウチそんなに繊細ですか?ってか少なくとも直は繊細じゃないと思いますよ。』
千夏『アンタと一緒にバスケしてるとよく思うよ。』
佳奈『ははは…。そうですか……。特に自分じゃ分かんないんで…。』
大場が投球練習をする。
ズバーーンッッ!!!
ズバーーンッッ!!!
江本『はっや。』
小野『ラスボス登場。』
佐藤『ここで投げるってことは怪我してたってわけじゃなかったのか?』
水谷『いや、仕方なくって感じじゃないっすか?村田があそこまで荒れてもここまで引っ張ったのは訳があると思いますよ。』
江本『でも、ライトからバックホーム刺したときのあのスローはとても怪我してる奴のスローとは思えなかったよ。』
佐藤『うーん。どっちだろね。』
小野『どっちでもいいよ。』
江本『ん?』
小野『結局打たなきゃいけない。怪我してるしてないに関わらずね。全力でやれることやるだけっしょ?』
江本『そうだな。』
佐藤『ビビってちゃダメだね。』
小野『ワンナウト満塁。どんなピッチャーも立ち上がりでこの場面はキツいと思う。最大のチャンスだと思うよ。』
江本『よっしゃ。任せなさい。』
『1番、サード、江本くん。』
《邦南高校は1点リードの7回裏の守り、ワンナウト満塁の一打逆転のピンチで大エース大場翔真を送ってきました。対する名関高校の打席には1番の副キャプテン江本健太郎!!》
村田(………。)
大場(久々に痺れる場面だな。)
“本気でいく。絶対に得点の一手は打たせない。”
『プレイッッ!!』




