No.69:森元気対策
『5回の裏、名関高校の攻撃は、6番、ライト、青山くん。』
佐々木『源!先頭出ろよ!』
ザーッ!!ザーッ!!
《夏の愛知県大会3回戦、邦南高校vs名関高校の試合は現在5回の裏、名関高校の攻撃。打席には2年生青山、対するマウンド上は1年生村田。先程から降り始めた雨も少し強くなってきました。》
西口(さっさと守り終わらすぞ。)
村田(そんつもりだわ。)
《さぁ初球!!!》
ズバァァーーンッ!!!
【142km/h】
『ストライク!!』
《初球から左打者の青山のインコースを突いていってワンストライク!!》
ズバァァーーンッ!!!
『ストライク!!ツー!!』
《今度はアウトローへ!ギリギリ一杯一杯!!》
青山(打てる球来ないな…。コントロールもかなり良いってか…。)
志田『源!振ってけ!』
萩森『振らなきゃなんも起こらんよ!』
青山(そうだ。振らなきゃなんも起こんない!!)
村田『振らなきゃなんも起こんない?だったら振ってみろよ。』
ズバァァーーンッ!!!
【145km/h】
《インコース高めのストレートに空振り三振!!今日11個目!!!!》
青山(速い…。)
村田『振ってもなんも起こんねえよ。』
西口(相変わらず痺れるようなストレート。質も文句無い。コントロールも抜群だ。)
『7番、セカンド、志田くん。』
《ワンナウトで打席には7番の志田 樹大。ここから出塁することができるか。》
ザーッ!!ザーッ!!
………
ズバァァーーンッ!!!
《志田も空振り三振!!村田直政、名関打線に付け入る隙を全く与えません!!》
佐藤『いいよいいよ!!ナイスイング!!』
『8番、レフト、萩森くん。』
江本『ハギ!打てよ!!初球からな!』
森『ハギ~!』
西口(よくコイツら村田にここまで抑えられて元気で居られるな。)
ザーッ!!ザーッ!!
ズバァァーーンッ!!!
《初球のストレートを空振り!!》
西口(ナイスボール。)
ズバァァーーンッ!!!
《2球目も空振り!!萩森も一気に追い込んだ!!》
萩森(まだ…!まだ…!)
西口(3球で決めるぞ。)
《さあ3球目!!》
カクッッッ!!
萩森(スライダー!?)
ブンッッッッ!!!
西口(よし。)
村田『どうだコラ。』
《最後もスライダーにバット回って三球三振!!村田直政、この回三者連続三球三振!!5イニングでなんとなんと13奪三振!!!圧巻の奪三振ショー!!1年生とは到底思えない素晴らしいピッチング!!》
邦南|100 00 |1
名関|000 00 |0
萩森『いやー。やっぱスゲーなあのピッチャー。』
佐藤『最後スライダーよな?』
萩森『うん。切れ味抜群。』
志田『ストレートもキレッキレだし。』
森『大丈夫。俺が踏ん張るから。』
篠田『頼むぜ元ちゃん。良い感じにハメれてるし。いけるぞ。』
森『うん。シノに出番回さないつもりで頑張るよ。』
ザーッ!!ザーッ!!
西口『そろそろ流石に追加点取りたいな。あの程度のスローボーラーに5回1得点は情けない。』
藤武『確かに。情けない。』
小宮『僕はあのピッチャー。舐めたらいけないと思うよ。』
西口『?』
小宮『この整備の時間だし整理しよう。最速で110キロの左ピッチャー。基本的に100キロ台で右バッターのインコースをズバズバ突いてくる。勿論この遅さだし、たとえ良いコースでも怯むことなく引っ張っていってる。』
『これが相手の罠なんじゃない?』
西口『………。』
小宮『サードの江本、ショートの水谷はこの試合見る限りかなり守備上手い。レフトの萩森も派手さは無いけど安定感ある。みんなみっちり練習してきてる感じはある。』
『右バッターみんな、打たされてるんだよ。左方向に。そして守備の上手い3人に処理されてる。』
小宮『フライアウトが多いのも気になる。みんな力んで大振りになってる。遅い球に釣られて。』
氷室(確かに大きいの狙いに行っちゃってたかも…。)
小宮『左バッターには少し投げにくそうかも。クロスファイヤーが外角になっちゃうってのもあるし。左ピッチャーが左バッターのインコースを突くのは結構シビアなものがあるし、左の方が投げミス多いと思う。右バッターにはしっかりインコース突いてるけど。』
大場『逆方向意識だな。相手の術中にハマらない為にも。』
小宮『はい。左バッターは外角にもよく来るんで自然と逆方向の意識が持ててたけど、右バッターはひたすら内角に来る。そこを引っ張ってアウトにさせるのが相手の狙いなんじゃないかな。』
西口『右バッターも逆方向意識ってことか。』
小宮『うん。センター返しでもいいよ。そうするだけで大振りもしなくなるし、きっちり強打できると思う。』




