No.37:調整期間
多目的室で野球部はミーティング中
川越『配布した資料を見ろ。これが天白西新チーム以降のデータだ。』
秋大会名古屋地区Gゾーン
●天白西 1 vs 7 高塚商業◯
●天白西 5 vs 9 水里 ◯
◯天白西 4 vs 2 金山興道 ●
●天白西 0 vs 14 猪子石 ◯(5回コールド)
一次予選敗退
名古屋市内県立大会
●天白西 1 vs 9 朝日ヶ丘◯(7回コールド)
1回戦敗退
春大会名古屋地区Aゾーン
●天白西 4 vs 10 栄華◯
●天白西 9 vs 17 白石工業◯
一次予選敗退
川越『昨年夏も1回戦で松宮にコールド負けしている。決して強いチームではない。が、ウチも初戦の難しさがある。常に優位な展開で進められるとは限らんが、この程度のチームに苦戦していてはそれまで。シードでもないウチは8回勝たなければ甲子園には行けない。ここで手こずるわけにもいかない。コールドで決着つけるぞ。そのつもりでいけ。本気でな。』
『『はいっ!!』』
川越『先発は、勿論大場でいく。上級生含め久々の公式戦だ。勝つぞ。』
西口『甲子園まで道のりは長いんで、少し抑え気味でいきましょ。マウンドの感じ確かめるのにもちょうど良い相手ですし。』
大場『そうだな。全力出して消耗するのも悪手な気がするしな。』
川越『エースは恐らく杉浦。だが、公式戦でのチームの失点数を見る限り好投手とは失礼ながら言えない。フォアボールも多く出し、球威もさほどあるわけではない。初球から甘い球は強打してけ。7月9日、小牧球場だ。そこまでの残り13日、調整をメインに進めていくぞ。メニューも強化期間と比べ、だいぶ軽くしてある。』
村田(よっしゃーー!!!楽なメニュー来ったぁぁぁ!!)
川越『どうした?村田。』
村田『あっ、いやっ、そのっ、調整も大切だなーと。』
川越『よし、練習を開始するぞ。アップに入れ。』
『『ハイッッ!!』』
***
ズッバーーーンッ!
西口『ナイボール!!良いっすね!!』
大場『おうっ!』
西口(翔真先輩はホントにタフだな。強化期間が終わって最初の練習だし、まだかなり疲れが残ってるはずなのに。)
大場『もう1球ストレートで!』
西口『はい!』
(ま、翔真先輩がタフなんて事は、)
ズッバーーーンッ!!
(去年の夏で証明済みなんだけどな。)
『ナイスボール!!その感じですね!』
『いいな。大場君は。』
『このストレートの他にもウイニングショットのフォーク、カーブもあるし、何より左ピッチャー。』
『コントロールも悪くない。プロでも即戦力になれるだろう。』
西口(スカウトの人達が唸るのも納得だ。)
(こんなスゴい人のボールを受けられるのもこの夏が最後。)
ズッバーーーンッ!!
『うんうん。』
『いいねー。』
『改めて相当速いな。』
(最後は当然、)
(全国制覇。)
ズッバーーーンッ!!!
『ナイスボール!!』
大場『よし、次フォークな。』
西口『はい!!』
***
『これ、7月の予定表ね。』
佳奈(野球部の試合行きたかったけど……練習あるもんなぁ……。……ん?)
『野球部の応援!?』
『佳奈、気づくの早いわね。』
佳奈『千夏先輩、応援に行けるんですか?』
千夏『今年からね。仮にもウチの野球部は去年の準優勝校じゃない?今年も甲子園行ってほしいって、学校中が期待してるのよ。もちろん、野球部の応援ある日も練習はするわよ。第一試合なら応援後練習、逆に第三試合だったら練習後応援、みたいにね。』
佳奈『やったぁーっ!』
千夏『あれ?佳奈ってそんな野球好きだったの?』
佳奈『はいっ!小さい頃から甲子園は録画してでも毎日のように見てましたから!』
千夏『そうなんだ。じゃ、応援のし甲斐があるね。』
佳奈『はい!』
千夏『じゃ、テスト前だしここで部ミーティングは終わり。みんな帰って勉強勉強っ!』
『はーい!』
(やったやった!応援行ける!)




