No.55:諦めない心
___________
カキーーーンッ!!
『寿樹!お前は手加減しろって言っただろ!』
『ヘヘヘ!ごめんごめん!』
『お前は俺達と違うんだからな!』
………
『二瓶、おまえ進路はどうするんだ?一応私学から推薦も来てるぞ。』
『いや、自分は地元の高校で勝ち上がりたいんで。あんまり私学とかは考えてないです。』
『お前の打撃センスがあれば十分強豪私学でもやっていけると思うんだがな。もう一度考え直してみないか?』
『いや、自分が弱い高校に入って強くしたいなって!』
『そうか…。監督の俺としてもお前が強いとこ入って活躍するのが見たかったんだがな。お前の意志がそうなら仕方ない。頑張れよ。』
『はいっ!ありがとうございます!』
___________
(ほんとは怖かったんだ…。)
(強いとこ入って頑張ってもスタメンとれなかったら意味無い…。)
(そういって俺は逃げたんだ。)
ズバァァーーンッ!!!
《初球は見逃し!!アウトローギリギリに決めてきました!!》
《さぁ2球目!!》
ズバァァーーンッ!!!
『ストライク!!ツー!!』
《今度はインコースへ!!抜群のコントロールです!村田直政!!早々にツーナッシングと追い込んだ!》
牧原『寿樹!!頼む!!打ってくれ!!』
小泉『まだ終わってねえ!!』
十川『お前はお前のバッティングを信じろ!!』
木暮『お前なら打てるぞ!!』
二瓶(アイツら…………。)
(そうだ、俺はやる前からいつも諦める。そんなんじゃ後悔しか生まれねえ…。それは俺が1番よく分かってるはずじゃねえか!!!)
(まだ、)
(まだ負けてない!!まだゲームセットの声はかかってない!!)
(やろうとしなきゃなんもできねえじゃねえか!!)
カキィィーーーンッッ!!!
西口(この球を!?)
村田『まじ?』
《これはセンター前!!3番二瓶が今日チームの全安打となる2本目のヒット!!ワンナウトから出塁!!》
『おっしゃぁ!!寿樹さすがだぜ!!』
『ナイバッチ!!!』
村田『あのボール打つとか。やるじゃん。』
西口(でも、)
(悪いが今日の村田が打てるのはお前だけだよ。)
ズバァァーーンッ!!!
《空振り三振!!!今日17個目!!!4番小泉2打席連続三振!!》
『5番、ピッチャー、十川くん。』
《現在8点差なのであとワンナウトでコールドゲーム成立です。ここで一矢報いるか、覚王山高校。打席にはエースの5番十川。》
十川(まだ………まだだ!!)
西口(ほーう。まだ諦めないその目つき。)
(良いチームじゃん。)
ズバァァーーンッ!!!
『ストライク!!』
西口(相手が悪かったな。)
ズバァァーーンッ!!!!
『ストライク!!ツー!!』
《ストライク先行でグイグイ攻めていきます。これでツーナッシング。覚王山高校、追い込まれました。》
西口(最後はこれでいくぞ。)
村田(おう。)
《ツーナッシングからの3球目、投げる!!》
ビュッッ!!!!
十川(打つんだ!!絶対に!!)
カクッッ!!!
十川(スライダー?まずい!!)
(止まれ!!!)
ピクッ
ズバァァーーンッ!!!
村田『回っただろ!』
西口『ハーフスイング!!!』
十川(…。)
『スイング!!バッターアウト!!!!ゲームセット!!!!』
十川(…。)
《最後はハーフスイングでゲームセット!!邦南高校、流石は昨夏全国準優勝校の実力!!打線は13安打8得点、守っても先発の背番号9、1年生村田直政が7回を投げて散発2安打、無四球、18奪三振零封の完璧な投球で覚王山打線を全く寄せ付けず!!2試合連続のコールドで3回戦進出を決めました!!》
覚王山|000 000 0|0
邦南高|000 251 x|8
(7回コールド)
邦南高校、2回戦突破!




